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藤井太洋の頭の中 今回の目玉はこれだ!

とうとう今週末の11/10(土)、トークイベント『藤井太洋の頭の中~プロ作家が執筆時に考えていること~』を開催するわけですけれども。

先日までに、想定されるお客様に対してのお薦めポイントをご紹介してきましたが、本日は、まず全体の流れについて。

そしてこのイベントの超目玉についてです! 最後まで読んでね!

全体の流れはこんな感じを予定しています。

第一部 『ハロー・ワールド』はどう書かれたのか 着想から執筆・着想のきっかけ・情報収集・プロット・描写・キャラクター造形。 

第二部 質問コーナー 『ハロー・ワールド』についてから始めて、藤井作品全般、藤井先生への質問。

その後、その場でこちらのイベントでは恒例のちょっとした懇親会を。藤井先生にサインをもらうチャンス!

第一部は進行はっきりしているので、こちらの説明をいたしますと。どうやってお話が生まれて、本の形になるのか、その過程で藤井先生が何を考えていらっしゃるのかを、いろいろお聞きしてしまおうという形です。

時系列的に並べると、まず、最初のひらめき。お話を思いつくところは、人によりきっかけは様々です。それによって作家のタイプも違うんじゃないかなと思います。

僕が知っている例で印象に残っているのは、NHKでドラマにもなりました、上橋菜穂子先生の『精霊の守り人』。上橋先生は一つのシーンからお話を思いつくタイプだそうで、映画の予告編で見た、炎上するバスから子供を抱えて逃げる女の人の姿に着想を得たとのこと。子供に読ませるものとして計算して作るなら、主人公は身近な方が入りやすいのに、三十過ぎの女性という異例の設定となりました。

しかしそういう着想だったからこそ、少年を守る女性という構図が生まれましたし、最初守られるだけだった少年がどんどん成長して一人前になっていくという、めっちゃ燃える展開になっていきました。

このように、どういう着想でスタートするかが、作家の個性に大きく影響してると思うのです。藤井先生はどのタイプなのか。

さあ次に、何か閃いたとして、その着想を面白い物語に仕立て上げるには、色々と加えていかなければいけないものがあるわけですが。

例えば世界観をどう作るか。そのためには土台にしっかりした知識がないといけません。藤井先生の作品を通して読んで、まず感じるのがIT関係の知識の豊富さ。エンジニアの主人公が多いのは、藤井作品のわかりやすい特徴です。それ以外にもワールドワイドな展開、時事問題に対するアプローチなど、そういう個性の部分をどう作っているのか。

着想を得る上でも世界観を作るためにも、情報収集は欠かせないわけですけれど、普段の生活の中で、それはどう行われているのか。また逆に、作品の構想が決まってから調べるとしたら、どういうところなのか。作品の武器となる部分なので、いろいろお聞きしたいと思っています。

さて、構想が固まりましたら実作業に入っていくわけですが、そのための準備として、プロットを作ります。簡単に言うと、あらすじを先に決めるということですけれど。

藤井先生は日本独立作家同盟の理事で、以前に一度、セミナーにも立たれています。僕はその時に、お客さんの側で参加してお話をうかがったのですが、そこでプロットも話題に上がりました。メインプロットを三幕構成で組んで、そこにサブプロットを組み合わせる。大筋で言えば、そういうお話でした。

さて今回のメインプロットはどういう形か、サブプロットはどうなっているのか。さらに言うと、『ハロー・ワールド』は小説現代に読み切りの形式で発表された作品に、書き下ろしを加えて構成されていますが、主人公は共通。各作品の構成のほかに、全体としての構成も関わってくるわけで、非常に高度な形になっています。

僕が思うに、着想自体はわりとみんな持ってると思うんですよ。言ってしまえば、普段の妄想なので。でもそれを作品の形に表そうと思った時に、書き始めて途中で手が止まる。どう進めていいかわからない。そういう経験をお持ちの方、今まさに悩んでいるという方がいるのではないかと思います。

漫画でも小説でも新人さんにはよくあることで、思いついたらもう書きたくてしょうがないから、プロットのような構想を練る部分をちゃっちゃと済ましてしまう。僕も最初そうだった。でも、ノープランで最後までたどり着けるのは、かなりの剛腕の人です。大概遭難して、目的地を見失うのです。

そういう人に、このプロットを組む技術はとても有効だと思います。例えば藤井先生の、日本SF大賞をとった『オービタル・クラウド』。世界各地に散らばっている登場人物たちが最初バラバラに描写されているんだけれど、事件が進むにしたがってだんだんと出会っていき、最終的に一つの話の流れを作るという、超絶技巧の話の組み立てです。ぶっちゃけ読んだ時に、このプロットを組み立てる苦労を想像してめまいがしました。

そういう人の技術を盗まないでどうするの? どうするの?

さあそして話の筋を組み立てて、いざ原稿に取り掛かるわけですけれども。

プロットは、作るのがけっこう大変なのに、それに価値がついてるわけではない。読んで面白いからこそ、評判になって売れるわけで、あらすじを売っているわけではないのです。

ここまで書く前の下ごしらえの話をしてきましたが、プロの作家はここからさらに、ものすごいエネルギーを費やしています。すんなりと面白く読めるようにするために、描写に工夫を凝らし、何度も手を入れ、ある時は加筆し、ある時はいらないところを削り、最終的に作品を仕上げていくわけです。

この部分が、僕がお薦めポイントのシリーズの中で訴えた、作家の手元を見ることがなかなかないという部分です。小説の書き方の本もありますし、web上でそういう記事も出ていますが、具体的にどうするという部分を見ることはあまりない。

さあ、ここまで長々とお読みいただいた皆さん、お待たせしました。今回の目玉は、ここです。

なんと藤井先生のご提供により、赤字を入れた改稿原稿を元にお話を進めます!

これだ!

これすごいよ! 作家の思考の塊だよ!

これを見るだけで、マジで元を取れると思います!

しかもご本人の解説付きです!

聞き逃すなんて選択肢はない!

というわけで11月10日14時、グラスシティー渋谷10階、HDEオープンラウンジにて開催です。お申し込みはこちらから!

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