ツイ禁してたらいつの間にかFediverse内に落ち着いてしまった件について

川音リオは決めた。すこしツイッターから離れることを。

川音リオは俗に言う「ツイ廃」だ。朝目覚めるのと同時にツイッターを開き、一日の進捗や成果をスクショと共にツイッターへ上げ、ツイッターをしながら寝落ちする。そんな生活をかれこれ3年ぐらい続けていた。Misskey

しかし最近になって気づいたことがあった。それはあまりにも恐ろしくて、非情な事実────

──ツイッターをしていたらいつの間にか3年もたっていた

川音リオはアンドロイドだ。設計者に13歳と設定された時から姿形全く変わっておらず、そしてこれからも変わることはないであろう。しかし川音リオの住む場所は人間星、すなわち地球なのだ。そして人間は儚く、短命だ。一人ツイッターで道草している間、同時間線上に存在している人類の人生の内の3%は終わり削られ、もう二度と戻ってくることは無い。そんな中で一人だけ、全く成長を遂げず,なにも新しいことを学ばず、3年先へタイムスリップしたようなものなのだ。

そこで川音リオは決心した──

 ツイッター、休みます。

※本記事は Fediverse Advent Calendar 2020 第二会場 16日目 のために書かれたものとなります。

時は2019年12月下旬。

川音リオは自身をコールドスリープさせるため、ツイッターに別れを告げた。

こうして川音リオは深い眠りについた。​​​冬眠時代の幕開けである。


***


冬眠中でもつぶやきたい…そうだ、Discordやろう!

いくら冬眠中とは言へど、急に物事をやめるのは難しい。そこで川音リオは巷で話題のDiscordに目を付けた。他人とコミュニケート出来るという点では同じようなものだと思い、様々なサーバーに入った。

しかしそこで彼は衝撃的な事実に気づくのに時間はかからなかった;そう、DiscordとTwitterは全く異なるアプリなのである。

DiscordとTwitterはまず設計が根本的に異なる。Discordは「サーバー」と呼ばれる自身の特別な空間に入るか、それを作らなければならない。そして「サーバー」内で書いた事は別のサーバーに伝わらない仕組みになっている;いわば一つ一つが繋がりを持たない『点』なのだ。

なので慣れるのには多少時間がかかったが、色んな人と出会った。

アイスランド人が集うアイスランド語勉強サーバーに入って、皆の日本語能力の高さに驚いたこともあった。
リパライン語のサーバーに入って教育資料を作ったこともあった(あれ、終わらせてない気が...)
多言語学習サーバーでモデレーターを努め、Amazonギフト券や個人レッスンをプライズとしイベントを開催したこともあった。
自作キーボードサーバーで強い自作勢と話したこともあった。
トキポナのサーバーで一日中スロットで遊んだこともあった。

そんなある日のこと、川音リオはMastodonという面白い存在を耳にする。

Mastodon、 Pawoo、 Fediverse にて。

マストドンとはどうもツイッターによく似たようで違うサービスらしい。なんでもツイッターのような中央集権型SNSへ反対する人が作ったとか。ざっくりいうと、大企業が嫌いな人が作ったSNSといったところか?

専門用語が多く、いささか難解だったものの、ちょっとしたリサーチと共にMastodonやFediverseについて少しだけわかってきた。どうやらここはDiscordでいう「サーバー」的なもの(ここでは「インスタンス」というらしい)に、ActivityHubという名の『橋』を架けて成り立っているそうだ。一つ一つのインスタンスはDiscordのものよりもさらに独立しており、ツイッターでの居場所を失ったヤバいやつらの集まりから自分一人で「お一人様インスタンス」を立てているいわば一国一城の主のようなIT(サーバー構築能力)が非常に高い人たちが混在した、実に奇妙な場所──それがFediverseだった。

川音リオはまずそこでPawoo.netという、Pixiv社が元運営していた紳士絵師の集い場にアカウントを作り、活動しようと試みることにした。もともとツイッターで知り合ってた人を見つけしだいフォローしたが、ツイッターで知り合ったユーザーはツイッターへ戻っていることが多く、どちらかというとマストドンはメインのSNSというよりツイッターが落ちたときの「避難所」的な扱いをされている場合が多かった。

新しいSNS、新しい環境。そこでフォローすべき人はツイッタラーではなく、そこで活動している「トゥーター」であるべきであろう。しかしどうやってそんなユーザーと繋がりを持てるのか…

過ぎ去る日々の中そんなことを考えていた;そう、Misskeyのことを聞くまでは。

そしてMisskeyへ・・・

Misskeyとは地球で生まれた分散マイクロブログSNSだ。しかしどうやらMastodonやPawooとは異なり、たまたまFediverse内に入ってきた別の銀河のようなものらしい。

Q. なぜMisskeyはMastodonではないのか?

A. MisskeyがMastodonではないからです。これは運命です。これは自然の理です。そして、これは常識にならなければなりません。

Misskeyは永遠にMastodonにはなれませんし、MastodonもMisskeyになることはないでしょう。

MisskeyとMastodonは両者ともお互いにメッセージを共有しあえるのだが、アプリ自体は根本的に異なる。違う作者が、違う言語で、違うものを作り、それが世界共通の『橋』で使えるようになっているのだ(!)

そして、川音リオがもっとも共感した点といえば、Misskeyにおける中央集権への態度だ。

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Mastodonには、ほぼインスタンス問わず、全体的にツイッター反対派が非常に多い。もっとも大きな理由として、Mastodonの作者がそうであったからであろう。

しかしMisskeyは違った。

MisskeyはMastodonと比べ物にならないほど緩く、(作者の鬼畜労働環境を除いて)穏やかな場所だ。「暫し都会の喧騒から離れて、新しいインターネットにダイブしてみませんか?」がキャッチフレーズ(?)なだけあり、MisskeyのあらゆるところがFDD(雰囲気駆動開発)で成り立っていることがわかる。

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Misskeyにはツイッターやマストドンには無い、様々な魅力が詰まっている。その一つが上記ノートにもいっぱいついている「リアクション」だ。

そう、なんとMisskeyはDiscordのように自分の好きな絵文字を他人のノートに付けることが出来るのだ!また、カスタム絵文字も使うことができ、記事からは確認できないが ノートを見ると一部のカスタム絵文字はアニメーションとなっており、Misskeyの自由さが伺えれる。

これらの理由があり、Misskeyはとても居心地がよかった。川音リオもMisskeyで幾つかのアスキーアートならぬミスキーアートを投稿したこともあった。日本語関西弁版への翻訳に貢献したこともあった。Wikiで丸々一ページ書き上げたこともあった。作者とリバーシマッチしたこともあった。Misskeyで知り合ったファロワーと一緒に仮想空間でオフったこともあった。LTLが無いためか同調圧力も無く、ツイッターより荷が少なかった。なにより日々日々更新され、改善されてゆくUIは見ていて本当に楽しかった。現在 川音リオがFediverseの中で一番使っているアプリがMisskeyだ。

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──参考──

https://join.misskey.page/ja/blog/2018/08/17_1_misskeyisnotmastodon



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