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ポートランドから、環境とサステナブルを考える

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脱プラスチック、森林保全、廃棄物など、ポートランドに移住して環境に対する価値観は変化した。そこでの気づきを中心に発信していく。
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記事一覧

ゴミがゴミでなくなった日。ゴミのなかに資源と宝物がある。

コンポストを始めた友人が言った「生ゴミが宝物に見える」と言った言葉が忘れられない。ここ最近、なぜか「ゴミ」に関わる出来事や会が頻発したこともあり、「ゴミ」にまつわるエピソード(&ゴミにまつわるサービスメモ)を書くことにした。 ポートランドでゴミの定義と言葉の使い方を再考した日本にいた頃、私がゴミと呼んでいたものは、いろいろある。燃えるゴミ、燃えないゴミ、プラスチックゴミ、資源ゴミ・・・。日本では自治体が中心となって回収を行っているが、すべてまとめて「ゴミ」と表記されているこ

COPとか、京都議定書とか、パリ協定とか。よく聞く環境キーワードをおさらいしてみた。

スウェーデンの環境活動家であるグレタ・トゥンベリさんが、今年開催予定の1年ぶり開催となる環境会議COP26に不参加を表明したとニュースになっている。不参加理由はCOVID-19のワクチンが発展途上国をはじめ平等に行き渡っていないのに(つまり参加困難な国があるのに)開催するのは不公平という主張だ。なぜ不公平なのか?を捉えるため、COPが何なのか、気候変動枠組条約締結国会議のこれまでの流れのおさらい的なものを自分の備忘録かねてざっくりとまとめてみる。ついでに京都議定書やパリ協定、

ポートランドと日本を結ぶ「クリーンテック」イベントから、2021年春の備忘録。

先日とあるイベントに参加した。ポートランド市振興局が主催するClean tech B2Bというイベントだ。 シンプルに伝えるならClean Tech、つまり気候変動問題に対して、エネルギー、グリーンビルディング、グリーンインフラなどの事業を立ち上げている事業者と投資家などを海を超えて、ポートランドと日本で繋ごう!というもの。 私はポートランドに住みつつ、日本で登記した日本法人で日本国内にサステナブルな日用品を届けるD2Cを事業としてやっている、というなんとも中途半端なポジ

みんなは何に対してお金を払ってる?それが、消費や浪費からメッセージになるとき。

ポートランドに移住して以降つい最近まで、商品の購買と消費活動について考えることが増えた。 そんな2020年の年末にあるメールが届いた。アパレルブランド「ALL YOURS」からのアーカイブストアのお知らせだった。簡単に紹介すると、いわゆるセール的な告知ではあったのだが、このアーカイブストアはちょっと違った。過去に販売していた自信を持って届けた商品、でも在庫が少なくなってオンラインストアで売れなかった商品を復刻させるこの企画。普通なら、過去の商品だから少し値引きして販売すると

移住で経験した商品梱包のカルチャーギャップ。そして辿り着いたトイレットペーパーの梱包の話。

私が米国に引っ越したのは2019年の夏。COVID-19の影響もあり2020年はオンラインショップにたくさんお世話になっている(ポートランドの小売店の多くは閉まるか、予約来店に絞るか、密を避けるため入場制限を行っている)。 米国でオンラインショップから家に届く荷物は、ざっくりと適当に段ボールに入っている。日本であればクレームにすらなりそうなものも多い。とりわけ環境に配慮をしていたり、プラスチックを避けていたりするショップから買おうものなら、購入した商品が上手に隙間に詰められ

41歳母の私がサステナブル スタートアップを起業し、トイレットペーパーから始める理由

私が米国ポートランドに家族で移住したのは2019年のことだ。それから約1年も経たずしてCOVID-19が起こり日本は遠くなった。2020年はさらにBlack Lives Matterのプロテストが起こり、米国初の女性副大統領が誕生することになった。COVID-19のため極力STAY HOMEを心がけ、人と会う機会も少なく、身体的行動はかなり減った2020年。ただ心と思考は激しく揺さぶられた年でもあった。 そして2021年になり私はサステナブル、環境をテーマに仲間と会社をつく

オレゴンが燃えている。街は煙に覆われた。そして、今日からできること。

ちょうど1週間前の9月7日。夕方外に出ると、強風と共に煙たさを感じた。ニュースを確認すると、ポートランドのすぐそばの山が燃えていた。 数日の間に強風で山の至るところに燃え広がり、山の近隣の街々(ポートランドから車で30分足らず)には避難勧告が出た。息子の小学校の先生たちもそのエリアに住んでいる。燃え始めた一報のあった翌日から先生は停電の中オンライン授業をしていた。それから1週間経ってもなお、私が住むポートランドの街はまだ煙に覆われている。空気の悪さを示すAir Qualit

都市に住むか、地方に住むか。私の推しは「地方に住むこと」!(はじめて明言した)。

最近になり、やっと答えが見つかって自信を持って薦められるようになったことがある。 都市に住むより、地方に住もうということだ。 いまさら!というツッコミもいただきそうだ。私は確かに「移住」という、それぞれ個人が家族が仕事だけにとらわれることなく好きな場所を選んで暮らせるライフスタイルを推してきた。サービスまでつくったぐらいに。 ただそれは地方であること、都市部であることには寄らず、どの地域でも好きな場所を見つけて住もうという想いからだった。自分だって移住をした。生活者視点で

移住とプラスチックと私

ポートランドに移住してから半年、我が家、とりわけ私に起こった変化を書き留めていこうと思う。最初のテーマとして、これを書かないわけにはいかない。 テーマは「プラスチック」だ。 多くの海外への移住者が、移住してから暮らしの「プラスチック」問題と対面しているに違いない。散々論じられている事でもあるかもしれない。私も例外ではなく、日本と、いま私が住む街の「プラスチック」を取り巻く環境は異なり、暮らしが大きく変わった。 まず移住前、移住直後に実際にあった、私の恥ずかしいエピソード