私的読書感想文 『江戸の家計簿』 磯田道史

貨幣制度は、江戸は金遣いで、大阪は銀遣い。

江戸が金遣いになった理由は、東日本に金山が多かった事と、江戸幕府を開いた徳川家康が武田信玄の甲州金の貨幣制度を取り入れて、贈答褒美に金を使った事。

大阪が銀遣いになった理由は、銀山が西日本に多かった事と、中国との交易が昔から盛んで、中国が銀を通貨として使用していた事。

一方で、庶民が普段の生活で使用するのは銅銭だった。

3つの貨幣がゴチャゴチャに混在してややこしいですね。


離婚する権利は男にしか無かった。
どんだけ男が悪い奴でも、女には離縁権が無く、唯一女から別れることが出来るのは縁切り寺(駆け込み寺)に駆け込む事だった。
江戸幕府公認の縁切寺は、鎌倉の東慶寺と、群馬の満徳寺しか無かった。
『駆け込み寺』という言葉はここから来ている。


江戸の人口構成は男が6割、女が4割。
武士が多かった為。
大名クラスは妻子を江戸に連れてきていたが、家来の侍は妻子を地元において単身赴任で来ていた。
自然、独り身の男性相手の商売が盛んになり、吉原に代表される風俗産業や、外食産業が発達した。

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