断捨離がうまくいかない理由

落ちを先に言いますね。私は1度も断捨離に成功したことがありません。

ミニマリストなど、必要最小限の物資で生活する人が盛んに宣伝されます。MacBook1つで仕事をし、家具などもほとんどない、室内に物のない生活は確かにかっこよく見えます。あるいは、軽自動車を改造してキャンピングカーを作り非常にコンパクトで無駄のない生活空間を売りに動画を撮影するYouTubeも海外で人気があります。

そこにはコンパクトでスマートなほど良いという価値観があります。

しかしこれに対してはある種の危機感を覚えます。生き物を飼育することに例えてみましょう。生き物を飼育するには必要なスペースと餌の量が決まっていますが、いつも同じではありません。その理由はこうです。

•生き物は成長して大きくなる
•気温によって食べる量が変化する
•成長すると生活スタイルが変わる
•繁殖に必要なスペースや環境を特別に用意しなくてはいけない

他にもあると思います。人間も生き物ですから条件は同じです。変動する環境、そして変動する己自身。こう考えると、必要最小限の物資やスペースで生活することにはいずれ無理が生じてくるのは必然でしょう。

大切なのは目的意識です。

ついつい、大切にしていたものから捨てないといけない!と思いがちになってしまうのは「捨てなきゃ」という脅迫観念に取り憑かれているからです。大切なものは捨てたけど生活は快適にならなかったという状況は本末転倒です。

なんのために断捨離をするのか、何のために何を切り捨て、あるいは残すのか、時系列や環境の変化などの要素も加えて細かく考えていく必要があります。突き詰めれば人間とは何か?という問いにまで行きついてしまいそうです。

そうして気づくのは余分や余白の大切です。無駄だと思っているもの、邪魔だと思って捨てたものが後から恋しくなったりします。遊びの部分がないとどこかで行き詰まってしまうのは人間という生き物がそれだけ変化し続けている証拠なのです。

時間も空間も、食材や家具なども、遊びやゆとりが大事なのです。

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