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持続可能な市民活動をブランディングで支援する

6月でNECを退社して7月から新しいフィールドで「サステナビリティカタリスト」という肩書きで活動し始めています。転職活動を通じて今後取り組みたいことが明確になりました。「パーパスブランディング」「サステナビリティ」「人材育成」「地域デザイン」の4つ。

新しいフィールド、新しい肩書きでの初仕事はかわさき市民活動センターさんのパワーアップセミナー「ブランディングで団体の価値を伝える」の登壇。

NPOなどの市民団体が地域活性化に向けて持続可能な活動をするためにはブランディングが大切ということを「こすぎの大学」などの事例を踏まえて伝えました。初仕事から4つの取り組みたいこと全てを網羅するテーマで幸先のよい門出ができ、今回の案件を打診してくださったかわさき市民活動センターさんに感謝の気持ちでいっぱいです。


ブランディングで団体の価値を伝える

2013年にこすぎの大学をスタートして9年が経過。それまで地域との接点が全くなかった自分がこすぎの大学を通じて自分が住む街を知ることができ、なによりも知人・友人ができたことがうれしく、僕と同様に地域との接点を求めている人たちに同様の経験をしてもらうことが地域への恩返しというか恩贈りになるとも考えて活動を継続しています。

こすぎの大学は僕を含めて5人で企画運営。5人に共通しているのは「自ら楽しむ」ということ。誰かのためでなく、自分が楽しいから活動した結果、誰かのためになっている。利己(自利)が利他に広がるイメージです。


活気ある市民団体と疲弊している市民団体の違い

地域との接点ができた結果、多くの市民団体の方々とも知り合い、その方々の活動にも参加する機会が増えました。参加して気づいたのは活気ある団体と疲弊している団体に二極化している点。

疲弊している団体には主に2つの共通項がありました。
一つは地域のためという利他のマインドが強すぎること。利他を否定はしませんが自己犠牲している結果、やりたい感でなく「やらされ感」が前面に出てしまうケース。
もう一つは、同様に利他のマインドが主な原因ではあるのですが、Will(やりたいこと)とMust(期待されていること)に対してCan(できること)が追いついていないこと。Mustの意識が強く使命感から他者に助けを求めない結果、Canが大きくならず、さらに疲弊が増してしまうケース。


企業とは異なる市民団体のブランディング

ヒト・モノ・カネのリソースが潤沢にある企業と異なり、限られたリソースで活動する市民団体ではブランディングも異なると考えます。

ブランドは3つの要素で表現されます。
VI(Visual Identity) 表現で「らしさ」を示す
MI(Mind Identity) 思考で「らしさ」を示す
BI(Behavior Identity) 行動で「らしさ」を示す

市民活動はWill(やりたいこと)とMust(期待されていること)に対してCan(できること)が小さめになのが実態なので、「無理しない(等身大)」「学ぶ/真似る(TTPS)」を大切にしながら笑顔で楽しみ続け、貢献し続ける、そんな姿を見せること(Behavior Identity)が市民活動における一番大切なブランディングかも、とお伝えしました。

自分たちの活動は社会に意義があることだから・・・という使命感でかっこいいロゴやホームページを作成して若者に参画してもらうためのプロモーションを拡大したいという方々が多いのですが、活動自体はCanが不十分なためパフォーマンスを発揮しきれていない。無理して人を集めるのではなく、不十分さも含めて等身大の自分たちの活動を見せることが共感につながって「一緒に活動したい」「支援したい」という応援者が登場するはず。

Canの不十分さは他の団体との交流などを通じてTTPSする。TTPSはリクルートの伝統で「徹底的にパクって進化させる」という学習体系。TTP(徹底的にパクる)で終わらせずにS(進化させる)ことが大切。パクるだけでは相手に失礼ですし、進化させた結果を相手に恩返しする。そうすることでお互いにCanを大きくすることができる。

市民団体のブランディングの秘訣は「無理しない」「学ぶ/真似る」


上記の他にもブランディングのステップ(認知・理解・共感・コミットメント)ごとの事例やノウハウを紹介したので興味のある方はお声かけください。

ブランディングのステップ「共感」
ブランディングのステップ「共感」


サステナビリティカタリストとして

本セミナーを通じて、企業や市民団体、個人が持続可能な未来社会を実現するための活動をサステナビリティカタリストという立場で支援していくことの意義を実感できました。種はクライアントの中に存在します。カタリスト(触媒)として持続可能な未来社会に向けて受粉し続けていくようにします。


パワーアップセミナーの様子


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