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うつうつとする日常で、人を撮る。

 最近、ときどき心がしんどい。コロナはおさまる気配はなく、リモートつづきで人にあう機会も少ない。本来なら祝祭であるオリンピックも複雑な状況にある。

 仕事はしているが、アクセルとブレーキを同時に踏みながら、運転をしているようでスッキリしない。まわりにも、うつうつとした気持ちを抱えている人がふえている。もう1年半も難しい状況が続いている。

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 コロナ禍が始まってから「一期一会」を意識するようになった。

 感染をさけるため、外出はいちじるしく減った。そんな中、人に会うことはなにより嬉しいこととなった。友人に道でばったり会ったりしたら、かけよってハグしたくなる。もちろんしませんが。

いちご-いちえ【一期一会】
一生に一度だけの機会。生涯に一度限りであること。生涯に一回しかないと考えて、そのことに専念する意。もと茶道の心得を表した語で、どの茶会でも一生に一度のものと心得て、主客ともに誠意を尽くすべきことをいう。

 その嬉しさを心に刻むように、出会った人の写真を撮るようになった。出かける時は、カメラを持ち歩く。そして人に会うたびにパチリとやる。

 身構える人もいれば、とびきりの笑顔をみせる人もいる。その表情にはその時の自分と相手との関係がうつりこむ。

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 コロナ禍がはじまる前まで、多くの人と無意識に会ってきた。でもその機会を奪われた今、人に会うことがいかに私たちにとって不可欠なことなのか、痛感する。

  カメラマンのワタナベアニさんのこの言葉をいつも思い出す。

カメラは愛すべきものを、自分の方法で愛するための道具なんです。

 相手が笑顔を見せると、撮っている自分も嬉しくなる。だから少しでも上手く撮れるようになりたいと思うし、またその人を撮りたいと思う。写真を撮るという行為が、人との距離を少しだけ近づけてくれる。

 マスクなしの、心からの笑顔を、撮れる日が来て欲しい。

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