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続・自分の書店

この間取り上げた話題に関連する記事を見かけたのです。

推し本が並ぶ書棚は「自己表現の場」 有名作家や書評家の「体験」が買えるユニークな書店オープン 石田かおる AERA dot. 22/04/10

書評サイト発のシェア型書店 作家ら自ら「本棚」でお薦め 日本経済新聞 22/4/16

どちらも書評アーカイブサイト「ALL REVIEWS(オール・レビューズ)」が開いた共同(シェア)型書店「PASSAGE(パサージュ)」についての記事です。僕はこちらで取り上げました。自分の書店

棚貸ししている本屋さんで、利用者が借りた自分のスペースに選書した本を並べられるという仕組み。「文化拠点としての本屋」という概念を、きちんと体現しているのがいい、という感想だったのです。二つの記事には、さらにその詳細な利用例が書かれていました。

例えば、付箋付きのまま売っている古本で、元の持ち主の読書が追体験できる。それは量産された商品ではなく、その本が歩んできた時間を一緒に手渡す、唯一のものになります。

全集や地図を時代や場所で選書することによって、新たな意味を持たせる。これも、その棚に並んでいることによって新たな価値が生まれている。

さらに全国流通していない私家本も並んでいるとのこと。それはまるで常設の同人誌イベントのようで、興味をそそられます。

こういうオンリーワンの価値を本につけていけば、本はただの消費財ではなくなり、それを手に入れられる場所としての本屋にあるべき理由が生まれる。そうした工夫が本屋が生き残るカギになるのではないかと思うので、注目しています。

(ブログ『かってに応援団』より転載)

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