2022年に自分が関わってきたふりかえりをふりかえる

※ふりかえりアドベントカレンダー2022の3日目の投稿です。
https://adventar.org/calendars/8001

僕はスクラムマスターやアジャイルコーチとしてふりかえりを設計したりファシリテーションをしたりしている。この一年に自分が関わってきたふりかえりをふりかえってみる。

スクラムマスターとして2チームでふりかえりを取り入れた。1つはチームの立ち上げからだったので最初からふりかえりやろうということに。もう1つは途中から参加で、スクラムやるならまずはふりかえりしようということで始めた。どちらもふりかえりの度に改善を繰り返し小さく確実にチームが成長していった。順調に見えるのにどんどん改善したいことが出てきてこんなに成長するものかと感心した。うまくいかないとか問題を抱えてるとかそういうネガティブな状況でなくても、ふりかえりをすることで「もっと良くしたい」という気持ちが出てきてチームを成長させるんだということがわかった。

アジャイルコーチとして関わったのが2チームある。1つはすでにふりかえりをしていた。僕はただの参加者として参加した。観察してて気づいたこと気になったことをふりかえりで話す。スプリント中に声をかけてしまうとチームの動きを止めてしまうので、ふりかえりまで溜めておいてチームが立ち止まったときに話すように心がけた。これはうまくいった。チームが改善モードに入ったときにアドバイスするといいらしい。

もう1つのチームは、目標に対してどうだったのか?というふりかえりはしていたが、目標に関する話題しか話されることがなくまた深掘りされることもなかった。そもそもアジャイルコーチが口を挟める隙間がなかった。そこで、目標以外の話題も取り上げてみてはと提案。その後、ちゃんとふりかえりの時間を設けることになった。やってみた本人たちの感想は「雑談の少ないチームだったけどふりかえりで雑談できるようになった」とのこと。このチームではファシリテーターを僕が担当したが、課題の本質を深掘りしたり、次の行動へ促したりするのを体験することで、ファシリテーションとはどういうものなのかをしっかり理解してくれたと思う。これからもファシリテーターをやってほしいと言われてるけど、そういうわけにはいかなくなっちゃったので、これからはぜひ自分たちでいい感じにファシッて欲しい。

スプリント単位でのふりかえりだけでなく、フェーズ単位でもふりかえりをした。フェーズでバーンダウンチャートを作っていたので、その上に付箋を貼っていくタイムラインみたいなふりかえりをした。スプリント単位でもふりかえりしてきてはいるけど、フェーズであらためてふりかえることで、特に効果のあった改善やうまくいくポイントなどを再認識することができ、あらためて学んできたことを実感できたと思う。次のフェーズでもしっかりそれを意識してさらに良くなっていった。

自分が主体になってやるふりかえりのフレームはもう出来上がってしまった。今年のふりかえりカンファレンスで話したプラスデルタを拡大解釈してやるやつ。余計なものはいらない。プラスとデルタだけで十分チームは成長していく。ただ、困ったことにマンネリになってくる。飽きさせないというのもふりかえりに大事なことだなと最近は感じている。

自分のファシリテーションについてもふりかえる。今年は『間』をすごく大事にした。今年のRSGTのOSTでホスト兼ファシリテーターをしたときに、話が落ち着いてきたのでそろそろ終わろうかな、、、なんて間ができたときに、参加者の一人がたまたま隣にいた人に声をかけるという一幕があった。これ、僕がさっさと終わらせてしまっていたらこの人の話を聞くことがなかったなと。間があることで生まれる会話があるんだなと学んだ。それからはふりかえりで意図的に間を作るようにした。それまではファシリテーターの問いかけに誰かが答えるだけになっていたのでファシリテーターの興味で話が進みがちだったのが、間を作ることでファシリテーターの意図しない展開となることがあり、ふりかえりを多角的に進められるようになった。「間(沈黙)が怖い」とよく言うが、間(沈黙)から生まれるものもあるので、みなさんにもぜひ恐がらずに間を楽しんで頂ければと思う。

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