補助金と事業を考える

文化庁の補助金不交付について。

難しい話だ。

「決定自体は、エグいと思う」

まずあいちトリエンナーレが採択されていた補助金は「文化資源活用推進事業」。この要綱は当然各自読んだ上での議論だと思っているが、そもそも採択後の不交付決定はありえるのか、と言う話。

採択が通知されたからと言ってそこで補助金が貰えるわけではない。採択時に正式な金額は多分通知されない。あくまで申請時書類による概算だと思う。詳しくはこの手続きやってないからわかんないけど。

採択された後、事業者は事業完了まで報告をする手続きがあり、やったことある人はわかると思うがここの手続きはハイパーめんどくさい。事細かく、1円のズレも、定義も間違えることなく密に連絡を取りながら事業完了の報告を行う。

なぜかというと、「間違えると交付金が不交付になる可能性がある」からである。もちろん、殆どの場合はせいぜい、書類を確認したところ補助金の対象にならないことが判明した範囲があるため一部減額、といったくらいである。

つまりおれの感想は、「全額不交付はエグすぎないかしら?」ということのみ。

その判断基準は個人的には不明瞭であると思うので、しっかり教えてくれないと今後補助金の利用が非常にリスキーになる、といった思いはある。

ただ、まず思うのは、今の段階では文化とか芸術とか広い範囲ではなく、事業者として物事を考えるのは先ではないか、ということ。

事業者が事業を行うとき、まず①何をするか②いくらかかるか③どうやって工面するか、といったプロセスで物事を進める。

②を経て③の段階で、事業全体の収入や協賛を想定していく中で、1つの選択肢である「補助金」の活用がある。

補助金には文化庁補助金だけでなく、財団のものや、企業主体のもの、様々ある中で事業者が当事業が該当するものを選び、申請を行う。

つまり、文化庁の助成はあくまで選択肢の1つであり、例えば〇〇財団が採択した事業の手続きの不備により補助金不交付の決定をしたところで、勿論検閲にはあたらないだろう。

重ね重ねいうが、その中で国家である文化庁が判断基準を示さずに巨額の補助金を不交付する決定をしたことは大きな議題になる。

ただここで、勿論文化庁と事業者間のやりとりや手続き、ルールと実情が完全に開かれていない状態で、全く外にいる人間が文化の行く先を嘆きながら問題を拡大化し、不安を投げかけるのはどういう効果があるんだろうな、と個人的に思う。

あいちトリエンナーレに関わる人間はマジギレしていい。採択された事業が、この程度の不備で不交付!?信じられない額やぞ!と。ギャラどうすんだ!とか。現地の素晴らしさを見たのか!とか。当然である。

ただ、今おれが持っている情報だけで、文化が死んだやらこの先の未来が真っ暗だとか、そこまで乱暴な意見を言う必要は無いな、と思ったという話。基準ははっきりしてほしいし、判断はよくわかんないのは変わらないけどね。


この後文化庁の巨悪が暴かれて、全ての文化を統合するディストピア構想が明るみになって人々が蜂起したら笑えるなあと思いました。






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