労働が罰ゲーム化する日本

 日本は言わずもがなアメリカさんの植民地なのだけど、その資本主義マインドを受け継いだ自民党が政権を握ってから、明らかに労働が大半の凡人の日本人にとって罰ゲーム化したと感じている。その典型がFIREブームの浸透だ。

 今はだいぶ収まった感があるのかもしれないが、いまだにその火はくすぶっていて、社会に出た当初から積み立て投資をし、いちはやく資産形成し労働から自由になるマインドが大衆に浸透してしまった結果、恐らく多くの若年層で労働はいかに金を稼げる職業に就き、いかに早く金を貯め、いかに早く労働と言う罰ゲームから抜け出すかに、重きを置かれるようになってしまった。

 それはそれで結構なことだと思う。むしろ早くからその重要性に気づけたのは羨ましい。

 また、あくまで自分の意見だけど、労働なんざ所詮どこまで行っても他人事のビジネスの手伝いでしかない。究極突き詰めると、いかに他人の不安を煽り、いかに他人の欠乏欲求を促進し、いかにゴミを売りつけるかでしかないのだから、周り回って誰も幸せにしてしない気がするんだけど、まぁもうそんな事を言っても仕方がないくらい、皆、労働が苦痛でしかない対象になっている様が日本人に見受けられる。

 そこらを歩いていても、すれ違うリーマン風の中高年男性はつらい顔をしてあるいていることが多い。全員がそうだというわけではないと思うけれど、常に飼い主になかば脅されているような状況、生活を盾に取られている状況は仮にでも幸福ではないとネット社会の恩恵で気付いた人間は、消去法で労働から少しでも足を洗う方向に舵を取るのは当たり前の話だろう。

 比較的若年層で高年収企業に入り込み、数年で数千万を貯めセミリタイヤしたという人間が人権を得るような社会では、都内のあるマーケティング企業の書いた記事で、社会のためになるような仕事に就いているような人たちを底辺と嘲笑い自信と人権を失わさせるような社会では、人が希望や生きがいややりがいを見いだせず、結婚も何もせず消費を控え、労働から足を洗う生き方が主流になるのが至極当然の話だと思う。

 過去に厚切りジェイソンという、自分で会社も経営しているエリート芸人が、労働が辛いものだという認識の日本人を批判していたことを思い出したが、人間だれしも労働を楽しいものと思えるのなんてのは稀な話だ。

 なのでこれからも日本人の労働観は辛いもの、苦行というものには変わりないし、労働は罰ゲーム化という認識も変わりはない。したがって社会は益々衰退していく。

 だが一番の不幸はこんな社会にしてしまった自民党という、資本主義の権化が長期政権を握り、いわば独裁と世襲状態で自分たちに富と権力を集中させてしまっているのが終わっている状況であり、そんな中で生まれてしまった子供たちであり、そんな中で年収にかかわらず働かされすぎて税を絞られまくり資産形成もままならない、大半の労働者たちであります。しかもその税収は年を重ねるごとに増えていくというおまけつきです。

 いくら頑張って労働をしても、取られる税が増え続けるという未来が目に見えているのなら、働かない人間が増えるのは当たり前の話です。

 こうして社会はより衰退していくのでした。まぁその衰退に巻き込まれるのは御免な人は、日本を早めに損切りして老人の犠牲にならない国に移住するのがマストでしょうねぇ。