うたのはなし ~それだけあれば~
この曲を書いたとき、35才は身辺にいろいろあったタイミングでして。
まず、仕事がめちゃくちゃ忙しかった。部署が変わり仕事についていけない。毎晩朝から晩まで仕事に追われてライヴを観に行くことすらかなわない。そんな理由を主にすごくモチベーションを落としていた時期でした。あまり詳しく書くのもまずいのでほどほどにしますけど…笑
決定的なのは、人間ドックでバセドウ病であるのがわかったこと。これはほんとにショックだった。今でこそうまく付き合えている病気ですが、当時の謎の体調不良の原因がほぼこれでした。で、一生治りはしません、と。
はっきり言われたもんで、じゃあ何に気を配ればいいのですか?と聞いたらば、ストレスためないようにしてください、と。そこで仕事は辞めようと決意。結局これもまた決断力のいることだったなぁと振り返れば思う。30代半ばにして初めての転職。
とはいえ、無収入になるのはまずいので、年度末まできっちり働きつつ、同時進行で仕事を探す。が、ほんとに決まらない。だんだん自信もなくなる。
そんな期間が続き、仕事を辞める直前くらいにできあがったのが「それだけあれば」でした。この頃は体調を考慮し音楽も休んでたんですが、退職とともにゆるやかに戻っていこうと考え、再開の場になった誕生日イベントでやったのが最初(だったと思う)。
歌いだしのパンチ力がすごい、忘れない、とは今でも言われます。一歩間違えば”ダサい”に分類されかねないギリギリの線(笑)。まぁ人間の決意ってのは、もしかしたらそんなものなのかもしれませんや。他者から見たら美しくなくても、自分の中では揺るがない意志。そういうものが入ったうたになりました。
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それだけあれば
男の武器はギターだけ
他には何も持ってない
それだけあれば充分で
それだけあれば戦える
いくつの夜を飛び越えて
何とかここまでやってきた
昔の友はどこいった
旅の途中ではぐれたか
疲れ果てては夜の星
眺めて心を休めては
時には逃げることもある
全ては自分を守るため
あぁ誰かに引き留められても
歩み続けたこの道を戻りはしないのだ
男は今日もこの街の
片隅あたりで歌います
もがきながらも息をして
ただただここで息をして
男の武器はギターだけ
他には何も持ってない
それだけあれば充分で
それだけあれば戦える
ちなみに、ライヴで歌うときは"男は今日もこの街の~"の部分でその地名が入ります。場所ごとに変わるのがちょっとした聴きどころ 笑
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