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『君の名は。』の世界観はどこか懐かしい。それについて発酵文化とコミュニティの観点から考えてみた。

春になり、もうすぐ実家の飛騨では高山祭が行われる。

飛騨といえば「君の名は。」の舞台になっていて、あの映画を見ていると、ホントに田舎っぽい懐かしい気持ちになるんだけど、あれって、なんで「そうだよね、田舎っぽいよね」という気持ちになるのか、郷里の仲間じゃなくても「うん、そうだよね」と共感を得ることができるのか、ぼんやり考えていたところ、見事にリンクする出来事があったので、整理してみたい。

ちなみに飛騨の素晴らしさについては郷里の友がnoteにしてくれているのでこれを見て、どっぷり田舎モードになってもらうのもおすすめ。

さて、その出来事というのは、コルクの佐渡島庸平さん&「発酵文化人類学」著者の小倉ヒラクさんの対談に参加させてもらったことなんだけど、テーマはなんと「発酵とコミュニティ

これだけ聞くと頭の中には、はてなマークが湧いてきそうなんだけど、実際はめちゃくちゃ気づきがあったので、その時のいくつかの話を思い出しながら、考えてみたい。

小倉さん:早速ですけど、私たちの身の回りって発酵されているものだらけなんですよ。この服を染めるのもそうだし、襟の垢を落とすのも発酵、食べ物や、飲み物もそうだよね。そして、社会をつくるのも発酵なんですよ。
佐渡島さん:え、そんなに全部発酵なんですか???おもしろい!

そんな感じで話は展開されていくんだけど、人間の社会に発酵はなくてはならないもので、むしろ発酵が人間を形作っているんだって

もう話がぶっとんでいます。でも大事なのはここから。

例えば、発酵食品といえば味噌一つとっても、全国には赤みそが主流だったり、白みそが主流だったり、麦みそだったり、米麹みそだったりと、地域特性がある。これらはその地域ならではの農産物や環境条件、時に制約条件に大きく影響を受けており、共通のコンテキストに支えられて成り立っている。甲信越ならお米だろうし、九州北部は北海道に続く麦の産地である。そして、発酵はそのコンテキストを形成し、コミュニティを形成するのに一役買っているという話。

書いていてわけわかんなくなりそうだけど、まずは「あるエリアに特定の文化や特産物がある、ということはそこにコミュニティが存在している証拠」といった感じかな。

では、なぜ発酵が関わっているかというと、発酵が生み出す雑味に意味があるらしいんです。例えば味①、味②の異なる2つがあった場合、これらは①②で仕分けができるのだけど、発酵による雑味が入ると味①は1であったことに対するゆらぎを得て0.7とか1.2とか不安定さを持つ。同じように味②も不安定さを持つと①②でかつて明確だった境界がぼんやりして、君の作った味①と僕の作った味②はなんだか似ているよね。が生まれてくる。

このグレーで感覚的なつながりが大事らしくて、これが明確に異なるはずの他人同士をなんだか親戚のように思わせるきっかけになっていると解釈できそう。

たしかに、白と黒は似ていないけれど、白寄りの黒と黒寄りの白なら似ているかも。人種の話もそうかもね。もしかしたら混血の人が地球上に増えてきたら白人とか黒人とか境界があいまいでどうでも良くなって、「ま、いっか」ってなるんじゃないかな。なんだかとても平和な感じですね。

おっと「君の名は。」に話を戻すとキーアイテムに口噛み酒というものがありました。これは面白くて、何人かの巫女さんがお米をもぐもぐ、ぺってやってそれを発酵させて作る日本酒なんだけど、お米のでんぷんがもぐもぐして糖に変わって、発酵するわけなのでそりゃ雑味のオンパレードですよね。

でも大事なのはその地域のお米と人と、菌でできたものだから、地域オンリーワンのお酒としてみんなに大事にされて神聖なものに意味付けられるという点。ちなみにお酒を醸造することを「醸す」というけれど、由来は「噛む」から来ていて、口噛み酒からきているという説がある。こりゃ買ってきたお酒じゃ同じ酒でも意味が違う、だめなんだな。

というわけで、この流れであと4つくらいのシーンについても語りたいんだけど、要は田舎出身の僕やあの世界観に共感している仲間達は映画の中の地域コミュニティのコンテキストに思考がリンクしていて、懐かしさを感じていたのかな、なんて思ったわけです。改めて発酵ってすごい。佐渡島さんとヒラクさんの話を聞きながらなんだかスッキリした気分です。

さて、もう少しだけヒラクさんの印象的だった話を紹介すると。(また発酵食品の話だけど)漬物を漬ける糠床って手入れをすると長持ちするんだけど、手入れをしないとあっという間に臭くなるんだそう。そして、驚いたのは手入れしすぎてもダメなんだって。放ったらかしにされて腐ったり、応援され過ぎて燃え尽きたりと本当に人間みたいですね。

また、日本酒をつくっている杜氏さん達はお酒作りの一番大事な仕事は、酒母が働きやすいような快適な環境を整えることと答えるのだとか。こちらは完璧に働き方改革の話になってきた。っということで話が散らかりはじめたので今回はこの辺で終了。

発酵が人間を形作るという話、まだまだ深めていけそう。週末は田舎の空気を吸いながら日本酒を飲もうかな。なんて思っています。

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組織・人づくりについて考えています。コミュニティを学ぶ仲間が200人集まるオンラインサロン『コルクラボ』運営リーダー/普段は研究員。組織マネジメントや営業職の価値を高めるのがミッション。ツイッター⇒ @sp_kawashi

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コメント (4)
はじめは「発酵とコミュニティー」?
どう結びつくのか…
という感じで読み始めましたが、雑味を加え、存在を曖昧にする事でみんな仲良く!というピースフルな存在が誕生するということだったんですね😊面白い!

解釈が違ったらごめんなさい!
ありがとうございます!まさにそうなんです😊
ちょっとした雑味やゆるさが繋がりを生むポイントかなと思います。
酔っ払って仲良くなるのも、もしかしたらきっちりした個がお互いに崩れて曖昧になるからかな、なんて今お酒飲みながら考えてます〜(笑)
私も「君の名は」の口噛み酒思い出しながら聞いてました( ´∀` )
さすがこっしー!!今度飲みましょう!
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