本家すら超えた勝負強さ

ついに記録更新の時がやって来た。2試合続けて下位のクラブに勝ち点を譲り渡していたが、宿敵の鹿島相手にお株を奪う勝負強さで勝ちきった試合。

もしかしたらホームで見れるのは最後になる選手も居るかもしれない、だからこその試合後の集合写真なのかも。という不安もある中しっかり勝ちきれた。

今回はこの勝ちきった部分と、今後予想されるお話について話していこうかと思う。


フロンターレは独走ではない


フロンターレは他のクラブと数段の差があるような言われ方をよくするが、それは間違いだ。現にベルマーレとベガルタという勝って当然くらいの相手に、押されたし引き分けたしでその実力のラインがあらわになっている。

戦力で見ても鹿島やマリノス等、並ぶチームは複数あるし、得点ランクでもダミアンはトップには立ててない。

最近流行りの馬の話に絡めるのはあまり本意ではないが、フロンターレは何馬身も差をつけてるわけではない。だがハナ差クビ差くらい飛び出てる、そしてそれを確実にものにしているから今がある。と私は思う。

どのチームも勝負にはなる、だけど点を取り切る防ぎ切るの部分でどのチームより少し上回っているから負けない。負けないだけでも凄いが、前半で試合を終わらせたり、要所を仕留めきったりと勝つところまで突き詰めれてる。

これは鹿島の伝統芸と言われてきたが、それを鹿島相手に披露できた。これはもう人によってはエクスタシーな話ですね。


戦術なんかよりもっと大事なこと


フロンターレの強さを解明することを試みる人は数多くいる。だがフロンターレの試合を見てればわかるが、サッカーの内容で言えばお粗末な部分も多い。いいサッカーやってるから勝ててる試合も多いが、悪いサッカーしながらも勝った試合だってある。

これらの試合を全てサッカーの質や戦術の部分から解明しようとすると、必然と矛盾がうまれる。

勝者のメンタリティというか、チームに根付いた勝てる気質、そういったものが今の流れを引き寄せてると思う。


フロンターレの勝者のメンタリティ


フロンターレがここまで勝てるチームになった理由はなんだろうか?

おそらく複数の要因が重なっての話だと思うが、私の頭にパッと浮かんでくるのは3つ。

優勝したことでの自信

勝つストーリーを思い描く経験

技術による絶対的なアドバンテージ

一つ一つ話していこう


優勝したことでの自信


フロンターレほど自信を持って試合ができるチームは今のところJには無いと思う。

どのチームも何かしら疑問や不満を抱えて試合してるし、もっと言えばチーム作りの所でそういう壁にぶつかってるチームさえ多く見受けられる。

フロンターレは何年も前から続けてきた事をやってる、人事、考え方、プレースタイル。しかもそれで結果が出てる。基本的に疑いの気持ちは無い。

もちろんそれでもうまく行かない試合はあるが、立ち返る所があるのは絶対的な保険になる。


勝つストーリーを思い描く経験


小林悠の「俺が決めて勝たせる」といったセリフや、その小林に決めさせるための配球を指示した鬼木監督。そういった勝ち方を知ってる人が増えたなという印象は強い。

もちろん自信があるからそういう発言や考え方ができるのもあるが、気持ちを行動につなげる術を持っているというのはとても大事。それができてないチームは腐るほどある。

経験を重ねて、それを活かして次の勝利を積み上げ、さらに経験を重ねていく。この好循環を年単位で続けられてるのはフロンターレだけだろう。


技術による絶対的なアドバンテージ


フロンターレの試合や練習見てるととにかく思うことがある。

上手い、止める蹴るが本当に上手い。

下のカテゴリーと見比べたりすればよりリアルにわかるが、ボールを思い通り扱えてる選手が多い。自分のことがコントロールできてるから周りを見れる、状況がわかってるからより良い選択ができる。

ベルマーレ戦では相手が頑張って守備をしてきたため、そこの部分で制限がかかってしまいパスミスやトラップミスが増えて流れを失った。

フロンターレのフロンターレらしい戦いというのは、技術の部分から生み出してる割合がかなり高いということ。戦術の分析とかも、この前提条件の上でしか成り立たないと考えれば、ここはとっても重要なポイントだ。


目指すははるか高み


フロンターレは記録更新をした。だがまだタイトルの星が得られる確証があるわけでもないし、シーズンは半分を越えたくらいでしかない。ACLやルヴァンカップにいたってはここから始まる段階。

フロンターレの目指すべき場所はまだまだ先にある。今こんな勝ちまくってるのに最後の最後とかでこぼしたらただただもったいないだけだし、相手からすればなんとも拍子抜け。

ACLのような国を代表しての戦いでは、これだけやったのだからACLでもやれよと言われて当然な雰囲気さえある。

全てにチャレンジして、全てを手に入れに行こう。リーグは無敗優勝、ACL含めた4冠、まだまだ目指せる目標はいくらでもある。

どこまでも昇っていこう。


とはいえ不安な話も無くはない


今後の日程を見てみると嫌な予感がする点がある。

代表ウィーク、ACLでのアウェイ連戦、そして始まる移籍期間。

実は次のホームでの試合までに選手が移籍してしまうというのはあり得る話。しかもフロンターレには有望な若手がゴロゴロ居る。無関係ではないどころか、海外から見れば大本命と言って間違いない注目株。

ステップアップは選手本人にとっても、日本サッカーにとってもプラスになる話なので、積極的にやって欲しい気持ちはある。良い選択をしてもっと成長してほしいし、それがフロンターレやJリーグの評価向上につながれば、未来はもっと明るくなるはず。

そういう気持ちでなんとか送り出す気持ちを作るつもりです…

お気持ちよろしくです。