娘が家を出た

別に家出をしたわけでなく、独り立ちをした。独立。

息子は既に家を出ているのでまさにEmpty Nest.巣立ちのあとの家で静かなものだ。

娘はシェアハウスを決めてきたときから2月5日に出る!と譲らなかった。

そんなに慌てなくても、週末なら手伝ってあげるのにと言っても決めたら即行動派、石橋は叩かず、飛ぶタイプ。

息子は石橋を叩いて壊すタイプ。兄妹でも全然違う。同じように育てたつもりだけれど個性なんだなと思う。

息子は固い仕事でエンジニアだけれど、娘はシアターと演劇学校を掛け持ちでカジュアルワーカー。日本でいうアルバイト。女優業はしばらくしていない。

何でもいいんだよ、仕事は、好きなことをすれば。でも一人でも生きていけるようにならなければいけないと、それだけを軸に育ててきた。

念願かなって独り立ち。肩の荷はちょっとは下りたようだけど、心配がないわけじゃない。

でも大切なのは、子供は心配してほしいわけじゃなく、信頼してほしいのだということ。

親ができることは、じっと寂しさを我慢して、心配の顔色を見せずににっこり笑ってじっと見守る事。監視じゃなくて!

金も口も出さない。これ、大事。

でも何かあったらいつでも頼っていいし、帰ってこいと言ってある。

昔から、欲しいものがあって自分で何ともできないことは言いなさい、と言ってきた。買えるかどうかは別だけど、と。そして二人とも、あれを買ってほしいだの、ここに連れて行ってだの、駄々を捏ねたことは一度もない。できることはするから出来ないことはできないとわかっていてくれるし、自分たちで意外と何とかしてしまう。テレビやパソコンも自分で買っていたし。15歳になるころからアルバイトもしていた。欲しそうな服を買ってあげようか?というと、要らないという。

海外旅行も息子はヨーロッパ3か月や、日本2か月など、行ってたし。高校のころからスキーやスノボも自分で行ってた。
娘は一年の日本留学費用も、旅費も、半年のアメリカでのインターンシップも去年のヨーロッパ放浪の旅も、全部自分で工面した。ま、ドラマや映画に出たおかげでギャラもあったし。2016年の家族旅行でスイスに行った後からは、二人とも海外旅行は全て航空券も自分で買う(当たり前だけど)
2016年以降、家族で海外旅行はしていないことになる。
二人とも車も自分で買ったし、いつでも自分でなんとかしてしまう。
なので、クリスマスや誕生日の時だけは欲しいものを聞いてちょっとだけ高価なものをプレゼントしてきた。(と言っても上限は500ドル!)特別感だして!

私が一つ子供たちの自慢できるところは、幼いころから、送り迎えをしてもご飯を作っても、二人ともいつも母親にありがとうということだ。当たり前のようで、言わない子の方が多いことに気が付いた時から、あら!いつもお礼が言える子に育ってよかったなあと思っていた。

そうして子供たちが巣立った今、あなたたちは「ママの宝物だよ」と必死に子育てしてきたことが、本当に私への大きな喜びのギフトだったんだなあと、しみじみ思う。



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