カヤックが入社式に退職届を読ませる理由
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カヤックが入社式に退職届を読ませる理由

面白法人カヤック 人事部

カヤック人事部の柴田です。面白法人カヤックの入社式では、新入社員が退職届を読みあげます。

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理由1:「カヤックで何を成し遂げたいのか」を最初に考えてほしいから

アライアンスという書籍に書かれていた内容がヒントになっています。定年まで働くことを前提とはしない会社において、「どこまでなしとげたらカヤックを卒業するのか」を入社したタイミングで考えることが目的です。逆に会社側としては、「その社員が成し遂げたいこと」を支援するために何ができるかを考える必要があります。これでやっと対等な関係で、働き続けてもらうことができます。

新人が今後何を目指しているかを毎年聞けるのは、気が引き締まるので先輩社員にとってもプラスです。

1年後に退職届を見直したほうがよい。新入社員だけじゃなくて、全社員が書いた方が良い。

これは今年の新入社員から出てきたアイデアです。1年後に退職届を見直す、書き直すことをやったほうがいいということでした。確かにこれはいいですね(2020/2/29追記・・・私も以下の自分の退職届をアップデートしておいた)。もしかしたら全員、カヤックで何を成し遂げたいのか、を考えてもよさそうです。しかし、「全社員で退職届を書く」は実施しないでしょう。なぜか。

理由2:「入社式で退職届を読む」に「面白法人らしさ」があるから

「面白法人的らしさ」とは何か。「入社してすぐに退職届を読み上げる」というちょっとした、「会社制度をコンテンツとして楽しめる要素」がありつつも、かつ、その目的が「理にかなっている」ということです。単に「全社員が将来のことを考えて退職届を書く制度」では、ちょっと弱い。

人事的な目的から考えた施策に加えて、その会社の「らしさ」も反映されている制度だからやってみた、ということかもしれません。以下似たようなことをツイートしたときの図です。

理由3:社内向けにやりたいことを言いふらすことで、希望に似たプロジェクトがあったら誘いがかかるから

カヤックでは常に複数のプロジェクトが動いています。面白法人をつまく使いこなしている人は、自分のやりたいことと、社内で動いているプロジェクトをすりあわせて、いい感じに「社内の仕事でやりたいことをやる」を実現しています。新入社員が書いた退職届は全社に公開されています。誰が何をやりたいのか、各社員の頭の中に少しだけでも残れば、本人の希望することに近いプロジェクトが発生したときには、声がかかるかもしれません。


2019年の入社式でよまれた退職届を紹介します

2019年の4月に入社した村上くんが、5年後に退職することを想定して書かれた退職届です。

-----退職届ここから-----

みなさま、おはようございます。むらまさです。

わたしは、入社時には進撃の巨人タクティクスで企画部として、入社させていただきました。全然違う畑の出身なものですから、最初は見習いとして働かせていただいておりましたが、それから5年が経ち、既に退職された方含め、皆さまのおかげで成長させていただき、ゲキタクをはじめプロデューサーとしていくつかの案件に携わらせていただくことができました。カヤックで学ぶべき事柄は概ね学べたものと判断いたしまして、本日をもって、カヤックを退職いたしたく存じます。

日本では憲法25条で健康で文化的な最低限度の生活は保証されていますが、とはいえ私にとっては、現代の日本という経済社会で幸福感に満ちた生活を送るには、やはり仕事をしてお金を稼いで行く必要があります。仕事は不可避だとおもっています。

一方で、わたしは素敵な妻との時間を大切にしたいし、可愛い子供たちとの時間も大事にしたいんです。彼らといっぱい思い出をっていきたい。わたしの価値観において非常に大切なことです。けれども、カヤックに関わらず一般的な働き方だと、なかなか思い通りには時間をつかえず、家庭と仕事が分離してしまいます。

だから、すでに一部進んでいるところもあるのですが、これからは妻といっしょに仕事を創っていきたいと思っています。家庭と仕事が分離しない生き方をしていきたい。これは入社の頃から変わらない夢のひとつです。

カヤックという選択はその夢を確かなものにするための第一歩でした。プロデューサーのお仕事を通じて、ビジネスをローンチするところから、スケールして、保守運用のところまで、どのようにプランニング・マネジメントするのかということ。どうやってチームのメンバーに、生産性が高く、かつ人として気持ちよく働いてもらうか。

また、会社の個性豊かなメンバーから盗める能力は盗ませていただき、社内外の人脈も豊かにしていくことができました。いっときは研究者もしていたものですから、ロジカルな物事に携わることが多かったですが、そこでは不足していたクリエイティブとアーティスティックの素養も伸ばすことができたと実感しております。

カヤックで成し遂げられたことは会社の資本があってこそだったので、これまでの経験にない小規模な体制でビジネスをつくっていくことに不安もありますが、「今日もなんだか楽しいぞ!」のメンタリティでやっていくつもりです。

あらためまして、皆様大変お世話になりまして、ありがとうございました。
今後は、同僚としてではなく、一個人としてのむらまさと、また仲良くしてやってくだされれば幸いです。

村上 雅哉

-----退職届ここまで-----


サンプルで書いた人事部柴田の退職届ものせておきます。(2020/2/29にアップデートした。)

わたくし、柴田史郎は、2022年 3月 31日をもって、カヤックを卒業します。11年ぐらい働いた。新入社員として入社したとき、面白法人なんだから、なんか面白いことやればいいのかな、という気軽な気持ちで入社を決めていました。人事のことを学び、その後人事の考え方を活用しつつ「経営理念を反映した管理会計の仕組み」をつくれたのはよかったです。「理念を反映した人事制度」と、「理念を反映した管理会計」だと、後者のほうが会社に与えるインパクトはでかいはず。儲からないと、会社は継続しない。なぜ人は測定されると行動を変えるのか。

入社後、最も印象に残っている仕事は、何かあったと思いますが、もう忘れてしまいました。いつも目の前の仕事が大変だった気がしますが、終わるとすぐに忘れてしまうので、記憶がありません。ちなみに、私は嫌いな食べ物はありません。しかし、嫌いな食べ物がないというのが面倒くさい場合は、らっきょうが嫌いと言います。そういうことにしておいたほうが、話が早い場合もあるのです。

よって、一番大変だった仕事も、以前の自分だったら、適当なエピソードを説明してごまかしていたでしょうが、カヤックで働くことで「思ったことをそのまま言えばいい」ということを学びました。でも書きながら思い出しましたが、月に1回ぐらいは、「長くこの会社にいることは良いことなのか?」と考えていた気がします。自分が長く働くことによるメリット・デメリット、両方あります。長く働くメリットはわかりやすいから説明しません。もちろん役立たなくなったらそりゃ辞めた方が良い。でも、役立っていても辞めた方がより良い場合があります。「役立つ」というのは、報酬以上の働きをしていたり、周囲から「まだこの人は働き続けてもいいと思われている状態」のことです。仮にその状態であっても、自分が辞めることで、他の人が新しい仕事ができる機会が増えます。それによるプラスの効果は本当に計りしれない。私も前の人事部長が辞めたことで、いろいろ新しい機会をもらったので。

面接で辞めたくなったときはありますか?と聞かれたときも、「月に1回ぐらいありますね」と答えています。別にそれでひいてしまうような人は、カヤックに来ない方がいいのです。ここから、「なんでもホントのことを話してくれるんだな」ということを感じ取る人が、カヤックに入社すべき人なのです。ありのままなのです。まあ深刻なトーンでは話してないから、嘘と思われているかもしれない。でも、嘘ではありません。

そういえば昨日起きた話を書きます。私がカヤックで学んだことを示すエピソードとして良い例として。最近一緒の人事系のプロジェクトをやることになった宮地くんと、カヤック社外人事部の神谷さんと、3人で会議をしていました。ちょっと時間が余ったので、宮地くんに「カヤックのこととか、聞きたいことあったら神谷さんに聞いてみてはどう?良い機会だし」と言いました。宮地君の質問は「神谷さんからみて柴田さんの優秀なところを教えてください。いろんな人が柴田さんが優秀だというのですが」という内容でした。神谷さんの答えは「自分の中に制約がない。こだわりが強くない。他の優秀な人はいろいろいるけど、一つの方向にベクトルが定まる。柴田さんはアマチュア感がある」という回答でした。

カヤックの面白さとは「多様性」と説明されることもあります。私がカヤックで学んだことも、「『なんだかよくわからない人』ぐらいが一番面白い」ということでした。一般的なことばで説明できないし、何をやっている人かわからないんだけど、話してみたらわかる。もしくは、その人が書いた文章を読めばわかる。領域関係なく手をだすから、専門家にはなれないけど、それでもなんとかするという感じ。こういう人は、会う度に何か新しい発見をしているから、互いに「気づき」をシェアするだけで面白い。カヤックは職種に関係なくいろいろな仕事を任せてもらえるし、その曖昧さは「管理したがる人」からすると気持ち悪いものです。でもそこは、最初に説明した「理念を反映した管理会計」によって、ある程度は維持できると考えています。

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