マガジンのカバー画像

読んだことを忘れたくない あるいは読み返したくなるはずのお話

105
活字の海を波乗り中に見つけたお気に入りの記事を残しておく自分用の文集。本棚の片隅に並べて、その背表紙を眺めているだけで申しぶんのない時を過ごせるような小さな出会いの積み重ね。
運営しているクリエイター

2024年5月の記事一覧

生きているうちにしかできないこと

残りの人生がどのくらいか、なんて考えるようになったのは、40歳になった時だったと思う。それまでは死ぬのがすごく怖かったけど、それは自分にとってかなり先の未来であったからこそ、怖かったのかもしれない。 先が見えない恐怖、とでも言うのだろうか。 40歳になった時、人生折り返しだと思ったのは、鮮明に覚えている。今までそんなことを考えたこともなかったから。今まで生きてきた年数よりこれから先の方が短いかもしれない、と言う切実な感覚はあの時が初めてだった。 さらに年齢を重ねて、周囲