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採用担当者のキャリアについて考える

今日、ちょっとしたきっかけでお会いした(オンラインだけど)採用担当の方とお話する機会があった。

その方は30代前半で、現在は中途採用を担当しているそうで、今後のキャリアステップとしてどのような選択肢があるか、意見を聞きたいということだった。

まず最初に思い浮かぶのは採用担当者としてのキャリアアップだ。
採用担当としての専門性を磨きつつ、守備範囲を広げていくという考え方だ。

採用担当のスキルマップの考え方

採用担当として、どれだけの職種の採用を経験し、職種特性だったり、マーケット感覚などを持っているかというのは、一つのスキルを図るポイントになる。例えば、営業職の採用だけを経験している人よりも、営業、エンジニア、生産管理など異なる職域の職種を採用した経験がある方が、採用担当としてのスキルマップは広くカバーしていることになるし、マーケットバリューも上がる。

次が職位や雇用形態のバリエーションだ。
新卒採用のみの経験なのか、主任級、課長級、部長級といった上位職の採用を経験しているのか、或いは、パートやアルバイトなど契約社員、派遣社員などの採用まで経験しているのか。
こちらについても、より広く経験を持っている方が、よりマルチなプレイヤーと言える。

最後に手法についてだが、これは母集団形成の手法を意味している。
例えば、リクナビやマイナビのような採用広告を活用して、中規模~大規模の母集団を形成し、選考プロセスを動かしていくような採用手法もあるし、人材紹介会社を活用するような方法もある。
また、この10年くらいでいっきに広がってきているダイレクトリクルーティングと呼ばれる手法などがある。これはLinkedInなどのSNSを活用し、採用担当者がに候補者となりうる人に直接的DMなどを送ってコンタクトするという方法だ。

採用ターゲットによって適した手法があり、それらを組み合わせたり取捨選択できる能力があること、これも採用担当としての力量が表れる点である。


このように多様性を拡げる≒守備範囲を広げていくというのが、採用担当としての万能性を高めるキャリアと言える。
逆に特定の手法、特定の職域に特化して採用力を強化していくというステップもある。これを突き詰めるとヘッドハンターという職種になる。

ジェネラルな採用担当を目指すのか、或いは専門領域に特化した採用担当を目指すのかというのが、大きな方向性の考え方と言える。


また、他のキャリアとして考えられるのは、採用以外の業務に職域を拡げていくという方法だ。
イメージがしやすいところとしては、教育や研修といったところ、或いは労務など同じ人事領域内で職域を拡げていくというキャリアだ。

さらに他の職域でイメージしやすいところでいうと、採用業務というのはある意味でブランディングの要素もあるのでマーケティング関連の職種や、PR系の職種への方向転換ということもある。もちろん営業職も同じ理由でイメージがしやすい。
或いは、企業人事としての採用担当の経験は、人材紹介業でも直接的に活かせる。


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もちろん、上記に書いたようなキャリアパスというのは一例だ。
現実には、採用担当から全く違うような職種にキャリア転換しているような人もいるし、正解は一つではない。


私自身のキャリアでいうと、採用担当から労務担当になり、その後独立してキャリアコンサルタントになった。ここだけ切り取るとわりとシンプルなラインが見える。(その過程は偶然やたまたまの積み重ねなのだけれど)


採用担当というのは、様々な人の人生やキャリアに触れる機会が多い。結果として、自分自身のキャリアについても振り返ったり考えたりする機会も多くなる。一方で、人事というのは誰にでもざっくばらんに何でも話しができる職種でもない。
そう考えると、社外の人事との交流というのは、とっても貴重で意味のあるものなのかもな。

そんなことを感じたセッションでした。



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