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COVID-19で考える自分事と自分事化。現在、人生二毛作目の14歳。

2020年、世界中でCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)が猛威を振るっています。そして、Under/Post COVID-19を通じた新しい生活様式「ニュー・ノーマル」(New Normal)が注目を集めています。COVID-19で社会が大きく変わろうとしているのですが、この状態に違和感を抱き、悲しく感じている僕がいます。

ニュー・ノーマル(New Normal)とは

wikipediaで「ニュー・ノーマル」を調べると以下のように記載されています。

ニュー・ノーマル(英語: New Normal)は、ビジネスや経済学の分野において、2007年から2008年にかけての世界金融危機やそれに続く2008年から2012年にかけての大景気後退(英語版)の後における金融上の状態を意味する表現。
wikipediaより

ニュー・ノーマルは、COVID-19で新たにつくられた言葉ではなく、2008年のリーマンショック後に登場した言葉なんです。

2000年代以降だけでも、911アメリカ同時多発テロ事件(2001年)、SARSの流行(2002年)、リーマンショック(2008年)、iPhoneの日本上陸(2008年)、311東日本大震災(2011年)など、大凡10年周期で大きな社会インパクトに直面して、その度に価値観が再定義されて新しい生活様式に向けた挑戦が繰り返されてきました。

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社会インパクトの自分事化

2008年に黒船と言われたiPhoneが上陸してケータイ業界は断崖絶壁に追い込まれました。ケータイ(ガラケー)がスマホに変わっただけでなく、2chなどの匿名SNSはfacebookなどの実名SNSに、パソコンはタブレットに、書籍(本)は電子書籍に一気に変わって価値観の再定義を実感し、否応なしにニュー・ノーマルに向けた挑戦が必要となりました。僕は越境と共創による新しい価値創造に取り組み始めましたが、結局、黒船のiPhoneには勝てず、2013年にはスマホ事業からの撤退という結末を迎えました。

iPhoneショックという仕事に関連する経済的視点だけでなく、2011年には311東日本大震災があり、生活者視点でも大きなインパクトがありました。被災地(福島県)から避難してきた家族が近所(神奈川県)のアリーナで過ごしていました。4月の入学式を控えて自分の行く末を両親に相談するものの、自分たちが生まれ育った町に戻れない中、本人も両親も答えを見つけられないまま、只々、励まし合っていた家族の姿を忘れることができません。僕は被災地に住んでいる訳ではないので、自分事ではないのですが、この時のショックは大きく、「自分事化」となりました。

これまでの社会インパクトとCOVID-19の違い

過去の社会インパクトとCOVID-19の違いは何なのでしょうか?

COVID-19は世界中に一斉にインパクトを与え、世界中の人たちが自分事になっています。日本に関しても、緊急事態宣言で外出自粛要請が発令されて行動範囲が大きく制約されるなど、全国民が自分事として捉えました。

311東日本大震災の時、東北の方々は放射能という恐怖に立ち向かい、外出自粛要請を上回る避難生活を経験されています。COVID-19以上の経験をされています。被災地だけでなく、首都圏でも大きな揺れを感じて、計画停電も含めて自分事に感じた人は多かったはずです。僕自身も上述したように自分事化して捉えていましたが、実際には一部の部分しか自分事化できていなかったと、今、振り返ると強く感じます。

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文化=人数×時間

僕は「文化=人数×時間」と解釈しています。より多くの人々に、より長い年月浸透して定着した価値が文化と考えています。
COVID-19は世界中に一斉にインパクトを与えたのでニュー・ノーマルに向けて必要とする時間は少なくなる。
2010年代にリーマンショックや311東日本大震災でニュー・ノーマルに向けた動きはあったものの、そのムーブメントはイノベーターを中心とした一部の人たちに留まってしまった。
ニュー・ノーマルに向けては、自分事(当事者)の人数が大きく左右するということです。

自分事化するために「体験」を共有すること

今、2010年代初頭に起きたニュー・ノーマルに向けた出来事が忘れ去られ、あたかも初めて大きな社会インパクトに直面したように情報が錯綜して、人々が不安になっている姿を見ると、僕は違和感を抱いて悲しい気持ちになっているのが本音です。自分事(当事者)にならない限り、社会を変えようという大きなムーブメントは起こらないということが分かったから...。

毎日のようにCOVID-19の感染者の増減などの情報(数値)を入手しますが、実際に経験していない人にはCold Informationでしかない。情報ではなく「体験」を共有することで自分事化して社会や未来に好影響を残していく必要があると感じています。

COVID-19を通じて学んだこと

大凡10年周期で起こる社会インパクト。VUCAの時代と言われるように不確実であることを前提に未来に向き合うこと。そのためには、過去から学び、過去を忘れず、誰かの過去を自分事化すること。


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