こんな時でも、生きてるってお腹がすくんだね。
火事にあって、しばらくは会社を休んで家族のことをすると決めました。
子どもたちと、いつもより沢山の時間を過ごしています。一緒にスマホのゲームをしたり、学校へ送って行ったり、毎日晩ご飯も一緒にたべる。ある意味、神様がくれた休暇だと思っています。
子どもたちと沢山しゃべると、そのまっすぐな感性にほとほと感心する。
一番下の娘は、天真爛漫で、食いしん坊。まわりを和ませてくれる。そんな彼女も、あの時、家の中にいました。結構火が回り始めた頃、なんとか逃げ出せたが、少し煙をすってしまい、救急車で運ばれました。大きな炎を目の前で見た娘は、さぞかし怖かっただろうと思います。
病院で診てもらい、無事が確認されたあと、妻から電話をもらいました。娘はまだあの家には行きたいくないといっている、だから近くのファミレスにいってる、と。そこで娘が食べたのが、たっぷりシロップがかかったパンケーキ。パクパクと食べながら、こういって妻を笑わせた。
「ママ、こんな時でも、生きてるってお腹がすくんだね」
とても深いことをいっているようにも思える。でもきっと娘はシンプルに心から思ったことをいっただけなんだと思う。それは火事のあと、緊張で張り詰めていた家族全員の気持ちを一気に和ませた。
近所のみなさんが毎日沢山、ご飯を差し入れてくれる。ほんとうにありがたいね、って話してたら、今度はもう1人の娘が自分の気持ちをこう表現した。
「人の優しさが、目に染みる」
これも家族全員で爆笑した。いやそれ普通は心に染みるやつだよ。でも確かに涙が出たりするのであながち間違ってない。
とにかく全員が無事だった。だから笑っていこうと思います。
神様がくれた休暇、思いの外わるくないです。
あなたからのサポート、すごくありがたいです。