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糸井重里×芦田愛菜の対談を、リクルートのリボンモデルで考える(後編)

要するにこの対談からある種の希望が見えたという話でした。針の穴の希望というよりも、その針の穴に希望の糸を通して肌触りのいい何かを縫う…。

人生100年分時代

まず思ったことは、私たちには高齢社会という「機会」があることです。何と言っても高齢社会は、人生経験豊富な人が世の中に増えるという側面がありますから。加えて、ネットで色んな情報が無料で手に入って、仮に表層的だったとしても知らない誰かと簡単につながることができる。

そう考えると、人生100年時代というのは、100年分の経験ができるかもしれない人生濃縮時代なのです。単純に寿命がのびるではない。それを良い意味で表現していたのがあの対談なんです。

つまり、芦田愛菜ちゃんが育ってきたような、あるいは、あの対談のように世代を越えてシームレスに気軽につながれるチャンスがたくさんあるということ。

知性や経験のホルモン

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機会はある。ではそういった機会を人は必要としているのか。そもそもこの周辺に世の中の「不」があるかどうかです。

人が一人この世からいなくなることは
図書館が一館なくなる以上の損失がある

例えば何かの本でこうありました。賛否はありますし標準化のしようもないですが、いろんな面で大きな損失であることは間違いありません。ちなみに私は、祖母が亡くなった時に色んな意味で強く後悔した記憶があります。

本や映画に残らない、名もなき知性や知恵や経験が、人の死によって消失している。言い方をかえれば捨てられているということです。この状況をこのままにしてていいのでしょうか。

まるで、あんなにおいしいホルモンや大トロが、その昔は捨てられていたように。これは知恵の引き継ぎとしてもなんともったいない。

リボンの結び目は世間話

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なので「不」をちょっと考えてみました。

先人の知恵や経験をもっと聞きたい話したいけど場がない

リボンモデルで考えるならもう一方の不があるかどうか。

若い人と話したいけど教えられることも話題もわからない

なんかありそうです。祖父母でもいいし赤の他人でもいい。「老人(世間話)×若人(世間話)」のマッチングで、世代を超えて世間話をする。インスタントシームレスです。これはスキルを必要としないところがポイントです。スキルは値踏みされているようで息が詰まります。

だからもっと気楽に膝を付け合わせるだけでいいようなサービスをつくりたい。アプリなのかコミュニティーなのか。そうすればもっと生きやすくなると思うのです。そんな世の中で歳をとっていきたい。

サービス名は「エンガワ」とか「マカナイメシ」とか「チエノワ」かなあ。と思ってネットで探してみたら、シニアと若者を結ぶサービスが海外でありました…。これも参考にしつつ会社に提案してみようっと。

あとおし形の「生きろ。」

とどのつまり、糸井さん含めた製作者側が今回の対談で伝えたかったこととは。これはたぶん、もののけ姫のコピーにある「生きろ。」だったのではないでしょうか。でも、この場合の「生きろ。」は命令形のそれじゃないんです。あとおし形の「生きろ。」なんです。

一生懸命生きてる人同士で背中をそっと押しあう。大丈夫、なんとかなるさ。ポンっと。世代間とかいう言葉はこの際いらないのです。いや、あってもいいけどそれを楽しみましょう。

いろんな人同士が押し合いへし合いするのではなく、背中を押し合うような世の中にしたい。できると思うなあ。そうすればもっと生きやすくなると思うなあ。ぬああ。そうしよう。

糸井重里×芦田愛菜の対談を、リクルートのリボンモデルで考える(前編)

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