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2020年ベストミュージック~ソング編~

去年もここで超個人的な好きな音楽を書き散らしていて、楽しかったので今年もやる。


今年は家にこもっていた時間、色んな音楽を摂取した人が多かったのか、あちこちで行われるこういったベスト〇〇系の記事もジャンルを横断していたり、気合が入っているものが多い気がする。
しかし僕は家にこもっていた時間の9割を韓国ドラマ鑑賞にあてていたため(現在も)、それほど今年は音楽を聴いていない。ただ、韓国ドラマは日本のそれと違い主題歌が1曲だけではなく、場面に合わせて流れる曲が沢山あってサントラとして楽しめる場合が多いので、結果そればっかの1年だった。結論から申し上げるが、2020年はコリアンイヤーであった。


まずはアルバム編に先駆けて単曲で良かったものを10曲挙げていく。今年聴いた曲の中でベスト10ということは人生のベストに入ってくる級の曲なので、各曲の好き度に大差はない。しかし筆者はカウントダウンTV世代なのでランキング形式にしてみる。カウント~ダウン!


10位:Childish Gambino 『Algorhythm』

"This is America"で一世を風靡したチャイルディッシュガンビーノのアルバムが今年ひっそりと出ていた。あまり評価されてるのを見なかった気がするが、とてもいいアルバムだった。特にこの曲はMezzanineの頃のマッシブアタックみたいで最高である。ベースラインだけでご飯が食える。
あとテネットにも出てきたけど「アルゴリズム」って言葉はカッコイイ。意味はわからないけど。


9位:嵐『Whenever you call』

嵐というグループは僕とほぼ同世代で、それゆえあまり通ってこなかった。ジャニーズなんて聴くかよ!と丁度ツッパリたい年頃に出てきているからだ。”A・RA・SHI”はよくカラオケで歌うが、それくらいだ。そんな僕が初めて能動的に嵐の曲を聴いて、MVを見て、猛烈に感動した。
ブルーノマーズが嵐のために書き下ろし、ヴォーカルディレクションまで行ったというこの曲。メロディの美しさやサウンドはもちろん超一級だが、最高なのは歌詞である。「ガール、君が僕らの名前を呼べばいつでもそこに行くよ」と、ファンに向け解散を悲しまないよう語り掛けるメッセージ。全然嵐の歴史を共有してない僕でもグッときてしまうのだから、ファンの方は涙で家が浸水したのではなかろうか。


8位:The 1975『If You’re Too Shy (Let Me Know)』

曲も音も全てが快感の「快」でできているような曲。1分以上あるイントロも全然エンドレスで聴けるし、なによりハイライトは4:07からのサックスソロ。この入り方の爽快感に抗える人間はいるんだろうか。今年のグッドデザイン賞。


7位:Mr.Parka jr. feat. Dr.Turtleneck『Mr.Parka jr.』

チョコレートプラネットさんが生み出した、もう何個目かわからないくらいのヒットギャグのひとつ「ミスターパーカージュニア」。これがガチヒップホップ本格布陣により楽曲化。長田さんの超かっこいいフローに松尾さんのキャラ立ちしまくり抜けまくりの声で、普通にヒップホップとして首振れまくり、そしてかぶりまくりな一曲。HONEBONE車内でもかかりまくり。


6位:BUCK-TICK『SOPHIA DREAM』

B-Tが新譜を出せばそりゃ最高に決まっているし、その時点で他のミュージックを無効化するチート級バンド(私にとってはです)なのでこういうのに入れること自体不毛だが、この曲はとびぬけてヤバかったので入れてみた。絶対にB-T以外で聴くことのできない独特すぎる音階感。櫻井さん今井さんのツインボーカルの妖しさ。毎回「だからこのバンド好きなんだよ!」と膝を叩かせてくれる。


5位:DEATHRO『FEEL THE WIND』

神奈川を中心に活動されているロックヴォーカリスト。氷室京介風の歌唱やアクションが、ギャグなのかマジなのかず~~っとわからない、とても好きなバランスのアーティストだ。(インタビューを拝読するかぎり大マジのようだが)やっぱりいくらチャイルディッシュガンビーノが…とか言ってても所詮はJ-ROCKで育った人間なので、この8ビートとメロディには完敗である。Aメロの「ポジションのないストレンジャー」の語感が最高。DEATHROさんの今までの楽曲群の中でもベストといえる曲だ。MVでは全男子が一生に一度は着たい衣装を着ていて素晴らしい。


4位:チョ・ジョンソク『Aloha』

韓国ドラマ『賢い医師生活』のサントラより。冒頭に書いた通りもう韓ドラマサントラは挙げたらキリがないのだが、Spotifyが教えてくれた2020年の再生回数はこの曲がダントツの1位だったので入れざるを得ない。元々は韓国のベテランバンドCOOLの曲で、韓国では定番とのことだが(『いとしのエリー』みたいな立ち位置なのかな)、このサントラバージョンでは主演俳優チョ・ジョンソクさんがカヴァーしている。曲単体で、というより素晴らしすぎるドラマの記憶と結びついて一生ものの一曲として2020年に君臨した。でもなんでタイトルがアロハなんだろう。


3位:BTS『Dynamite』

「2019年の”bad guy”、2020年の”Dynamite”」という文言をどこかで見かけたが、今年は世界的にもこの曲だったのではないだろうか。実はBTS自体は去年までそこまでハマっていなかった。かつて「防弾少年団」という名前で呼ばれていた時、完全に名前のイメージで「BIGBANG的な尖ったグループかな」と思って聴いたらわりと正統派ボーイバンドだったので、それ以降あまりフォローしていなかったのだ。今年の初めに出たアルバム『MAP OF THE SOUL:7』が話題になったことで、再度聴いてみてハマりかけたところに追い打ちの『Dynamite』である。
オリジナルバージョンの曲より先に↑のTiny Desk Concertの映像にやられてしまったクチなので、未見の方は是非観て欲しい。クールでセクシーでキュート、そして超ハイスキル。これ以外に何もいらないというほど完璧なグループが生み出した完璧な一曲。あ~生まれ変わったらBTSに入りたい。(と思ってたけど、なんとスケジュール管理が秒単位らしいので遠慮しときます)


2位:舐達麻『BUDS MONTAGE』

埼玉熊谷のヒップホップグループ。ガチの犯罪を犯しガチで服役、警察から逃げる途中で仲間を一人亡くしているという成り立ちを聞くだけで、もう「映画じゃん!」と思ってしまう。歌われる内容はドラッグ・仲間・地元のこと。見た目がコワモテ(というか完全に本職の方)なのに曲は内省的で、常に悲しみと死の匂いがする。今年出たこの曲はそんな舐達麻の特徴を最大限に表した、最高傑作だと思う。散歩しながらこの曲が流れてくると、僕の地元高円寺が一瞬で熊谷のさびれた路地に変わる(行ったことないけど)。景色を変える力のある一曲。あーイントロだけで泣いちゃう。


1位:NiziU『Step and a step』

オーディション番組Nizi Projectで生まれたNiziUは、“プレデビュー”という初めて聴く言葉と共に『Make you happy』をリリース。「いや、すでにいい曲だしこんだけヒットしてんのに”プレ”って、デビュー曲のハードル上げまくってんな!大丈夫か??」と思っていたらそんな凡人の期待と予想を遥かに超えてきた、正真正銘のNiziUデビュー曲。曲単体も素晴らしいがやっぱストーリー性込みでの2020年ナンバーワンソング。一部ではAメロが音楽的に破綻していると言われているらしいが、こんな正統派ガールズグループのデビュー曲が破綻してるなんてむしろ超かっこいい。
曲・歌詞・MV・ダンス・歌割り、メディアの出方、病気療養中のミイヒちゃんの出し方、全てにおいて大人の知恵と戦略で見事に作り上げられた一曲だと思う。どっちかというとそういう大人の力が見えまくるアーティストは好きじゃないタイプの人間なんだけど、ここまで完璧にやられたら白旗を上げて号泣するしかない。まだリリースから2週間くらいってのがビックリするほど、クラシックとしてすでに日本中に定着した大名曲。恐るべしJ.Y.Park…。


番外編:今年知ったけどリリースが今年じゃない、でも死ぬほど聴いた曲


John Park 『Foolish Love』

興奮のあまりnoteにも記事を書いた韓ドラマ『椿の花咲く頃』の主題歌。
サブスクになく、ネットでCDを探しても品切れなので新大久保まで探しに行ったくらいだ。(結局なかった)まさに椿の花のようにかわいらしく、ずっと聴いていたい一曲。


Sondia『Grown Ups』

同じく傑作韓ドラマ『マイ・ディア・ミスター』の主題歌。色んな大人の事情をかかえ、思うように自分の人生を歩むことのできない少女イ・ジアンに完全にリンクする歌詞。そしてこれも舐達麻と同じく、イントロが流れただけでソウルの裏路地が目の前に出現する。アコギ&もの憂げな女性ボーカルというのも相まって、久々に「この曲僕が作ったことにならないかな~」と思った大名曲だ。


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