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かわうそ
2021年11月1日 21:27
●登場人物 ・宝城愛未(まなみ)…欧林功学園の人気教師。ある冤罪を着せられる。 ・大林星(すてら)…学園中等部2年の本作主人公。事件の解明に奔走。 ・美見田静…学園中等部3年、園芸部。裏庭の花壇について、とある秘密を持っているらしい。 ・島原太東(たいとう)…学園OBで、学園システムのエンジニア。 ・中沢慶次(けいじ)…学園用務員。不審な女生徒について星に話す。 ・向田海(かい)…学園
2021年5月2日 19:59
●登場人物 ・宝城愛未(まなみ)…欧林功学園の人気教師。ある冤罪を着せられる。 ・島原太東(たいとう)…学園OBで、学園システムのエンジニア。 ・大林星(すてら)…学園中等部2年の本作主人公。事件の解明に奔走。 ・中沢慶次(けいじ)…学園用務員。不審な女生徒について星に話す。 ・向田海(かい)…学園高等部2年で映像研究会会長。星の友人の兄。●前回までのあらすじ 地域では有名な中高一
2021年4月16日 21:02
2021年3月31日 22:22
2021年3月22日 20:12
2021年3月13日 20:46
大型のタワーマシンが排気の音をうならせている。部屋の中では他に、似たような形の機械がいくつも、整然と並べられた机の上に鎮座している。それらの机は、日本の学校でよく使われるような馴染みのあるものだ。そのことがかえって、この、「企業のサーバールームのような部屋」を、より異質な空間に見せていた。 欧林功学園は市では著名な私立学校で、その独特の教育システムや進学率の高さなどから、地域の親たちに人気の
2021年3月4日 20:46
子供には子供の、大人には大人の領分がある。それを守っている限り、”世間” は誰にも牙をむくことはない。しかし時折、その領分を守らない人間が出てくる。それが大人であるとき、牙をむくのは周りの大人だ。 しかしそれが子供だったとき、牙をむくのは大人だけではない。その子の周りの子供達も、”世間” の名をかたり、牙をむく。「変わったこと? んー、ないねえ……」 低く唸るような機械の音が身体を揺らす
2021年2月25日 20:49
大人と子供の違いはほとんどない。ただ、年齢を重ねて経験をしているか否か、それだけだ。そしてそのことすら、その経験をきちんと自分の身に刻み込み、上手く扱えていなければ、その大人と子供の違いはないに等しいのである。「本当に、先生が犯人じゃないんですよね?」「違うの……! こんなの、これっぽっちも記憶にないし、アリバイ? だってあるもの!」 テレビ画面に映るある犯行現場の様子に、くぎ付けになっ
2021年2月18日 20:35
「大人気なさ」という言葉がある。いい年をして、それに不釣り合いな言動をすることだ。 でも、大人気なさは大人に対してだけの言葉じゃない。子供だって大人げない時がある。それは裏を返せば、子供だって、大人にならなきゃならない時があるということだ。 欧林功学園に通う男子学生の体操着が、1人の若き女教師によって盗まれた。しかしその教師は学生達に慕われる人気者で、同僚からの評価も高く、人柄もよい――
2021年2月10日 22:08
大人の方が子供より偉い。けれどそれは、大人が大人である時だけだ。世の中には沢山の種類の人間がいて、大人がいて、子供がいる。だからその中には、「大人でない大人」なんていうのがいることも、全く珍しくない。 欧林功学園に通う男子学生の体操着が盗まれた事件――その犯人は未だ捕まらず、学園はセキュリティを強化するという形で、関係者からの非難に応えざるを得なかった。学園に通う1人学生、星にとってみても、
2021年2月2日 19:05
大人の方が子供より偉いなんていうのは当たり前の話だが、時として子供の方が大人を従わせることができることがある。それは第一に大人に余裕がある時、そして第二に、大人に余裕がない時だ。 「だ、誰にも言わないで! 違うの! これはちょっとした手違いで……」 「わかりました。じゃあ先生、僕のお願いも聞いてもらえますか?」 「で、できることなら……」 リビングルーム。ソファに腰かけた男の子は、傍ら