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教えて先生vol.2【思春期の息子とコミュニケーションが取れません】

保護者の皆さんから寄せられた質問やお悩みに、複数の専門家がお答えします。正解はひとつじゃないから、色々な先生のコメントを参考にしてみてください。

【相談:思春期の息子とコミュニケーションが取れません】

中2の息子を持つ母親です。子どもが言うことを聞いてくれないので困っています。

休校になってから、ゲームやネットをしながらごろごろする時間が増えました。生活リズムも崩れていて、朝は10時頃に起き、夜は深夜に就寝しているようです。共働きなので、日中はどうやって過ごしているかわかりませんが、きっとゲームやスマホをやっているのだと思います。

「今日は何して過ごしたの?」と声をかけても「別に」「普通」としか答えてくれないし、質問を繰り返すとイライラされてしまいます。どうやってコミュニケーションをとれば良いでしょうか?

【先生からのお返事① できていることに目を向けて認める】

はじめまして。北海道で教員をしています月館海斗(つきだてかいと)と申します。

学校生活がなくなり、外的要因から時間をコントロールされることがなくなり、自分自身のモチベーションを維持することが難しくなっていると思います。そして、学校のような厳しいルールから解放され、今まで抑えられていた衝動を解放したくなるのも当然だと思います。

だからと言って、そのまま放任してしまうのはお母さんとして許せないことだと思います。共働きだとその中で日中何をしていたのか聞きたくなりますよね。しかし、子どもはそのような心配にイライラしてしまうことがあります。

中学生の頃から親から自立しようと親に抵抗し始めます(いわゆる第二反抗期です)。なので、質問しすぎると親のコントロール下に置かれたくない、めんどくさいと思ってしまい、反抗的になってしまいます。

中学生になると本格的に勉強しなければいけないため、親としても「もっと勉強してほしい」という思いが強くなります。しかし、求めすぎると反発してしまうため、子どもとコミュニケーションする際に気をつけるべきことがあります。

それは、
「できていないことよりもできていることに目を向けること」
「できてることを承認し、褒める」
の2点を意識してコミュニケーションを取ることです。

ついつい子どものダメなところに目を向けてしまいがちですが、子どもが少しでも頑張ったことがあるのであれば(むしろ見つけに行く姿勢が必要かもしれません)、そこに対してI(アイ)メッセージで

「(私は)あなたが勉強していて嬉しい」

という風に伝えることが大切です。子どもが承認されていると思うと反発は少なくなります。子どもに対して「ないものねだりよりあるもの探し」をしていくためにもできたことに対して「頑張ったね」と承認することを勧めます。

そして、承認を増やす中で、中学生であれば、家庭内でも「自立」を促す言葉がけ、問いを始めることをおすすめします。正直、「勉強しなさい」と言わなくても良いと思います(言っていなければ憶測が誤っていて申し訳ありません)。

勉強しなさいより、
「中学3年生までにしておきたい勉強は?」
「中学2年生を振り返って、復習しておくべき勉強は?」
など子どもにまず目標を立てる質問をします。

その答えに対し、
「じゃあそのために毎日すべきことはどんなこと?」
「じゃあ明日は数学を10問解くのね」
と約束して、「応援しているよ」と背中を押します。そうすると、子どもに勉強する価値、勉強を通した自己承認が進んでいきます。

お母さんにとって勉強が子どもを承認し、褒めるツールになるとコミュニケーションが楽になると思います。

お母さんの相談内容から最大限想像し、提案していることなので的外れだったら申し訳ございません。また何かわからないことがあれば気軽に聞いてください!

【書いた人:中高社会科教員・メンターコーチ協会公認プロコーチ 月館海斗】

【先生からのお返事② 思春期の反抗は成長のあかし】

ご質問ありがとうございます。もうすぐお子さんも中3。受験もありますし、生活の乱れはとても心配かと思います。

このご質問には2つのポイントが隠れています。
1つ目は、お子さんが「思春期であること」
2つ目は「ゲームやスマホとの関わり方」です。

二つにわけてお答えしていきますね。

1.思春期であること

たとえ、反抗期でなくとも、中2にもなれば多くの子どもに思春期が来ています。思春期は子どもにとって「親からの自立」と「まだ甘えていたい気持ち」が共存し、葛藤が多い時期。思春期を通して。親との関わり方は次第に変わってきます。

それと同時に、“親の役割”というものも、子どもの発達に合わせて変わってきますね。これまでは取れていた「コミュニケーションが取れなくなった」というのは、一見つまづきに見えますが、お子さんの心の内側に想いを馳せれば「成長の証」になります。

お母さんがしっかりとお子さんを育ててきたからこそ、お子さんは親との関係を作り直す時期に到達でき、もう子どもではない自分として、「どう親と付き合っていこうか」という試行錯誤の段階に入っていけているわけですね。

ですから、まず一つ言えることは、心配し過ぎないことです。「別に」「普通」と答えるだけでも上等です。これまでと違うお子さんの対応、ちょっとだけ遠巻きに見守ってあげてください。

2.ゲームやスマホとの関わり方

もしかしたら、「今日は何して過ごしたの?」と聞かれて正直に答えると、お母さんに怒られると思っているのかもしれません。また、スマホやゲームを取り上げられる、と思っている可能性もありますね。

思春期のお子さんとコミュニケーションを取るコツは「詮索し過ぎない」ことでもあります。もしも、何でも筒抜けで話してしまう大人に育ったら、社会ではきっと人間関係に苦労しますよね。ですから、秘密を胸の中に溜めて置く練習をさせてあげるのも、子どもの将来を考えると大切なことなんです。

また、会話は、例えばご飯中であれば「これ、おいしいね」など【今、ここ】の話しをすると、お子さんは返事がしやすいと思います。

もしかしたら、この回答を読まれて、「子どもに聞きたいことはそんなことじゃない!」と思われるかもしれませんが、「今は、見守る時期」というのは、覚えておきたいキーワードです。

思春期のお子さんには、「良かったら、話す?」くらいの軽い感じのコミュニケーションを日頃から取っておけることが大切なんです。それがあるからこそ、いざというとき・本当に困ったときにお子さんがヘルプを出しやすくもなるんですね。

注意点をお伝えすると・・・

お子さんが会話に乗ってきてくれたときに、「ここぞとばかりに」注意や苦言を付け加えないことが第一に挙げられます。

これは、私も含めた多くの方がやりがちなことですので、みんなで気を付けていきましょう。会話をして、お子さんが「ちょっとホッとしたなー」と思えるくらいの塩梅が良いように思います。

また、お子さんは、お母さんがゲームやスマホを嫌っていると思っているかもしれません。もし、お子さんがゲームやスマホに熱中しているとしたら、それはお子さんにとって大切なもの。うっかり否定しないように気を付けてお話できるといいですよね。

もし、目の前でお子さんがゲームをしていたら「そのゲームのこと教えて」「面白ポイントは?」など、話題にしてみるのもおすすめです。大切なものを否定されず、興味を示してもらえるのは、多くの子どもや大人にとって、嬉しいことでありますから。

最後にもう一つだけ・・・
今、お子さんは遅寝遅起きだとしても、「寝て・起きる」ことができており、ご飯を食べたり、身だしなみを整えたり、お風呂に入ったり、元気に暮らしたり・・・、できていることもあるのではないでしょうか。できていないこと・気になることに注目しすぎず、「できていないなりに、できていること」に注目していくことも、心穏やかにお子さんと関わるコツになります。

私は、ゲームやスマホとの付き合い方については、ぷるすあるはさんの
『ネット・ゲーム・スマホがやめられない…(ネット依存?ゲーム障害?)』
というネットの記事をおすすめしています。隙間時間にサクッと読める記事ですから、気楽に読んでみてください。

【書いた人:臨床心理士・公認心理師 露木友子】

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