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京葉線快速縮小問題を考える⑮京葉線通勤快速・快速に乗ってみた

2024年3月のダイヤ改正は予定通り実施され、京葉線の通勤快速廃止・快速縮小は遂にその日を迎えてしまった。各停ダイヤの検証、利用動向など沿線民兼鉄ヲタとしては興味は尽きないが、ダイヤ改正直後ということもあり、今回は旧ダイヤの話題。

縮小前の京葉快速に乗ってみた

「乗ってみた」と書いたが、筆者は沿線民であり、通勤利用でこそないものの、1990年3月10日(たしか)の京葉線全線開業日で快速運行開始日の京葉快速を筆頭に、数え切れないほど乗車している。むしろ、京葉線利用≒京葉快速利用でさえある。

今回は、2024年ダイヤ改正プレスリリースのあった12月から、各停ダイヤとなった3月15日までに乗車した京葉線の通勤快速・快速を記録として残しておきたい。なお、記載は運転区間は京葉線内のみを記し、実際の乗車区間とは異なる可能性がある。また、筆者行動パターンの関係上、特記ない限りは平日ダイヤで記載している。

815A下り快速・上総一ノ宮行

東京853→蘇我942

下り京葉快速の初発列車。新浦安で特急退避し東京〜蘇我間49分を要する鈍足快速。蘇我ではさらに7分も停車し、総武快速君津行と接続する。10時以降は毎時02分発となる外房線直通スジの1本目だが、朝ラッシュ時の折り返しで快速運行が難しい時間のためか、微妙なダイヤになっており快速の体を成していない。幕張でのイベント開催時はまた違うのだろうが、下り新木場を過ぎても着席余裕のガラガラであった(快速だからガラガラなのではなく、前後列車もガラガラ)。

2024年各停ダイヤは東京848→蘇我942の各停となり東京方で若干繰り上がる。蘇我の7分停車を存置した理由は不明。

1623A下り快速・蘇我行

東京1602→蘇我1645

2024年ダイヤで各停化される狭間の快速(快速運行は15時台まで)。夕方の時間帯ゆえか、意外にも新木場付近よりも海浜幕張以東の乗降が多い点が印象的であった。これは通学帰宅時間帯に当たり、千葉市内区間での高校生等の相互流動によるものと思われる。

2024年各停ダイヤで何故16時台から各停化となるのかを考えてみると、蘇我方での運転間隔調整による混雑の平準化が目的と理解できた。

1725A下り快速・誉田行

東京1741→蘇我1826

発車後撮影でブレてる

京葉線では唯一となる外房線直通誉田行き。夕ラッシュが始まる時間帯、先行各停が海浜幕張止まり、東京発時点で蘇我行きは16分も間隔が開く等の条件が揃い利用は多い。蘇我では内房線直通の総武快速の対面接続もあり、18時台に入り千葉市内相互流動(帰宅利用)が増える海浜幕張以東は混んでくる。

18時台の千葉市域流動が多いのは特筆すべき点で、東京3分後発車の各停は東京方では空いているが、間隔が開く蘇我方では乗っておりしっかり機能している。

なお、2023年3月ダイヤ改正当初は先行各停となる海浜幕張行きを新習志野で追い抜いていたが、同年7月にダイヤ修正があり海浜幕張まで追い抜かないダイヤとなった(快速は南船橋~蘇我間で1分延)。海浜幕張行きの折り返しとなる西船橋行きのダイヤ修正が主目的とどこかで見た記憶があるが、ソース失念。

ダイヤ改正後は東京1735→蘇我1825の各駅停車となり、蘇我行き先行各停の11分後、海浜幕張行きは後続行となる。蘇我駅での対面接続は継続するが、列車間の運転間隔が見直され、前後の各停に利用分散、混雑平準化は図られそうである。

1831A下り快速・君津行

東京1802→蘇我1845

夜下り京葉快速の中で混雑する列車の一番手。前列車となる各停運転間隔が開くうえ、その各停と新浦安で緩急接続、さらに君津直通と混雑要因が重なる。2023年ダイヤでの前列車は以下の通り。

【東京発平日ダイヤ】
1741 快速誉田
1744 各停蘇我 ←前列車と3分差であり空く
1747 各停府中本町
1751 各停蘇我 ←新浦安で追いつく
1800 特急
1802 快速君津

海浜幕張方面は前列車と実に18分が開き、舞浜・新浦安まででも前列車から11分開くので短距離利用も多く、新木場〜新浦安間はかなりの混雑となるが、身動きが取れないほどでもなく、相対的に混んでいる程度。緩急接続する新浦安での相互乗換は少なく、海浜幕張から先の千葉市内区間に入り純減する。蘇我では上総一ノ宮行の総武快速と接続し、同時発車する。このため、相互乗換があり外房線利用者も多い。

ダイヤ改正後は東京発が12分繰り上がる。平行ダイヤ化により混雑は緩和するものと思われる。

2883A下り通勤快速・成東&勝浦行

東京1814→蘇我1851

有名な成東・勝浦行の通勤快速。2023年ダイヤ改正前は東京1816発蘇我1850着と一層速かった。途中、葛西臨海公園・新浦安・海浜幕張で先発を追い越し、蘇我手前では大きく減速するが、先行列車は6分あいており詳細不明。東京入線が1750と早く、前述の通り1802発君津行が外房線接続もするのでそちらが先発先着となるのだが、それでも入線時点での狙い乗車は多い。京葉線内利用が出来ないこともあるのか京葉快速に比べると空いており、快適な移動ができる。2023年ダイヤ改正前はこの列車の直後に京葉快速が設定されており、線内利用と速達需要を棲み分けていた。後続京葉快速の方が混雑していたが、2023年に各停西船橋行に置き換えられ、線内利用は前後の各停に分散したものと思われる。線内利用者にとって不便でしかない話だが、JRにとっては好ましい結果であったと思われ、今回の全各停化に繋がったと推測される。2024年ダイヤでは東京1753発の各停上総一ノ宮行に置き換えられ19分繰上げ、分割運用は東京1832発となる。総武快速の上総一ノ宮行が同じ東京1753発で、京葉線からも1750発君津行が蘇我で対面接続するため、この列車の存在意義は極端に小さくなる。

2907A下り通勤快速・君津行

東京1918→蘇我1955

2883Aと対を成す内房線直通の通勤快速。19時台と言うこともあり、より空いている。蘇我では総武快速上総一ノ宮行と対面接続する。

途中新浦安と海浜幕張で各駅停車を追い越す。2023年ダイヤ改正までは海浜幕張で快速を追い越していたが、同改正で各停に格下げされ、この時間帯は通勤快速と各駅停車のみの運転になっていた。

ダイヤ改正後は東京1852→蘇我1948となり、大幅な所要時間増。優等復元がなされる日が来るならば、京葉快速として設定した方が全体バランスは良さそうである。

1909A下り快速・上総一ノ宮行

東京1939→蘇我2023

2023年ダイヤでは東京1851発から48分も設定が開く快速。先発の各停蘇我行から13分後、西船橋行から7分後の発車で混雑条件は揃うが、ラッシュ時間帯は終わりつつあり、相対的に混んでいる程度。蘇我断面では先行各停の3分続行だが、蘇我での対面接続(総武快速君津行)が便利なためか、千葉市内区間では先行各停を見送りこちらへの狙い乗車も多い。そのためか蘇我断面では先行各停はかなり空いている。さりとて先行各停を海浜幕張止まりにしてしまうと、東京方で快速への旅客集中を招いてしまい難しいところ。

ダイヤ改正後は東京1926→蘇我2020となり10分の所要時間増。蘇我到着が繰り上がっているが、これは外房線内の運転間隔是正と推測される。

2205A下り快速・君津行【休日】

東京2220→蘇我2308

京葉快速としては最終となる君津行で、東京などで夜の用件があった際の筆者ご愛用。だが、先行する各停との時間調整のためか、舞浜・海浜幕張で3分程度の停車があり、蘇我まで48分を要する。ただ駅間は飛ばすため遅い印象はない。蘇我駅での総武快速接続はないが、外房線普通列車と接続する。

ダイヤ改正後は東京2220→蘇我2309となり、所要増は休日ダイヤでわずか1分、平日ダイヤでも2分。優等復元の暁にも、この列車は各駅停車のままでも大きな支障はないかもしれない。

2784A上り通勤快速・東京行

蘇我744→東京826

乗客の皆様は消しゴムマジック

有名な上り成勝通快。2023年ダイヤ以前は蘇我746→東京825でもう少し速く、さらに昔は103系が蘇我〜東京32分で走破(新木場も通過)する爆音爆走ぶりで知られた。現行でも市川塩浜以西の平行ダイヤ化が進む中でも千葉みなと、新習志野、新浦安で各停を追い越しており速達性維持に努めていた。蘇我では内房線からの総武快速と接続、そちらは東京着832となる。蘇我時点ではつり革の過半数が埋まる程度で、各停と比べて空いている印象はないが、各駅で集客する各停と異なりそのまま新木場に達するため、相対的にかなり空いた状態となってしまう。新木場発車時点では空席すら生じており、対策が必要な点はやむを得ないと考える。ダイヤ改正後は蘇我744→東京838となる。総武快速より遅く朝の所要時間増は文字通り致命的となる。1車両に100人が乗っていたとして総勢約1,000人もの通勤快速利用者達はどこへ行くのだろうか。

2606A上り通勤快速・東京行

蘇我758→東京839

内房線上総湊からやってくる通勤快速。海浜幕張と新浦安で先行各停を追い越す。利用傾向は2784Aと同様だが、ラッシュ時終盤という時間帯のためか一層余裕があるように感じられた。

ダイヤ改正後は蘇我756→東京853となり、かなりの鈍足。京葉線内でさざなみ6号に抜かされるようになり、特急誘導の批判は免れない。

882A上り快速・東京行

蘇我853→東京942

朝ラッシュ後、最初に走る上り快速。通勤・通学時間には遅く、席は埋まる程度で混雑というほどでもないが、この時間帯においても舞浜から東京方面への利用が多い点は興味深い(舞浜に宿泊して翌日帰宅のパターンだろうか?)。
新浦安で特急退避があるうえ、先行各停の続行となるためか蘇我〜東京で49分を要し各停と大差ない。この点からも快速を各停化したいとする理屈も理解できなくはない。

1730A上り快速・東京行

蘇我1708→東京1754

夕方の上り快速。幕張でのイベント開催状況にもよるのだろうが、基本的には用務客中心に席が埋まる程度で空いている。海浜幕張で謎の3分停車があるが、特急退避でもなく(臨時スジもない)時間調整のようである。新浦安で武蔵野線からの各停と緩急接続があるが、双方乗客は少なく、ダイヤ設定上の都合かもしれないが、意義は不明。やはり舞浜からの利用が多く、東京到着断面では折り返し下り列車より混雑しているように見え、舞浜対策の重要性が伺える。

1884A上り快速・東京行

蘇我1820→東京1903

2023年ダイヤでは上り快速の最終列車。乗車日は幕張新都心でイベントがあったのか、海浜幕張から若い女性が大挙して乗車があり、波動需要の大きさを実感した。

2023年ダイヤ改正でこの列車以降は全列車各停ダイヤとなっており、前述の通り上りは舞浜→東京輸送がメインであることから、全列車各停による安定輸送を志向していると思われる。乗車時のように海浜幕張から東京方面への用務客やイベントでの利用者は少なからず居り、せめてこの時間帯までの快速は復元し、速達輸送にも配慮が欲しいところと考える。

おわりに

日常利用ではないにも関わらず、意外と多く乗っていた(朝の通勤快速などはそれ目的で乗車しているが)。

なお、下り・上りの乗車本数が不一致なのは我ながら不思議だが、鉄ヲタの性か片道は別ルート(総武快速)を使うことが多く、自然と東京始発となる京葉線は下り利用が多いためかもしれない。

各停ダイヤとなったあと、どのような利用になるのか、実際には乗換サイトで最速ルートを確認するのだろうが、線区の利用動向の変化とともに興味深い。

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