2年目の自粛で貴女が見るべき韓国ドラマ10選

早いもんで、2020年にコロナウィルス感染拡大を受けて出された最初の緊急事態宣言から1年以上が経った。まだまだ自粛は続けているものの正直もう慣れてしまい、たまに街に出ると普通に人が（自分も含む）ワラワラいる様子は、さながら全く緊迫感のない中3の避難訓練を思わせる。
個人的に心配なのは、”緊急”に慣れきってしまった今、いったい何宣言を出されれば僕らは焦ることができるのだろうか、ということだ。

さて、去年の自粛期間にこの国にやってきたのはウィルスだけではなかった。『愛の不時着』『梨泰院クラス』といった韓国ドラマが流行し、第4次韓流ブームとまでいわれた。
第１次ブーム『冬のソナタ』の時は、「ちょっと古い日本の昼ドラみたいで可愛い～」といった感じの受け止められ方だったように思う。事実、先日ちょっと『冬ソナ』を見返してみたら第1話でガンマイク（音声さんがロケで持ってるアレ）が映り込んでしまっていて笑った。

そこからおよそ20年を経て再びやってきた韓ドラは、恐ろしいほどのビルドアップを果たしていた。美しい映像に練られた脚本、気の利いた演出とそれを実現する俳優の演技は、素人目にも「レベル高っっっ！」とビックリさせられるものだった。
ということで、筆者はこの1年で韓国ドラマをとり憑かれたようにに見漁った。最近は少しでも字幕に頼らず済むよう韓国語を勉強し始めたほどハマっている。
さすがに全て当たりというわけではないが、『不時着』『梨泰院』と同レベル・またはそれを超える傑作群が普通に出てくるのがビックリだ。
そこで今日は、まだまだいるであろう韓ドラ難民（『不時着』『梨泰院』のあと何見たらいいかわかんない方々）のために個人的なオススメをタイプ別に挙げようと思う。

迷える貴女の人生に、ちょっとした補助線を引くお手伝いができれば幸いだ。

※ちなみに『椿の花咲く頃』は見終わった時に暇で、単体で記事にしているため今回は省略。

こちらも全ての人類にオススメなのでご覧ください。

①細けぇことはいいから美男美女を見せろ！他人様の恋愛でキュン死にしたい貴女に…
『キム秘書は、いったいなぜ？』

『梨泰院』のパク・セロイことパク・ソジュンさんが大財閥の跡取り役。その美人秘書キム・ミソとの可愛すぎる恋愛模様を描く。ちょっとしたホラーサスペンス要素もあって途中ドキッとするが、基本的にはド直球の爆笑ラブコメなので安心して見て欲しい。
主人公の二人は恋愛経験ほぼなし（「そのツラでそんなわけねえだろ」とつっこみたくなる設定だが、圧倒的な演技力でねじふせられる）、なので肝心なとこでモジモジしたり、ちょっとしたことで頬を赤くする彼らの姿にキュン死にだ。毎回キム秘書のスカートが異常に短いので、男性諸君も必見である。

②休日はランニングで健康維持！食事はオーガニック中心よ、という爽やかな貴女に…
『それでも僕らは走り続ける』

ちょっと邦題がダサい。原題は『RUN ON』。陸上の韓国代表選手キ・ソンギョムとその通訳をバイトで請け負ったオ・ミジュの恋を描くヒューマンラブコメ。
一部胸糞展開もあるものの、基本的に出てくる人が皆善人で、まさに晴れた朝のランニングのように爽やかな一品だ。主演のオ・ミジュ役シン・セギョンさんがとても美しいのにたまに変なファッションで最高に可愛いので、男性諸君も必見である。

③邪魔なやつはぶちのめして先に進む、アクティブな貴女に…
『ハイエナ－弁護士たちの生存ゲーム－』

ボロい個人事務所をかまえて案件を足で勝ち取るインディーズ弁護士チョン・グムジャと、親のコネで大手弁護士事務所に入り活躍するメジャー弁護士ユン・ヒジェ、正反対な2人の弁護士が主役だ。
簡単にいうと韓国版『リーガル・ハイ』といった趣で、とにかくこのグムジャがインディーズならではの小回り＆卑怯な手＆甲高い声でバッシバシ相手を倒していく痛快ストーリー。法廷ものが好きな方はもちろん、ストレスがたまってるからスカッとしたいわ！という貴女にもおすすめ。
主題歌が非常にダサくてビックリしたが、見てるうちにクセになってくる。

④「サスペンス・推理系が好きです。ミステリをよく読みますね」（メガネをクイッ）という知的な貴女に…
『シグナル』

日本でもドラマ化、今度映画にもなるので知名度は高いと思われる。
普通の殺人捜査ものと思いきや、「時を超えるトランシーバーで過去と連絡を取りながら、挟み撃ち的に事件を解決していく」というストーリー。犯人が先に明示されてる事件もあり、推理ものとしては誰がやったか？というよりどうやって暴くか？というコロンボ古畑システムに近い。とにかく見始めて少しでもハマったら是非最後まで見て欲しい。個人的に「ラストシーン熱すぎで賞」をさしあげたいくらい最高のラストシーンだった。
主役の一人、女デカは上記『ハイエナ』のチョン・グムジャ役キム・ヘスさんだ。韓国では「奇跡の50代」といわれ確かにとても美しい方だが、『シグナル』の回想シーンでの20代役はさすがに無理があって面白い↓

⑤韓国の映像作品つったら血と暴力だろ！恋愛なんかいらん！というハードコアな貴女に…
『人間レッスン』

『パラサイト』にみられるように韓国映画といえばやはりバイオレンスと衝撃的な展開が持ち味である。「韓国映画は好きだけど、ドラマはちょっと甘いからやだな～」ということを言ってる人も見たことがある。そんな貴女に『人間レッスン』。
親に捨てられ、一人で生きていかなければならない主人公の少年が、”人並みの生活”をするために犯罪に手を染め…というストーリー。古谷実先生の名作『ヒミズ』を思わせる設定で、ラストも『ヒミズ』級にモヤモヤさせる。逆にこれ以外で社会派な（ゾンビとかじゃないやつ）バイオレンスドラマがあったら教えてください！観たい！

⑥いわゆるイケメンは苦手！おじさんが好きなの、という変わった貴女に…
『刑務所のルールブック』

韓国ドラマといえばイケメン主人公が時にその肉体を晒したりして我々視聴者のホルモンバランスを整えてくれることでおなじみだが、イケメン俳優ばかりで食傷気味のあなたにはこれ。
主人公キム・ジェヒョクはメジャー入りを控えたスター野球選手だったが、とある理由で傷害の罪を犯し刑務所に服役。んで、基本的にず～～っと刑務所の中の話なので囚人と看守しか出てこない。
囚人がイケメンばかりというのもおかしいので、9割方ムサいおじさん達の話だ。刑務所だというのにおじさん達がキャッキャとやってる姿はとてもキュートで、観ながら「このドラマ観て、刑務所楽しそうだから犯罪に手を染めよっかな～って思う人いるんじゃないか？」と心配したくらいだ。
と思ったら急に「あ、そういえばこいつら犯罪者だったわ」とハッとさせられるシリアスな展開もあり。骨太な話が観たい方におすすめ。

⑦おじさんはおじさんでもイケメンおじさんの哀愁にキュンしたい、という欲張りな貴女に…
『マイ・ディア・ミスター～私のおじさん～』

いや、↑の刑務所のおじさんもイケオジぞろいなんだけど、こちらの主演のイ・ソンギュンさんがカッコいい（というか絶対モノマネしたくなるイケボ）のでこういう文言にしただけです。
ポスターを見ると、なんとなく人気アイドルIUちゃん演じる若い女子と、会社のおじさん上司の歳の差の恋がどうのこうの…みたいな夢のある話かと思いきや、全然違う。
むしろ夢が見たい方はやめておいた方がいいくらい、徹底的に現実のやるせなさを描写している（↑のポスターはミスリード）。『不時着』の"耳野郎"マンボク君がこのドラマでは"クソ野郎"として登場。ぶん殴りたくなる名演は必見。
ハードでタフな話だが、名言連発・名シーンの宝庫でもある。涙活したい貴女にもってこい。今思い出すだけでちょっとグッときちまうよ…ファイティン…（観ればわかる）

⑧『梨泰院』の熱さよもう一度！若者たちの奮闘を見てエキスを吸いたい貴女に…
『スタートアップ：夢の扉』

『スタートアップ』は確か『マイディアミスター』の後に、「次はちょっと軽いやつみたいな」と見始めたんだけど、軽いなんてとんでもない、激胸熱ドラマだった。
『梨泰院』もいってみればスタートアップが知恵と努力で大企業に倍返しする話だったが、こちら『スタートアップ』も構造は同じ。復讐要素を薄めて、そこに複雑な恋愛事情が絡んでくるのが違いだ。ただ、「会社の成功ストーリー」と「恋愛」の絡め方は『梨泰院』よりも上手い気がする。
ナム・ドサンは優秀なエンジニアとして自分の会社を作るが経営難に陥り、投資家であり後の恋敵ハン・ジピョンに「技術者の能力と経営者の能力は違う」と諭されてしまう。
普通のドラマだったら恋のライバルはブチのめしてヒロインをゲットするところだが、能力の高いジピョンを嫌々ながら認めていき、恋のお相手ソ・ダルミをCEOに据えた会社で成功を目指す…というお話。
古今東西、チームが無駄に横に並んでテーマ曲とともに歩くドラマに悪いものはないと決まっているが（キムタクのHEROとか）、これも最高のチーム集結シーンが胸を打つ。音楽もいいが美術が最高である。自分の部屋をあのオフィスみたいにしたい。
主人公ダルミを演じるスジさんが激カワなので全人類が一度見るべきドラマ。

⑨世知辛い社会で働く、勇気が欲しいすべての貴女に…
『未生 -ミセン-』

プロを目指し囲碁に人生の全てを捧げてきたが、ある理由で断念し、中卒なのに超大手企業にコネ入社してしまう主人公チャン・グレ。ストーリーに恋愛要素はほぼなく、できない新入社員が努力と仲間たちのおかげで成長していくというだけのお話。
でも！ある程度社会で働いた経験がある人や、これからの社会人生活に不安をおぼえている方には絶対に響くはず。入社初日、主人公は電話もできずコピーもとれず、「俺って何ならできるんだ…」と落ち込み、今まで普通にみていた街のサラリーマン達がとてもすごいものに見えてくる。これ誰だってありますよね！！
②の『RUN ON』でイケメン運動選手ソンギョムを演じていたイム・シワンさんが、微妙に背筋がまがってキョドっている新入社員チャン・グレを説得力バツグンに演じている。個人的にはカバンの持ち方ひとつで「あーこいつ新入社員だ！しかも仕事できなさそう！」とわからせてしまう手腕に感動した。
実はイケメン成分もありつつ、おじさん好きにもたまらないキャラ続出、美女成分だけがちょっと足りないがそんな不純な動機でドラマをみるんじゃない！筆者の現状ベスト韓国ドラマである。

⑩友達が欲しい、温かい気持ちになりたい、そして音楽が好きな貴女に…
『賢い医師生活』

『ミセン』を見るまでは『医師生活』がベスト1だった。ただ、大好きなんだけどこのドラマの魅力を説明するのは非常に難しい。40歳の医者たち5人の日常を描いているだけで、「主人公は異世界から転生してきてた！」とか「2人は前世でつながってた！」とかの大きいドラマは全くおこらない。「息子が接着剤塗っちゃってダースベーダーの被り物がとれなくなった！」というレベルである。なんだけど、ちょっとした日常の一場面がいかにスペシャルかということを見せてくれる。
やっぱり説明むずいな…あ、一つ言えるのはこのドラマをみると友達が増えるということ！
主人公5人が働くユルジュ病院に今すぐ転職したくなるほど、最高の関係性。そこに疑似的に自分も入れるのだ。↑の写真をみるだけでニヤニヤしてしまう。あいつらに会いたくて、ドラマから抜け出したくなくて、何回も観てしまい、きたるシーズン2（2021年公開予定）を心待ちにしてしまう。
主人公5人は大学時代にバンドを組んでおり、40歳になったいまそれを再結成。毎回バンドの生演奏シーンが入る。一般的なK-POPとも違う一世代前の韓国の歌謡曲が味わえるドラマでもある。
リアルな友達は諦めた、バーチャルな世界で生きるわ…と決めた筆者のような方におすすめ。

というわけで、是非ご自分のタイプに合いそうなやつをチョイスして観てみて欲しい。大体Netflixかamazon primeで見れるはずだ。大体1話だけだと魅力がわかりづらいので、とりま3話までは観てダメだったらやめましょう。
あと登場人物がタイプじゃなくても大丈夫、絶対かっこよく（or可愛く）見えてくるのが韓ドラマジックである。筆者も新しいのを観るたびに恋愛対象が代わっている。それではアンニョン。