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育児には給料が出るドイツ

育児が「労働」であるのは確かなのだけど、その対価として国がきちんと支払っていると知ったのは、二人も子供を産んでおいて、恥ずかしながらここ最近のことだ。

というのも、このコロナ禍で相方の仕事がなくなり、「じゃー、生活保護申請すっか」(結構ドイツ人は気軽に申請する。煩瑣な書類手続きはあれど)って、思い立ったら吉日、申請し、時期も時期なのでまあ、結構審査は甘くて無事受給できることとなった。

だがしかし、早速振り込まれた額が、四人家族としてもらえるべき所定の金額より少ない。もともと生活ギリギリに計算されている援助なので、1セントでも少なくなってると「死活問題」という文字がすぐにちらつくのである。

「おかしーねー」って、後日送られてきた明細をチェックすると「子供手当」が受給額から控除されてる。

え〜、なんでやね〜ん。子供二人ぶんの手当が引かれるって結構痛い。で、職安に問い合わせたら、「子供手当は収入扱いです」の一言で処理された。

へ〜〜〜!!知らなかった!(ドイツ人の相方も)

そうかあ、育児は立派な労働で子供のいる家庭の「主婦」には国から毎月給料が支払われていたのか。そういえば、産後育児三年間の年金も国が支払ってくれたし(子供二人なので6年は年金がいただける)、そういう意味ではドイツは保証がしっかりしているなと改めて思う。

まあ、そういうことで、控除の件は一応納得(せざるを得ない)だが、そのあとの職安の対応に矛盾が生じるのである。

つまり、仕事の斡旋。(頼んでないのにさ)

生活保護受給者の肩書きは自動的に「絶賛求職中」となる。

なので、職安から介護施設の配膳係とか清掃員とか介護補助とか結構肉体労働系(私が外国人ということもあると思うが)の紹介が来て、それらの書面からは「は〜た〜ら〜け〜」というオーラがこれでもかと出ている。

え、でも待ってよ。

もう「子供手当」が「収入」として引かれてるのに、なんで働かなきゃいかんの?

子供手当に少し色がつく程度の給料もらうためにコロナ感染のリスクに怯えながら通勤、最低賃金で職場の人間関係とかでストレス溜めるくらいなら、少しくらい貧乏でも、家で九星気学の勉強したり子供の宿題ちゃんと見たり、小説書いたり、本読んだり、美味しいご飯やお菓子作って楽しく暮らした方が全然いい。お小遣い程度でも日本語教師の仕事はしてるし、その準備も時間とるし。

とはいうものの、幸か不幸か最近相方の仕事が復活してきたので、「ああ華麗なる生活保護受給生活」はそろそろ幕を閉じるのでございます。

まあ、でも働けるというのは幸せなことですよ。ほんと。(相方が)


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