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RPGを温故知新するために

ロールプレイングゲーム、すなわちRPGというジャンルの作品がある。
これについて知らない人間はいない。
しかし、RPGの最も大切な要素とはなにか、という問いに、明確な答えを持っている人間は稀ではないだろうか。

それは、私たちにとってRPGはあまりに身近なゲームジャンルだからだ。

この作品群には有名な作品が多く含まれていて、歴史もあり、基本的なイメージや流れが決まっている。
そして、その基礎部分に何を乗せるかによって、様々な作品が作られてきた。
だから、あらゆるRPGに期待されているのはその上に乗せる要素であり、基礎部分は特に意識されない。
暗黙の了解として、作者も消費者も、わざわざその部分を言い表したりはしていないのだ。

しかし、あえてRPGの言語化されない定義を表すとすれば、

・RPGは、不可思議に挑む物語である

このようになるだろう。
RPGの世界には必ず不可思議が含まれており、主人公たちはそれに対して挑戦する。
それが、このジャンルの主人公たちに託されたロール……役割である。

だから、RPGに登場するキャラクターたちは、絶対にその不可思議に対するロールがなければならない。
その不可思議に挑むために、あるいはそれをサポートするために、どのような役割や使命があるのか……そういったことが決められていなければ、RPGではないのだ。

これが、RPGの暗黙の了解である。


RPGというメジャーなジャンルだからこそ、基本的な部分をおろそかにしては、質の良いものは作れない。
ただただ、その伝統や当たり前を踏襲するのではなく、作者のクリエイティブを発揮するために、考えを巡らせる必要がある。

そのために、RPGの定義を考えることは大切だ。

RPGの主人公たちに課せられたロール、即ち使命とは、その世界の不可思議に挑むことに他ならない。

定義がわかれば、それをどの程度守るのか、外すのか、新しいアイデアを試す余地が生まれる。
また、RPGらしさというものを、他のジャンルや表現方法に適用できる。

誰もが知っているゲームジャンル、RPG。
だからこそ、それそのものについて知る態度によって、新しく興味深いアイデアを試すことができるというわけだ。


※このテーマに関する、ご意見・ご感想はなんなりとどうぞ



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