カタリベタロウの物語 #1ぴょ~くん〜#7お月さん

   #1 ぴょ~くん

ある日、棒人間のぴょ~くんは、ぴゅ~って言いました。

そして、うぇいうぇいうぉううぉう言って踊りました。

そうしたら鳥が寄ってきたのでかじってみましたら、おえおえな感じでした。

うがいがしたかったので水を探していますと、ゾウがオシッコをしていましたので、あ~ってしたらおえおえおってな感じになりました。

苦しくなったので、走り出しました。

"はぁはぁ。。。えっ?なんですか?職務質問?いやいやごめんなさい!いまからバイトなんでただでさえ遅れそうなんでいきます!いたたたた!なにすんですか?え?なんのバイトかって?おろろろろろろ。。。"

気付くととてもいい天気でしたので、アフリカの民族のようにぴょんぴょん飛び跳ねていましたら、太陽に突き刺さりました。

そのせいか、太陽は急激に冷却され美しい地球のような星に変貌を遂げました。

そうか!僕が星々に突っ込むと、その星々は全て地球のように美しくなるんだな!

よ~し、ずっこーん!ばっこーん!ずっこーん!ばっこーん!

こうして棒人間のぴょ~くんは、今日も精神科病棟の隣の隣のそのまた隣町の一軒家の晩ご飯を食べながら一日を終えるのであった。


   #2 KAZEKIN

「KAZEKINさん、お久しぶりです」
「どうも、ゆうちうばぁのKAZEKINです。お邪魔します」
「いやいやいや、靴を脱ごうとしないで下さい。玄関先の立ち話だけでお帰り下さい」
「ハハハハハ、そうですか。しかし、あなたはもう病に侵されている」
「薬がぶ飲み気持ちぃなぁ~」
「それはなんの薬ですか?」
「お砂糖です」
「そんなものが効くんですか?」
「どんな症状にも効く特効薬だと思い込んで飲めば効果は絶大ですよ!」
「狂ってますねぇ」
「脳を自在に操れると言って欲しいなぁ」
「それでは、私のことを龍にしてくださいますか?」
「はい、容易い御用です」
「……何にも変化がないようですが……」
「はい!それはもうすでにあなたが龍の姿形をしているからです!」
「どういうことですか?」
「あなたはもう既に初めから龍そのものなのです!」
「おお!そうだったのですね!気付かせてくださりありがとうございましたぁ!さようならぁ~」
「はい、さようなら」

僕はいつだってこの方法で風邪を治す。


   #3 JSおじさん

二人のJSが僕の前を歩いていました。

学年は4年生くらい。

すると、右を歩いていた子が道路によく生えている柔らかくて赤いポールを蹴りました。

普通はぐにゃりと曲がって元に戻るんですが、なんとそのポールは地面から剥がれてしまいました。

僕はそれがなんとも面白かったので「凄いキック力だなぁ」と声をかけました。

すると左の子が、「んな訳ないじゃん、ハハハぁ~。てか不審者~?こわ~い(笑)」と言ってきたので、本当の不審者のように襲うふりをしたら、まんまと反撃されキックされパンチされ撃退されてしまいました。

昔、小学校のプールで監視員のバイトをした時のことを思い出しました。

その時も三日間めちゃくちゃ絡まれ水ぶっかけられプールに突き落とされと散々な毎日でした。

ポニーテールおじさんという変なあだ名をもつけられました。

髪が少し長かった僕はバイトの規定上、髪を後ろで結ばなくてはならなかったんです。

それでです。

てかおじさんて。

そん時まだハタチやぞ。

まぁ、小学生からしたらおじさんか。

はぁーあ。

楽しかった。

子供は良いよね。

保育士にでもなろうかしら。

それか駄菓子屋経営。

かな。


こうしてあの夢の国は誕生したのであった。


   #4 出会いと別れと火星移住

僕たちはとあるゲームセンターで出会った。

UFOキャッチャーの曲がり角で偶然ぶつかって僕らは出会った。

お互い一目惚れをした。

すぐにぬいぐるみを取った。
プリクラも撮った。
チュープリも撮った。
そして勢いで告白をした。
トントン拍子に付き合うことになった。

僕は大学四年生。
彼女は大学三年生。

何もかもが順調でとても充実した幸せな毎日を送っていた。

就職活動も上手くいって、何の問題も無く大学を卒業しそのままその職へと就いた。

しかし、そこから僕たちの歯車は狂い始めた。

原因は僕が会社の上司を好きになってしまった所から始まる。

相手は指導係の先輩。

よくある話さ。

とても親切で優しい先輩のことをずっと一緒にいるうちに愛してしまったのだ。

僕より七つも年上で、とても包容力のある先輩。

その名はタダシ、タダシ先輩。

ラグビーで鍛えたその身体はとても頼り甲斐があり艶かしい。

関係はかなり深く長く続いていた。

そうしているうちに何故か僕は何を血迷ったか僕はその事実を僕は彼女に僕は打ち明けることにした僕は。

しかも彼女と付き合った記念日に。

そして何故か僕は彼女ならそれを受け入れてくれるような気がしていた。

しかし、彼女の反応は違った。

彼女はいきなり包丁でタダシ先輩を刺したノダ!

しかし、タダシ先輩は宇宙人だった。

その攻撃は全く効かなかった。

逆に包丁の方が折れたパッキンチョ。

そして逆にタダシ先輩がビームで彼女を殺そうとしそれを僕が庇い僕は死んだ。

しかし、それが二人の狙いだったのだ。

そう、僕が邪魔者だったって訳だ。

というわけで、二人は火星で幸せに暮らしましたとさ。

ちゃんちゃん。


   #5 猫の相槌

“ねこ”と呼ばれる僕のことを、キミは可愛がってくれる。
なんにも言わずに優しく微笑み、キレイな鈴を付けてくれた。

僕は人間だった頃、帽子を深く被り顔を隠し逃げるように生きていた。
キミはそのとき寄り添ってくれた女の子に似てるんだ。

“ワタシもね、マスクばかりしてたんだ”
“へぇ~そうなんだ”
“いやつまんねー相槌だなぁおい”
“え?”
“つまんないやつ嫌い、バイバイ”
“え?あ、はい?”
“いやつまんねー相槌だなぁおい”

こうした刺激が僕を”ねこ”と呼ばれるペットにさせたのであった。

「にゃぁ~」


   #6 我醜公彼奴

 ギャミキョーキャツ ギャミキョーキャツ 救いの根源 ギャミキョーキャツ
 アナタに永遠の命を アナタに崇高な輪廻転生を
 唱えるだけで救われます 唱えるだけで浮かばれます
 世に蔓延する柵からの解放を 世に散乱する孤独からの解放を
 終わりは決して無力などではない 終わりは総じて純朴な始まりの合図である
 だからこの言葉を唱えよう この言葉を唱え祈ろう
 ギャミキョーキャツ ギャミキョーキャツ 救いの根源 ギャミキョーキャツ
 ギャミキョーキャツ ギャミキョーキャツ 救いの根源 ギャミキョーキャツ
 ギャミキョーキャツ ギャミキョーキャツ 救いの根源 ギャミキョーキャツ
 ギャミキョーキャツ ギャミキョーキャツ 救いの根源 ギャミキョーキャツ

今日も朝の唱えが終わった。私がこの団体に潜入してから早いものでもう三ヶ月。

ついに私の頭は天パになり始めた。

教祖の”我醜(ガミ)”と呼ばれるその男は、ゴリゴリのチリチリヘアーだ。

“輪廻屋”と呼ばれる自殺させ屋がいると噂になり、独自のルートで調査を進めやっとのことでこの団体に辿り着いた私だったが、それは大きな間違いだったのである。

そう、ここはただの、サラサラストレートヘアーを自力で天パにしようの会だったのだから。

あゝ、無情。

しかし、ここはHEAVEN。

どっぷりハマって愉快痛快幸せ万歳。

皆皆様も是非この言葉を毎日欠かさずに唱えてみてください。

天パになって、人生薔薇色。

由々しき雌豚食べ放題。

それでは、修行に戻りますので、さようなら。


   #7 お月さん

「月は地球から千切れて出来たのですかぁ?」

「そんな団子じゃあるまいし」

「あっ、だからお月見にはお団子なのですね!」

「いえ、違います」

「違うという科学的根拠を示してください!」

「テンポ良く脈打つ筋肉がリズミカルに痙攣。アレヨアレヨと言う間に血液膨張ほらほら膨張。寄ってらっしゃい見てらっしゃい、世にも珍しいお月さん誕生の瞬間だよぉ!」

「うん。死刑!!!」

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