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日本を伝える ちょっと付け足し

Youtubeで外国人に日本食を食べさせて、

そのおいしさに驚く様子を映した動画がたくさん有る。

自分も時々見る事が有る。

momokaさんやダイスケさんの動画などだ。

https://www.youtube.com/@momokajapan


https://www.youtube.com/@TokyoFoodAdventures


とても楽しく見せて貰っているので別に文句は無い。

これらの動画だけでなく、テレビ局などが外国人観光客にインタビューする場面

なども良く見るのだけれど、ちょっと物足りなく思う事が多々ある。

要するに、日本の文化を外国人に説明する能力が不足していると感じるのだ。

これは、日本人が日本の事を知らなすぎる、という事でも有る。

されにこれは、戦後教育の結果だと思うのだ。


最近思ったちょっとしたことをここに書いてみようと思う。

外国人に説明してあげる時に付け足して話してあげると良いのではないだろうか。

ここに書く事は知っている人はみんな知っている話なので、

良く知らない若い人向け、ということで、どうもすいません。



肉じゃが

肉じゃがっておいしいですね。外国人に食べさせても感激してくれます。

なので肉じゃがについてのエピソードを一つ。

これは史実なのかデマなのか解らないけれど、話としては面白い。

「アドミラルトーゴー」を知っている外国人は意外と多い。

連合艦隊司令長官の東郷平八郎元帥の事だ。

東郷さんは元サムライで、その後イギリスに海軍の勉強の為に留学した。

戦艦三笠で、東郷さんは料理長にこう言ったそうだ。

イギリスに居た時に食べた、ビーフシチューというものが凄くおいしかった。

こうこうこういう様なものなのだけれど、作ってみてくれないか、と。

簡単に口で説明しただけで作れる訳も無いのだし、

当時の日本人はビーフシチューなど知らないので、作れる訳が無い。

けれど、東郷さんから説明を聞いた料理長が色々と工夫して作ったのが肉じゃが、

なのだという。

なるほどー、本当か嘘か知らないが、話としては面白い。

外国人でも東郷提督を知っている人は意外と多いのだ。

それはそうだろう。ロシア帝国の海軍を全滅させてしまった人なのだから。

当時のロシアには東の太平洋艦隊と西のバルチック艦隊が有った。

日露戦争で、まずは太平洋艦隊を全滅させてしまった。

そこでロシアは西からバルチック艦隊を日本に差し向けたのだが、

東郷さんによってこれも全滅させられてしまった。

日本の艦隊は殆ど無傷で相手を全滅させてしまったというのは、

人類史上まれに見る完璧な勝利だった。

という事で、東郷さんを知って居る外国人は多いのだ。


日本はいつ出来た国か

外国の多くには「独立記念日」の様な日が有る。

日本にも「建国記念日」というのが有る。

例えばアメリカは1776年7月4日だが、じゃあ日本は、というと、

2月11日だが、何年の2月11日なのか、

一応「紀元前660年2月11日」という事になっているが、

科学的に検証できないので、殆どの人が真実だと思っていない。

要するに、日本がいつ出来たのか、日本人にも解らないのだ。

これは話としては面白い。

今年2024年は、初代の神武天皇が即位してから2684年になる計算で、

これを「皇紀」と言う。今年は皇紀2684年になる。

みんなが良く知っている「ゼロ戦」というのは皇紀2600年に作った戦闘機なので

「零式戦闘機」なのだ。

ということで、科学的検証が出来ないので、

多くの学者が「だいたい2000年~1300年くらい前に出来た」と思っている。


日本語

日本語は類似する言語が殆ど無い言語だ。

同じ漢字を使う中国語とも全然違う言語だ。

ひらがな、カタカナ、漢字の3種類の文字が有るから難解だと良く言われる。

漢字に至っては、1500字~3000字も覚えなければならない。

元々は日本には文字が無かった(古代文字が有ったとも言われる)ところへ、

漢字が入って来て、日本語を漢字に当てて書いたのだった。

また、日本語は主語を省略するから不思議だ、とも言われる。

これは日本の文化がハイコンテクストだからだと言われる。

例えば誰かと誰かが商売の約束をする時、

西洋式の契約書を交わす必要があまり無かった様な文化なのだ。

一方が約束を守れなかった時、外国ではあれこれ言い訳をして責任を回避しようとするが、

日本では「私が悪かった」と言って代替え案を出して信頼を回復しようとする。

そういう文化だから主語など省略したところで特に問題は起こらないのだ。


いただきます

日本には食事の前に言うセリフが有ります、「いただきます」。

これは直訳すると「I will eat it」なのだけれど、これを日本語に訳すと、

「私は食べます」になってしまう。

「私は食べます」と「いただきます」は全然違う。

「頂く」というのは、自然に対する感謝の気持ちを表している。

例えば、王様が家来に褒美を渡す時、家来がひれ伏して、

こんな偉い人からワタクシの様な下の者が貰えるとはなんという光栄か、

と思いながら有難く頂戴するという意味で、単に「貰う」とは違う。

なので、「頂きます」は「I will eat it」ではなく

「I eat with deep, deep gratitude」という感じ。


なぜ日本人は英語を話さないのか

そりゃそうだ。日本にはこの2000年ほぼ日本人しか居なかったからなのだ。

外国語を話す必要など何処にも無かったのだ。

そして、ヨーロッパから入って来た日本には無い概念も、日本語は表現出来てしまう。

多くのアジアの国ではヨーロッパの概念を取り入れる時には

ヨーロッパの言語を使う必要が有ったが、日本では日本語で足りてしまったのだった。

「哲学」「共和国」などの単語は明治時代に日本人が作った言葉で、

これは現在中国でも多く使われていて、中国語の多くが日本由来の漢語で出来ている。

「中華人民共和国」の「中華」以外は「人民」も「共和国」も全部日本語だ。


因みに、歴史上、日本人がアメリカ人に対して発した最初の英語は、

オランダ語通詞の堀達之介さんが、代官所が黒船に対して差し向けた小舟に乗って、

黒船に向かって「I can speak Dutch! 」(私はオランダ語を話せる)

と叫んだと言われています。

アメリカはその情報は持っていて、艦隊にオランダ語通訳を乗せていたそうです。



富士山

外国人観光客が軽装で富士山に登って遭難する事故が多発していると言う。

富士山を遠くから見ると、いかにも簡単に登れそうに見えるからじゃなかろうか。

最近入山料を取る様になったそうだが、2000円は安いだろう、、、。

富士山頂は北極と同じくらいの気温なんですよ、と注意してあげたほうが良い。

そして、なだらかに見える富士山も登ってみれば岩だらけでとても大変だ。

さらに日本の宗教観では、色々な所に神様が居る。

八百万(やおよろず)の神などと言う。

山や滝や岩などが神様のご神体だったりする。

富士山も実はご神体なのだ。だから昔は女人禁制だった。

富士山に登る時は神様のところにお邪魔するという敬意を持つ必要が有るし、

見た目と違って簡単に登れるような所ではない。

富士山は遠くから眺めるもので、別に登らんでもよろしい。



ということで、外国人に日本を説明する時は良く勉強したり、

年寄りから話を聞いたりして、正しく、興味深く説明してあげられると良いですね。

東郷平八郎



だからどうした 日本っていいな


吉村昭さん

日本語の表現

苔のむすまで 外国とは違う日本


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