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ヒタカミのホツマ旅(秋田・番外編3)~日吉神社

この記事は2019年(令和元年)8月に青春18きっぷを使い、東京から仙台、秋田、青森を巡ったときの記録です。「ヒタカミ」とは古代東北地方の呼び名で、「ホツマ」とはホツマツタヱという古代文献の略です。

十七柱の神様をお祀りする日吉神社へ

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三皇熊野神社の次に案内してもらったのが、日吉神社です。

日吉神社と言えば、総本社は滋賀県にある日吉大社。正確には日吉神社だけでなく、全国約3800社ある日吉・日枝・山王神社の総本社となっています。平安京の鬼門にあたり、鬼門除け、災難除けの社として崇敬されるようになりました。

こちらも全国にある日吉神社の一つ。神道の分霊(わけみたま)という概念はある意味、便利なシステム(?)だなと思います。先人の知恵と言った方がいいですね。実際に神様が祀られているお社から離れていても日常的に手を合わせることができるのですから。

そういえば、どこだったか忘れてしまいましたが、ある地方の神社へ行ったときのこと。タクシーの運転手さんが分社のことを「支社みたいなもの」と言ったんですよね。会社に例えるのはどうかと思ったんですが、分かりやすい表現だなと(笑)

山王信仰、山王権現、山王鳥居???

ところで、、、

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こちらの日吉神社の鳥居、少し変わった形をしていませんか?

一般的な鳥居のカタチの上に三角形の屋根が乗っていますよね。仏教の胎蔵界・金剛界と神道の合一を表しているのだそうです。

「えっ?仏教?ここ神社だよね?」
と思ったか、思わなかったかは分かりませんが(笑)、日本では神仏習合、すなわち神道(神社)と仏教(お寺)を一つとする考えがありました。まあ日本の場合、様々な文化や思想を融合してしまうという他の国にはない特質をもってますが。

実は、最澄が比叡山に延暦寺を建立したとき、守護神として崇敬したのが日吉大社でした。これを「山王信仰」と呼び、日吉大社の神様は「山王権現」とも称されていたのです。この鳥居は「山王鳥居(さんのうとりい)」と言って、山王信仰の象徴としてのカタチというわけです。こちらの日吉神社の鳥居もそれを表しているということですね。

ホツマで紐解く鳥居のカタチ

鳥居についてホツマの話をひとつ。ホツマでは「トホコ(トと矛)」という国を治めるための要となるものがあります。

・ト・・・私心なく国や民のために尽くしていこうとする指導者の心構え
・ホコ(矛)・・・国や人のためにならないことをする悪人をホコ(矛)で滅ぼすこと

トは「トの教え」とも言って、初代アマカミであるクニトコタチから代々受け継がれたものです。ホツマでは最も大切なものとされています。時代が下り、世の中が乱れるに従って、やむを得ず「ホコ(矛)」で人を斬ることになってしまいました。

鳥居は二柱が繋がっているカタチをしていますよね。この二柱は、それぞれトとホコ(矛)を表しているとも言われています。

ホツマの一番最初に記されている「奉呈文」の冒頭にはこう記されています。

あめつちの ひらけしときに
フタカミの トホコにをさむ

天地がひらけし時にフタカミはトホコで国を治めました。フタカミとはイサナギ(伊邪那岐命)、イサナミ(伊邪那美命)のこと。冒頭で記すほど重要だということですね。

ただ、この後にこう続きます。

タミまして アマテルカミの
みカガミを たしてミグサの
みタカラを 

イサナギ、イサナミを継いだアマテルカミ(天照大御神)がカガミ(鏡)を足して三種の御宝とした。

タミ(民)が増え、トとホコ(矛)だけでは国を治めるのが難しいと思ったアマテルカミ(天照大御神)は一人ひとりが自らの姿(行い)を見て反省するために「カガミ(鏡)」を足したのです。これが後の三種の神器へとつながっていきます。

境内へ、、、

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一礼して鳥居をくぐり、境内の中へ入っていきます。

ご由緒書き。

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たくさんの神様がお祀りされていますね。十七柱の神々です。総本社である日吉大社では大己貴神(大国主神)と大山咋神を本宮にお祀りしています。

二の鳥居。

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手水舎で手と口を清めます。

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こちらの手水舎、湧水の里である地元新屋の地下水を汲み上げ、しかも四六時中流し続けているのだとか。

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三の鳥居。こちらも山王鳥居ですね。

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眞猿の像。

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日吉大社に深い関わりがある比叡山に猿が多く生息していて、いつしか魔除けの象徴になったとも言われています。

眞猿、勝る、優る、魔去る、、、

日本語って暗号みたいで、面白い。同音異義語には深い意味や繋がりがあるという話もあるんです。

例えば、道、未知とか。道は未知なるものですよね。

ホツマを学んでいる僕は、日本には漢字以前に神代文字(古代文字)があったと思っています。「じゃあ、なぜ漢字を使ったの?」という疑問がありますが、「日本人は文字がなくて漢字を使ったのではなく、巧みに利用したのではないか?」と解釈しています。古来より様々な文化や技術を巧みに取り入れて融合していったように、漢字も日本流にアレンジしてますしね。

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参拝のご縁を頂いたことへのお礼をお伝えしました。

太平山三吉神社、三皇熊野神社、日吉神社と秋田で予定外の神社を参拝することになりましたが、これも必要なご縁だったのでしょう。

神社に興味を持つようになり、いろいろと遠方の神社にも行きましたが、多くの場合、自らの意思というより、誰かから誘われたとか、なんとなく行きたかったということがホント多いんですよね。

神様なりの配慮や導きがあって、人との出会いを繋いだり、遠方に行くことで見方や視野が広がったりと、人の視点や考えでは及ばないことをされているのではないかと僕は感じています。

今回も従姉(いとこ)夫妻を通して、僕をこの三社へと導いてくれたのでしょう。神様にも従姉弟夫妻にも感謝ですね。ありがとうございます。この日は10年ぶりくらい(?)に従姉夫妻の家に泊まり、美味しい料理とお酒を頂き、大いに語り楽しい夜となりました。

さて、いよいよ明日は唐松神社へと参拝します。次の記事で書いていきますね。


日吉神社のHPはこちらになります。


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