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コピーしていい選書フェア(3)

フェアの大体の雰囲気が決まってきて、実際の景色をイメージすることができるようになった。コメントを書いて、冊子を作るぞ。

前回はこれ。

小さい冊子も含めれば、こういうものを作り始めて25年になる。呼吸のようにできる工程もあるけど、それでも大半は毎回新鮮な作業だ。

できるまで

たとえば今回は「選書のデータとコメント」がメイン内容になるけど、組み方も、構成も、無限のやり方がある。誰かがどこかでこの冊子に遭遇して、家に持って帰る途中や、時間が経っていくところまで、冊子の生老病死を想像して構造や修飾を、難しいけど思い浮かべる。

編集したり、版を組んだりする部分は全部、赤井あぞさんがやった。だからほとんどあぞさんの制作物だ。

あぞさんは大阪の自室で、僕も自分の家で、ビデオ通話をしながら作業した。お互いの顔を見ても仕方ないので、あぞさんの編集画面を僕の方に映して、ペアプログラミング(2人1組、1画面を使って相補的に進めていく方法)みたいにやっていく。

できた

できあがったら何度か確認して、そのままオンラインで印刷所にお願いする。そしてデータの方はpdfにして、ホームページに置いた。

1月8日には「WEB本の雑誌」でフェアの内容がお知らせされて、同時に僕のホームページの情報も公開した(随時更新中)。僕は誕生日を、ホームページや自作ソフトをいじって過ごすのが本当に好きで、この日もいい日になった。

さっそく

さっそく色んな人が反応してくれた、ありがたいです。

初日にこういう言葉をいただけることは、本当に励みになります。初日で不安が大きく消えると、健康面でも本当にありがたい。僕は商売がとても好きで、それはお金儲けとは関係なく好きなんだということが伝わってるかもしれなくて、嬉しかった。

このかたも理解が早すぎる。「コピーしていい」というオープンソースの匂いを感じ取って、すぐにハックする。もはや体術を感じる。

そして改変配布。分かってる〜すぎる。「こういうことが起こってほしかった」ということを超えて、ばしばし勝手にみんながやってくれる感じが、本当に良かった。

僕はこんなこと、当たり前に起こるとは思ってない。次同じことをやっても誰も反応してくれないかもしれないし、理解してもらえないかもしれないし、楽しい感じにならないかもしれない。いろんな条件が重なって、みんなにも反応するだけの気持ちや体力の余裕があって、それをこのフェアに向ける気になってくれたから、そうなった。まず、みんながお金や時間や健康に余裕が無いといけない。

どうすればいい?たとえば本を読める人がどんどん読んで知性を発揮して、たとえば社会のスタンダードがいい方向に向かっていくとか。たとえば、たとえば、たとえば、そして、そして、そして。やることが多い。だから意識の光を、あてるべきところにあてる。

あと、図書館にも、かなりある!検索して貸出予約したり、提携図書館から取り寄せたり、大学附属図書館が結構誰でも使えたり、図書館テクニックも色々あるから広まってほしいな。

ちょうど先週更新された「ベルリンうわの空 ウンターグルンド」の回は、図書館がテーマでした。

(つづく)