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「部活もの」③:仲間と一緒に!(達成感)

物語には王道というものがあり、「部活もの」というジャンルはその強力なもののひとつだ。
そしてその大事なポイントの第一と第二は、
・基本は「コミュニティ」×「青春」
・刺激するのは「基本欲求」と「共感性」

ということである。

そして、部活ものという王道には、これらだけではなく、もうひとつの大事なポイントがある。

それは、
・効果は「問題を協力して解決する」ことによる達成感

というものだ。

部活ものは、コミュニティと青春を掛け合わせることによって、読み手の本能と共感性をくすぐる。この効果として現れてくるのが、読み手の「達成感」なのである。

そのためにはただコミュニティや青春を描けば良いわけではない。そして、ただ本能と共感性をくすぐればいいわけでもない。

「部活もの」には、仲間たちと成し遂げる、何か目標必要なのだ。

それは、大会での優勝でもいいし、新たな仲間を迎え入れることでもいい。あるいは、敵を打ち倒すことでも、謎を解明することでも。
山に登ったり、文化祭に備えたり、取材のために旅をしたり、ゲームを作ったり……
「協力して達成する」という過程を描けるのであれば、なんでもだ。それをなすことで一区切りとなるような目標が、達成感をうむ。

この達成感自体は、部活ものでなくとも大切な要素である。しかし、こと部活ものにおいては、ここに「青春」や「コミュニティ」といったものがからみ、この達成感を増幅する。
だからなおさら、達成感のための目標は注意深く設定しなければならない。部活ものを展開する世界設定や、物語のテーマに沿った、正しい「目標」を置きたいものである。

部活ものは王道ゆえに、それ自体は大きく変えるべきところがない概念である。
しかし大事なのは、それが「基礎」の部分であるのを、きちんと認識することだ。変えるべきはその上に乗る「コンセプト」や「テーマ」になる・
部活ものはかなりキャパシティのあるジャンルで、いわば、「コミュニティ」が「青春」していれば、題材はなんでも良くなる。
そういう意味で、何を乗せるかという点で、差別化を図れる、とても有用なツールであるとも言える。
ただし、乗せるものを自由に変えられるのは、基礎がしっかりしているからこそである。王道の部分はきちんと王道として使い、けして破壊をしないように。
基礎はその形を保っているから基礎なのであり、頼りがいのある王道だということ。これを肝に銘じておけば、あなたの部活ものは、期待通りの効果を発揮してくれる。


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※「部活もの」①「コミュニティ」×「青春」=面白い︰
https://note.com/kawausowright/n/n40624835c035
※「部活もの」②︰くすぐる!⇒本能と共感性:
https://note.com/kawausowright/n/nc2ccbac83196

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