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【かつらのお話:総髪の地金】

前回までは月代を作った中剃りのかつらでした。
今回からは総髪のかつらを製作していきます。

こんにちは。京都時代劇かつらです。

総髪は読んで字の如く、全て毛髪のある髪型です。
今回はその【地金】のお話です。

総髪の地金

総髪の地金は頭の鉢を覆うよう、中剃の地金とは形が違います。
また、女形の地金とは刳(くり:かつらの生え際)の形が違います。

まず、一枚のアルミ板に基本となる型を目打ちで写しとります。
そこから切箸で切り出し、窪付の槌で打ち出して形を作ります。

目打
切箸
木槌・窪付・かしめ

アジアの人々は基本的に頭の側頭部、所謂【鉢】と呼ばれる所が張って(膨らんで)います。

逆に黒人、白人の人々は鉢は張らずに前頭部、後頭部が膨らんでいます。

それを基本に、地金を打ち出しておくのですが、もちろん人間の頭の形は千差万別。
凹凸も大きさも全て違います。

ですから、打ち出しの形付けは、一番基本となる形を作っておき、そこから俳優さんの頭の形に合わせて地金を叩いていきます。

これを【頭合わせ】【かつらの合わせ】などと呼びます。

俳優さんのInstagramやブログなど拝見しますと、たまに頭合わせの写真がアップされています。

髪の毛を羽二重で覆い隠し、銅やアルミニウムの鉢金を頭に乗せて、不思議な姿になっています。

読者の中には、目にされた人もいるのではないでしょうか。

さて、次回はそんな【頭合わせ】のお話です。

次回もどうぞお楽しみに。


ニウムの鉢金

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