おばあちゃんのこと

新入社員の頃から
いわゆるめんどくさいお客さんに
つけられることが多かった。
ちょっとあの人のとこ、行って。
わたしだってやだよーと思いながらやってると
だんだんおもしろくなってきた。
なんでこのひとは
こんなに怒ってるんだろう?
で、どうやら微笑みながら
話をきけるのが役に立つみたいだとわかった。

女の子はいつも笑ってなきゃいけない。
背筋を伸ばして、笑ってなさい。
おばあちゃんはわたしをそうやって育てた。
わたしはおばあちゃんがだいすきで、
おばあちゃんに認めてほしくて
一生懸命そうできるようにした。
それは女の子に求められる普遍的なものだったみたいで、
そのことでずいぶん得をして生きられていると思う。
人前にいるときは
割と条件反射的に笑っている。
よく道を聞かれたりする。

そんなおばあちゃんがずっとゆってた、
もうひとつのこと。
貯金をしなさい。
だれも助けてくれないよ。
ずっとその教えを守ってきた。
贅沢をしない。
とにかく貯める。
なにかあったときのために。

けれども、その貯金は
我慢がともなっていたみたいで、
限界がきた。
頑張れなくなったのだ。
やりたいことを全部我慢して、
子どものために使え。
そう強制されて生きていた。

西野さんに興味をもって、
西野さんの考えかたを読むようになって、
貯金はすればするほど、
ちょっと減る、が気になった。
お金の使い方も浪費と投資があるよ。
でもとにかく使ってみないと
なにが浪費でなにが投資かは
わからないよ。

すきなひとのゆうことは素直に聞ける私は
こわかったけれど、貯金を使いはじめた。
ギバーとテイカーとゆう言葉も覚えた。
貯金を使い切ったけれど、
品のいいお金の使い方が身についたかは
わからない。
長年の習慣はなかなかぬけないなあ、
とゆうのが感想。

おばあちゃんがくれた、
貯金は大事だよ、
だれも助けてくれないよ、
ってゆう感覚を抜こうとしています。
だけどそれは
おばあちゃんが生き抜いてきた中で
うまくいったやり方を
孫のわたしに必死で伝えてくれたものだった。
わたしに幸せになってほしいから。
その根底のところだけ
しっかり身体に残して、
新しい世界へ行きます。

おばあちゃんはきっと、
時代が変わったなあ!!って
ゆってくれるとおもう。
そして、おばあちゃんに怒られるとしたら、
貯金をやめたことではなく、
ひととして本当に迷惑な生き方をしたときだと思う。

おばあちゃん、
そのときは怒ってね。
今日もだいすき。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?