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オリジナリティへのごかい

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オリジナリティへのごかい ⑤自分

オリジナリティへのごかい ⑤自分

 オリジナリティという言葉とその意味は強い。そして現実的に、「オリジナリティ」と言う時にそれは良いものとして使われる。つまりオリジナリティはすごいものなのだ。それが生み出されることは尊く、神聖で、代えがたく、素晴らしい。
 しかし考えてみると、オリジナリティとはそんなに神聖的なものではないはずだ。すごくもない。尊いなんてもってのほかだ。オリジナリティというのはなんだか曖昧な価値を持つもので、それが

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オリジナリティへのごかい ⑤最初

オリジナリティへのごかい ⑤最初

 オリジナリティへの信奉は根深い。
 それを発揮できる人、それを認められた人、それに自信を持てる人は神に等しい扱いを受ける。なぜならそれはその人自身への社会的承認だからだ。生きるにおいて、それほど名誉なこともないだろう。周囲の人々に、そして知らない人にすら受け入れられるということを喜ばない者はいないし、羨まない者もいないだろう。
 オリジナリティという言葉がそのような崇高さを帯びる時、けれど私達は

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オリジナリティへのごかい ④作家性

オリジナリティへのごかい ④作家性

 オリジナリティというものはとてもリスペクトされている。それを生み出せることはとてもすごいことであり、魅力的であり、何よりも達成しなければならないことだ。そう思われている。なぜならそれは、限られた人々にしか許されない何かであると考えられているからだ。そして特別なものだからこそ、それは丁寧に扱われなければならない。
 しかしそういった考えは、オリジナリティを本来の「あなた自身のもの」から、ただの言葉

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オリジナリティへのごかい ③直感

オリジナリティへのごかい ③直感

 オリジナリティという言葉に貼り付けられたイメージは本当に壮大である。それは崇高で、尊くて、認められれば本当にすごいものかのように思われている。だからこそ私達は、自身のそれをこの世に評価されることを無根拠に称賛する。

 だが、そういったオリジナリティへの認識により、オリジナリティそのものへの「ごかい」の1つが生まれてしまう。私達がオリジナリティというものを不必要に褒め称えることと、そうであってほ

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オリジナリティへのごかい ②原体験

オリジナリティへのごかい ②原体験

 オリジナリティという言葉の魅力はすごい。それは誰だって1度は求めたくなる魔性の概念であり、特別なことの証だ。オリジナリティを発揮するということは、まさに自分自身を遠慮なく表に出すということであり、そしてそれが認められるともなれば、まさに自分自身が肯定されたと思えるほどに気持ちがいいだろう。

 しかし、オリジナリティというものへの「ごかい」のうちの1つによって、こういった認識は歪んでいる。つまり

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オリジナリティへのごかい ①

●オリジナリティ
(考え方、行動の仕方などについて)世間なみでない独自の新しさ。また、独自の考え方や活動をしてゆく能力。独創性。
※精選版日本国語大辞典より

 誰だって1度くらいは、「オリジナリティ」を求めたい。それは新鮮味があって、世間を拓き、称賛され、尊敬される素晴らしさを秘めている。その独自性に私達は、人間としての強さと魅力を感じて追い求める。クリエイターも、そうでない人も、オリジナリティ

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