余暇行動調査と電子書籍
こちらの記事を読みました。
外出行動は増えても不安度・ストレス度は変わらず 余暇時間でマンガを読むときは「紙」より「電子・ネット」
- 2022年4月 新型コロナウイルス生活影響度調査(余暇行動編)- PR TIMES 22/5/12
株式会社クロス・マーケティングが行っている、新型コロナウイルスが消費者の行動や意識に与える影響の把握を目的する調査。第1回(2020年3月12日~13日)から定期的に実施されていて、今回が第30回だそうです。
変化があったのは「日本の経済が悪くなる」「今後日本への渡航者の規制が緩和され、訪日外国人が増加する」が3p増、「重症患者増加による病床逼迫」は2p減の辺り。日本経済については、国内より世界情勢の方が問題ではないかなと思います。中国のゼロコロナ政策に伴うロックダウン、ウクライナ戦争と天候不順による食糧問題、ロシアパージによって生じているエネルギー問題。
さてしかし、今日のテーマは創作活動に影響してそうな部分についてなので、取り上げたいのはここ。
記事にはグラフもついています。読んだ本のジャンルでは、文芸、漫画で一位、二位を争っているのですが、その様子が真逆。文芸では紙87%電子19%、漫画は紙57%電子62%です。漫画は唯一電子版の方が読まれていて、デジタルシフトに対応できている。文芸は逆に、一番電子版の比率が低い。
さらに家の中での余暇行動の調査を年代別にしていて、予想通り若い世代ほどネット関連に時間を使っています。しかも、コンテンツ的には同じジャンルでもネットで触れている。映像コンテンツを見るのはテレビではなく、動画配信や共有サービス。音楽を聴くのもレコード、CDではなく、ストリーミングサービス。
さてこの二つから感じたこと。
小説に関して言うと、今の若い世代の方が入り口は整備されています。小中学校での朝の読書運動があり、強制的に触れる機会が作られている。ですが、子供たち全員に読みたい本が用意されているかというと、少子化というビジネス環境のためそうなっていません。採算取れるジャンルが絞られている。さらに児童文学の性質上、「大人が読ませたいもの」になっています。すると、かなりの子供がサービス外になっている。
そこで取りこぼしているうえに、デジタルシフトが遅れていて、その後触れる機会も作れていないわけですよね。そういう部分が大問題だなあと常々考えているのですが。
それが数字に出っちゃっているのではないか。
この調査では20代だけ読書の数字がポコンと落ちています。他の年代では35-38%なのに27%。コンテンツごとで考えると20代は映像も音楽も楽しんでいて、使うデバイスが違うだけです。
その土俵に小説は上がれてないんですよね。下がってるのはそのせいではないか、小説、漫画一緒の数字でこうなら、別々だったらどうなっているんだろうとちょっと思ったのでした。
(ブログ『かってに応援団』より転載)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?