いつか父はぼくのことが分からなくなる。
父は今年84歳。左の耳がすこし遠くなり、物忘れもふえてきた。年齢にしては元気なほうだと思うが、病院のお世話になることもしばしばだ。
この2年、コロナの感染リスクを考え、会うことをさけてきたが、ワクチンを打つようになってからは、折をみて帰省している。
3月のある週末、名古屋に向かう新幹線はあいかわらずガラガラだった。エネルギー効率としては最悪だが、とても快適で、溜まっていた仕事をサクサクとこなす。
その夜は、叔父と叔母がやっている寿司屋へ。東京には美味しいお寿司屋さ