見出し画像

オレゴンが燃えている。街は煙に覆われた。そして、今日からできること。

ちょうど1週間前の9月7日。夕方外に出ると、強風と共に煙たさを感じた。ニュースを確認すると、ポートランドのすぐそばの山が燃えていた。

数日の間に強風で山の至るところに燃え広がり、山の近隣の街々(ポートランドから車で30分足らず)には避難勧告が出た。息子の小学校の先生たちもそのエリアに住んでいる。燃え始めた一報のあった翌日から先生は停電の中オンライン授業をしていた。それから1週間経ってもなお、私が住むポートランドの街はまだ煙に覆われている。空気の悪さを示すAir Qualityの数値は、300を優に超えたまま、世界でダントツ1位を維持したままだ。

画像1

iqair.comより。2020/9/14 23:31(PST)現在
これでも数字は落ちた方なのだ。

保育園、COVID-19でも閉まることのなかった公園も閉鎖されている。今朝はゴミの回収も空気汚染のため延期となった。公共サービスに、そこで働く皆さんに暮らしがいかに支えられていたかに気づいた。そして、さらには自然、まわりの環境の恵みがあっての暮らしであるという実感を得た今日の朝だった。

身近で大規模な山火事が起こるという衝撃

自分が住む、いや知人友人が住む本当に近くのエリアでこの規模の山火事が起こったことはこれまでなかった。まず、亡くなった方も負傷された方も多くいて、そのご家族、友人の方もいる。心よりお悔やみを申し上げたい。

今回の山火事は、私の中では実はかなりショッキングな出来事だった。家の中でも煙たいとかいう身体的な辛さの話ではない。それを言ったら、また夏の間ずっと山火事に晒されているカリフォルニアの皆さんの比ではないだろう。

でもショックだった。それは、まだ住んで1年しか経っていないけど、オレゴンとポートランドの自然にたくさんの恩恵を受けてきたし、出掛けもした。この自然が素晴らしいと感じていた。そこが一夜、一瞬にしてなくなっていく。1週間で約100万エーカーが燃えたという。面積にして東京と神奈川を足したぐらいの森林がなくなった。家がなくなった人もたくさんいる。

この山火事は、人的なものもあるが、自然発生的なものは、温暖化による乾燥と気温の上昇にやはり起因しているとされている(枯葉同士が擦られて発火するらしい)。私のこのショックの正体は、自分たちが起因する温暖化、二酸化炭素の増加により、地球と自然がもう取り返しのつかないギリギリのところまで来ているという実感だと自身は捉えた。聞いてはいた。知ってはいた。オーストラリアの火災も見ていた。でも自分事になっていなかった事に直面したショックでもあるだろう。あとは、子どもたちの生きる未来への不安と責任と、そういうものが一気に押し寄せた。

1週間前にシリコンバレー付近で見られたオレンジ色の空もそう。ポートランドの山火事だって、2年前にも大きなものがあったと聞く。もっと前からアラートはたくさん上がっていたのにだ。

私自身はこの1年でポートランドという土地の助けがあって、暮らしを改善できつつあると思っていたが、今の状況ではきっと間に合わないだろうと思った。私の暮らしはもちろんもっと変える必要がある。そして、みんなが暮らしの中で努力していく必要があるだろう(もちろん、企業、国という単位での努力は必然だ)。

私は今までこの環境の問題に関して、人の暮らしや人の行動に何かを提案する、ということはしていない。自分自身がまだまだなのに、それを差し置いて人様の暮らしに口出すなんておこがましい、と思っていた。いや、それほどまでに他責、自分の問題として捉えてなかったとも言えるかもしれない。でも、そんなことでは間に合わない、と実感した今だから今回は伝えようと思う。

このnoteを読んでくれた人へ。

今週はコンビニや駅でペットボトルを買うのを辞めてみて欲しい。

生ゴミを捨てるときに使っているレジ袋を1日1枚ではなく、2日か3日に1枚にしてみて欲しい。

エコバッグがなければトートでもリユースの紙バックでもリュックに入れて出かけてみて欲しい。

できることは人によって違うし、まずひとつ試すところからでいいと思うのだ。以前noteで私の移住前の恥ずかしい話を披露しているが、ペットボトルをあれだけ消費してきて、意識が低かった私ですら、1年で少しはマシになれたのだから(そんな新参者の私が偉そうにすみませんとも思いながら書いてる)。

日本ではこのオレゴンの山火事はさほど報道されていないし、私の拙い表現と言葉だけでどこまで伝わるかはわからない。でも、距離は遠く離れた日本の誰かに届くといいなと願っている(伝える力をもう少しつけておけばよかったと、いま本当に後悔している)。

山の火事は懸命な消化活動、遠くの地域や国からの応援のおかげで峠は超えた。明日から雨が続く予報。恵の雨となり、収束へと向かいますように。

メイン写真 photo by David Geitgey Sierralupe photoリンク
※街がひっそりとして、空気の色が伝わったらと思いお借りしました

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?