成人式 中学卒業以来の再会 「生きてる」という情報はたまに入ってきてたから安心してた 悪い事もしてるだろうなぁ〜とは思ってたけど、とりあえず生きてて欲しかった あいつはどこまでいってもあいつだ 根は優しいままだった 嬉しくってハグして 軽く小突きあって 飲んで食って 一緒に写真撮って それがあいつのスイッチだった ふっとい腕が僕の首を絞め上げる 明らかな殺意 そして それとは真逆のか細くツラそうな声 「…写真消せ」 この意味不明な一連の流れの中
両親を立て続けに失い止めてくれる存在が居なくなってしまった不良 中学卒業までの残りの時間 ボクは進学 不良は就職 2人の関係は変わらないのに 周辺環境は2人の友情とは無関係に立て続けに変化を強要してくる 田舎の本家の出のボクは自宅からの通学 身寄りがなく、高校にも行けなかった不良はどこかの建設会社に住み込みで就職 今から20年以上も前だからお互いケータイもなく連絡もつかない 「噂」だけは聞こえてきた 聞きたくない噂ばっかり それでもボクはいつまでもその不
ボクはその足でみんなの輪に戻り、そいつを呼び出した そして、そいつに伝えた ボク「おじさん、亡くなってたみたいや」 そいつ「は?」 そいつ「…わかった。こんなことまでありがとな」 凄いな。多分、大方の事はボクの一言で伝わったと判断できたから、ボクはそれ以上何も言わなかった そいつもそれ以上何も聞かなかった 本当にバカみたいに優しいんだよ 自分のお父さんが亡くなられて、取り乱す前にボクにお礼を言う不良 こんな大事を中学生のボクに伝えさせた大人たちに怒りをぶつけ
「先生?親の遺体が発見されたことを、親でも親族でもなく、先生や大人でもない中学生の僕になぜ頼んだんですか?」 前回の記事でこう締めくくったね それについて今回は書こうかな ただ内容が少々刺激強めかも知れない なので、今回はここから下は実験も込めて有料にさせてください。
このnoteで どこまで書いて良いんだ? 何を書いたらいけないんだろう? 多分、全てを包み隠さずに書くことはできない だから、読んだ後でモヤっとした気持ちにさせてしまうかもしれない それでも、今回の「泣けない泣き虫」は闇が深くなりそうなので、もっと切り込んだ話は有料記事で改めて書こうと思うので、ぜひそちらも読んでいただけると大変励みにまります さて、じゃぁ書けるとこまで書くよ ボクの幼馴染の親は、子どもの頃から現在に至るまでやたらと自〇してどんどん減ってる 最
なんの変哲もない普通の朝 学校へ行く準備を終え、おばあちゃんに朝ごはんの介助 その日はボクの当番だった 「おばあちゃんおはよー」 特に反応なしなのはいつものこと 「お茶だよー」 まずは少しの水分で口の中を湿らせる この時はひと口飲んだんだよね ボク「ご飯だよー」 おばあちゃん「…」 ボク「ご飯だよー」 おばあちゃん「…」 ボク「おばーちゃーん?」 おばあちゃん「…」 ボク(あ、そっか。おばあちゃん逝ったんだな) 多分、ボクは既に気持ちの整理がつい
ウルの時の話にはでてこなかったけど、うちにはおばあちゃんもいた まだ「認知症」という言葉がない時代 まだまだ「痴呆」が一般的だった時代 ※「痴呆」は現在では差別的な表現です。以降作品中では表現を認知症に統一します 施設も今のようなクリーンで地域にオープンな施設は少なく、人里離れた山奥に建っている方が多く、現代では考えられないような環境の施設 認知症の利用者は分厚い2重扉の向こう側 背の高い柵に四方を囲まれたベッド 場合によっては拘束具を装着 ここまで書いたらあ
ウルとの突然の別れは何歳の時だったっけ? 本州に台風が直撃した 大雨、裏の川の氾濫、床上浸水、停電、断水 とにかく怖かったのだけは覚えてる 1980年代生まれの人はもしかしたらおぼえてるかもね 怖くて怖くて2階の部屋で家族みんなで震えて夜を明かした 朝になって1階に降りると、水で畳が浮いてた 家具もグチャグチャ 幼いボクはよく分からなかったけど、茫然とする家族を見てとにかくこれが異常事態なんだってことはわかった そしてボクはひたすらに泣いていた 泣いて泣い
ボクが最初に経験した身近な「いのち」との別れは確か家族で可愛がっていた犬のウルかな? ウルはボクが保育園に入園するときに我が家にやってきた 当時ウルトラマンが大好きだった僕は、その犬にウルと名付けて可愛がった まだ室内飼いが一般的じゃなかった時代。庭に親父特性の犬小屋を建てて飼った。 犬種は雑種で毛色は黄色がかった茶色で割とすらっとしてたな ひいき目に見ても映画とかに出てくる「ザ、野犬」って感じの風貌 それでも僕には最高に可愛い相棒だったから可愛がった 親と一緒
ボクはガキの頃から筋金入りの泣き虫だった。 転んで泣いて 友だちとケンカして泣いて イジワルされて泣いて 怒られて泣いて 怒ってる時も泣いてたな 嬉しいときは笑いながら泣いてたっけ とにかく喜怒哀楽が激しくて、いつも泣いてた 30歳を過ぎた辺りからはアニメや映画の感動シーンでもボロボロ泣くようになったのに 過去にたった一度しか泣かなかったシチュエーションがある。 それが「いのち」とのお別れ どんなに近しい間柄でも泣けなかった 母との別れ以外は… 「冷