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B to CからB with C for Social Valueへ。当時、人生二毛作目の6歳。

黒船と言われたiPhone上陸以降、「共創」や「越境」に取り組んでいた当時に出会った今でもバイブルにしている本が『応援したくなる企業の時代』。著者である博報堂ブランドデザインの代表(当時) 宮澤正憲さんから献本してもらったのが2011年の出来事でした。

大学生との共創活動

マーケティングを専攻している大学生たちと一緒に課題に取り組む「関東学生マーケティング大会」(旧:関東10ゼミ討論会)に2007年からNECも協力企業として参画し、僕は2008年からNECの責任者として対応。毎年、大学生が夏休みの期間、大学生とNECの若手社員が一緒に「不況でも買いたいケータイ」(2009年)、「ケータイの次にある未来」(2010年)などの課題に取り組み、まさに熱い夏を過ごしていました。
例えば、「ケータイの次にある未来」という課題では「frettel」(フレッテル)というコンセプトを導出しました。「メールで話すのはもう止めた」というキーメッセージが示すようにケータイに依存していたコミュニケーションから人間らしいコミュニケーションへの回帰を警鐘し、学生との共創ならではの本質的な価値を導いたのが思い出です。

『応援したくなる企業の時代』

関東学生マーケティング大会の審査員の一人が博報堂ブランドデザイン(当時)の宮沢正憲さんで、毎年、学生との出会い同様に、大会のキックオフ(6月)と発表会(12月)にお会いするのを楽しみにしていました。そんな宮沢正憲さんから献本いただいた『応援したくなる企業の時代』で大好きな一節。

イノベーティブな発想は非連続性の高いものであるだけに、限られた視点からは生まれてこない。視野を広く持ち、いろんな事物とのセッションを試みる中で、なかば偶発的に生まれてくるものだ。そのため、ひとつの企業の中だけで発想するやり方では、どうしても限界がある。このマルチステークホルダー発想のもとで、広範なパートナーシップをベースに知恵を集結させながら未来を描いていく必要があるのだ。つまりは、生活者とコミュニティ、ステークホルダーとコミュ ニティ、である。そこで求められるのは「モノを売る」という発想から「仲間を広げていく」という発想の転換だ。

ビジネス形態は B to C や B to B と一方通行で、かつ、企業目線で表現されることが常でしたが、企業と生活者(≠消費者)は仲間、つまり、「B with C」の関係性なんだと自分の考えがピタッとハマった一冊でした。

CSV(Creating Shared Value)

2011年にマイケル・ポーターがCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)を提唱した後は、B with Cの先を考えるようになりました。共創の先に何があるんだろう?何のために共創しているんだろう?
Future Creation Cafeでワールドカフェに夢中になり、企業間フューチャーセンターLLPを立ち上げた直後だった当時。
そして、辿り着いたのが「B with C for Social Value」という考えでした。
企業間フューチャーセンターのコアメンバーだった日立製作所の増田典生さんも「B to B to C  to S(Society)」と表現し、同じ考えだったことになんとも言えない心強さと心地よさを感じていました。

その後、紆余曲折があり、NECカシオモバイルコミュニケーションズからNECに復帰し、ブランド戦略を担当することになり、NECのリブランディングに関与。メイン担当ではなかったものの、ブランドステートメントを「Orchestrating a brighter world」に変更する際、B with C for Social Valueの文脈を反映できて感慨深かったです。

B with C for Social Valueから学んだこと

共創するためにはフラットな関係(with)が前提になる。すべては社会価値創造のために。



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