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彼女たちが歌のおねえさんになるまで

 ある日の午後。担任しているクラスの女児2人が、急に“おかあさんといっしょ“の【からだ⭐︎ダンダン】を踊り出したんですね。私はその姿を見守っていたのですが、想像以上に踊りが体に染み付いており、2人のフォーメーションは完璧。あまりにもうたのお姉さんになりきってる2人を見て思わず、「小さい子たちをホールに呼んで、2人がうたのお姉さんになったらいいじゃない」とぼそっと呟きました。

 「え、やりたい!」ものすごく目がキラキラしてました。ここでどこがゴールか見当もつかないプロジェクトが産声を上げました。

 そんな彼女たちの姿に惹かれるように、1人また1人と「一緒にやりたい!」という仲間が増えていき、「衣装を作りたい」「招待状も作ろう」と泉の如く湧き出てくるアイデア。まぁ、これらは今回に限らず今までもやってきたことなので、彼女らの“経験値“として積み重なっていたのも確かにありますが、本当に色々なアイデアが出てきました。その中でも“会場を装飾したい“というアイデアが出てきたことには驚きました。自分たちが歌って踊っている姿がイメージできているんだなぁと感心してしまいました。(これも #メタ認知 っていうのかな?)

 そんなたくさんのアイデアにすぐに全て応えられる訳ではないので、叶えられそうなものをひとまず少しずつ達成してもらっているのですが、別の日に思い切って保育室の一角をステージとして使っていいことにしてみたんですね。これがどうやら大ハマりだったらしく、観察していると子どもたち同士の関わりが本当に面白いし、具体的なんです。

 誰かが指揮をとり、賛同する人、反発する人、中立を取ろうとする人…。小さなコミュニティの中で、しっかりと社会が形成されてるんですよね。この記事を書いている今も、彼女らはぶつかり合いながらも歌って踊ってます。

 そして先ほど、他のクラスの子達を呼び、舞台に立って歌と踊りを披露する日が決まり、告知しました。今、彼女たちの熱い想いは全力でそこに注がれています。

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