10/11法政大学経済学研究科マーケティングコースワークショップ

10/11法政大学経済学研究科マーケティングコースワークショップを受講した内容について記します。

登壇者:AI開発者

人工知能開発の歴史と現状
人工知能自体は1960年代から様々な形で話題には出て来ていた。現在は特に画像認識、音声認識の精度が向上してきた。
音声認識はコールセンターは無理だがAIスピーカーは可能と言う段階。映像解析は録画とアナウンサーの喋りからダイジェストを作れるレベル。

データの種類
データには構造化データ(数値、文字列コード等)と非構造化データ(画像、音声、文章等)があり、構造化データは主に最適化の分野、非構造化データは会話、専門的知識に基づく意思決定、創造的活動の分野に用いられる傾向がある。

チャットボット
チャットボットは多くの場合コールセンターの入電を減らしたいという動機で導入される事が多いが、頻繁なアップデートが必要になり、人手が減らせない事も多い。しかしまわり出すとしだいに顧客満足度を上げる事を考え始める。コールセンターのオペレーター支援はオペレーターが定着せず、教育が大変な現場では特に有効。ただ、ベテランは常識的な答えは暗記しているので、ロングテール型になっていく。

対話のタイプ
タスク型(問題を解決。例:Siri
雑談型(会話を長く続ける。例:AIりんな)

ビッグデータからの学習
5万件の論文の学習から通常年間1つ程度しか見つけられない酵素を7〜8件見つけた。

市場や顧客の理解と洞察について
顧客/市場/商品を理解する=「特徴づける」という事
personality insight ワトソンの性格分析。ただし性格と言うよりは属性、グルーピングと考えた方が良いかも。こういう属性の人がどう行動したかという知見。
例えば航空会社が顧客にマイルかアップグレードを提供するか、どちらが効果的かは顧客によって異なる。効果を見てフィードバックループを回す事学習モデルへ移行していく。

顧客体験の変革
キャンベルスープのプロモーション 材料、希望を入力するとシェフワトソンがキャンベルスープを利用したレシピを提案する。

モデル精度と分かりやすさのトレードオフ
精度が高いモデル(ニューラルネットワークなど)は分かりにくく、分かりやすいモデル(回帰など)は精度が高くない。

学習方法によるパフォーマンスの違い
商業的に成功しているのは
教師あり学習>転移学習>教師なし学習>強化学習

画像1

Transfer Learning - Machine Learning's Next Frontier より

転移学習
https://qiita.com/icoxfog417/items/48cbf087dd22f1f8c6f4
教師なし学習・強化学習
https://codezine.jp/article/detail/11130

感想
動画編集の分野ではAIの利用は実用レベルであることは知らなかった。またチャットボットも既に実用化されて、今は状況に応じた受け答えが出来るようになってきている事も驚きだった。ただ、人工知能によって人間の仕事がなくなるというよりは、人工知能を使って仕事のレベルを上げていけると考えたほうが生産的ではないかと思う。

1980年代からパソコンが企業、家庭に入り込んできた時に人々が取り入れていったように、人工知能も自然なものになっていくのではないかと思う。ただパソコンについては当時の中高年の人達の中には上手く取り入れられなかった人もいるように思い、現在40半ばの私としてはなるべくAIに積極的に関わるようにしたいと思う。