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才能をひきつける”磁場”。

河瀬大作

 その時代を牽引するような”磁場”をもった場所がある。人々をひきつけ、エネルギーを増幅させる、”磁場”のような場所が、世の中にはある。

 ぼくは、そんな場所に集うことこそが、ある種の才能だと思っている。

 例えば、1920年代のパリのモンパルナス。この街のカフェには、ピカソやダリ、マティス、藤田嗣治などの画家、コクトーやヘミングウェイなどの文人、ドビュッシーなど音楽家が集い、芸術論を交わし、時代を変える作品を生み出していった。

 例えば、1960年代、NYにウォーホルが作ったファクトリー。ヴェルベット・アンダーグラウンド、ジョン・レノン、デビッド・ボウイ、バロウズなどが集い、サブカルの聖地のような場所だった。

 ビジネスの世界でいえば、例えばシリコンバレー。アメリカ西海岸の片田舎だった場所はいつしかIT産業の集積地となり、アップルやマイクロソフトなど世界を牽引する会社が次々と生まれてきた。

 時代とともに場所は移ろうが、確実にそんな場所は存在する。

  1980年代、愛知の田舎で10代を過ごした僕にとっては、そんな場所は夢の世界だった。桑原茂一のピテカントロプスも、駆け出しのRCサクセションがステージにたっていた屋根裏も、手の届かない場所だった。

 しかし今は、その場所は、物理的な場所だけではなくなった。

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河瀬大作

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