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教えて先生vol.1【子どもと一緒にいる時間がしんどいです】

保護者の皆さんから寄せられた質問やお悩みに、複数の専門家がお答えします。正解はひとつじゃないから、色々な先生のコメントを参考にしてみてください。

【相談:子どもと一緒にいる時間がしんどいです】

小5男児と小2男児を育てている母親です。

先日、学校から「一斉休校期間を延長する」という連絡を受けてがっくり来てしまいました。休校のまま一度も学校へ行くことなく、春休みに突入するそうです。

子どもがずっと家にいるのがストレスです。一緒にいる時間が増えるのは良いことのはずなのに、一緒にいるとしんどいと感じてしまう自分は母親失格だと思ってしまいます。

【先生からのお返事① 親も意図的に休憩時間を取りましょう】

はじめまして。臨床心理士・公認心理師の北嶋尚子です。
ご相談ありがとうございます。

2月に一斉休校のお知らせがあった時には大変な衝撃でしたよね。
夏休みでもないのに、一か月も元気な我が子を自宅で見続けるなんてどうしたらいいの?勉強は?お昼ご飯は?と頭の中がパニック状態になった方は少なくなかったのではないでしょうか。

学校によっては、少しずつ子どもたちを預かる体制を整えているところもあるようですし、3月の後半には学校開放なども行われて少し休校も緩和されるのではと期待していた矢先の休校延長の連絡。がっくり来てしまったというのは無理もないことと思います。

子ども達が小さいのも今のうち、一緒にいられるのも今のうち、とは思うものの、ずっと一緒にいるのは大変なことですよね。普段なら、子どもが学校に行っているあいだに済ませられる家事や用事も、子どもたちがいるとなかなか思うようには進みません。

「おかーさーん!」と何度も呼びつけられるし、片付けたそばから新たなおもちゃが広げられます。そこに、繰り返し始まるきょうだいげんかも加わって、「いい加減にして!」とイライラが爆発してしまうこともありますよね。

一方、テレビや動画に夢中になっている時は静かな子どもたち。やっと一息つける、とは思うものの、あまりに長く見せてしまうとまた自己嫌悪が押し寄せてくるということもあるのではないでしょうか。

もっと穏やかに子どもとの時間を大切にしたいのに、そんなふうにできない自分は母親失格だ・・・。

本当にそうでしょうか。とってもお子さんのこと、考えているからこそ出てくる思いのような気がします。

子どもと一緒にいる時間がしんどい。

これは多くのお母さんが共感する思いだと思います。でも、そのことで「母親失格だ」と自分を責めてしまう時は、少し無理や我慢をし過ぎているのかもしれません。母親の役割を離れて、ちょっとひとりの時間をもってみませんか。

〇オススメ 10分だけでも休憩時間をとろう

一日のうち、ほんの10分でも20分でも構いません。子どもたちに「今から10分間、お母さんも休憩をとります。何か用事があれば、必ずあとで聞くから10分間だけ1人にさせて」と正直に伝えたら、子どもたちも理解してくれるのではないでしょうか。

10分間、別の部屋(トイレでも良いです)で過ごしてみたり、大の字に寝転がって目を閉じてみたり、好きなおやつでお茶をしてみたり、自分だけの時間を満喫しましょう。お昼寝をしてしまうのも良いかもしれませんね。もしもう少し長い時間がとれるなら、子どもたちにお留守番を頼んで、外に出てみるのも良いですね。買い物に出かけたついでにカフェや本屋さんに立ち寄ってみるのもおすすめです。

ひとりの時間は1日に1回と言わず、可能なら2回でも3回でもとりましょう。その都度、何時何分までと終了時間を決めておくことをおすすめします。なんとなく気が済むまで、としてしまうと、だらだらと過ごしてしまったり、気が済まないうちに子どもに中断させられたりということが起きて、逆にストレスがたまってしまう場合があるからです。時間を決めて主体的に過ごせると良いと思います。

そして、ふたたび子どもたちのもとに戻る時に、少しでもおおらかな気持ちになれていたら大成功です。

〇オススメ レトルトや外食を活用して家事セーブ!

まだしんどいな…と感じる時には、もう少し休憩が必要なのかもしれません。その日は家事も育児もセーブして、食事はレトルトや外食にしたり、家族に任せたりしてやり過ごしましょう。グチを言える人がいるなら、メールやSNSで聞いてもらうのも良い方法です。きっと同じ思いで過ごしている人は少なくないはずです。「みんな同じなんだな、私だけではないんだな」と思えるだけで、気持ちが軽くなることもありますよね。

文部科学省は、自宅で過ごす子どもたちはかぜのような症状がなければ、屋外での運動を無理に制限しなくて良いという見解を示しています。

天気の良い日は子どもたちと公園に出かけて、ひなたぼっこをするのも良いですね。桜のつぼみがふくらんでいたり、小さな春の草花が咲いていたりするのを見つけて、優しい気持ちになることもあるでしょう。偶然にママ友に出会えれば、お互いにグチを言い合ってスッキリできることもあるかもしれません。

休校のまま春休みに突入するなら、今の生活が少なくとも3週間は続くことになります。なにごとも長く続けるコツは無理のないやり方を選ぶことです。ひとりの時間を確保したり、子どもを連れて公園に行ったり、話せる相手にグチを言ったり、いろいろなやり方を試して、ご自分にあったペースで新学期までの日々を過ごしていけると良いですね。

カタリバオンラインでは、個別の相談もお受けしています。お話をうかがって、一緒に解決策を考えていかれればと思いますので、お気軽にご連絡ください。

【書いた人:臨床心理士・公認心理師 北嶋尚子】

【先生からのお返事② 親子のほど良い距離を作る4つの技】

一斉休校というはじめての体験に、親御さんも子どもも環境の変化に戸惑い、それでも自宅での過ごし方を模索し、今日を迎えているでしょう。

親子とはいえ、24時間ずっと過ごすことは”ストレス”かもしれません。仲がよかったとしても、どうしてもこのような環境の変化は、「こんなはずじゃなかった!」という考えがめぐりがち。また、思春期を迎えた子どもとの関係をどうしていけば良いのか、と考えていた保護者さんや普段仕事が忙しく、あまり子どもとの会話ができづらかった方には、「どうしよう」という思いも多いでしょう。

今、何か居心地の悪さを感じている方は、必見。

過去どんな関係性(仲)であったかなんて問題ありません。今の心と体の距離が”ほど良くない”から、だけです。”ほどよい距離感”の作り方をいくつか考えてみましょう。

まずは、解決方法に向かうための、原因の整理です。皆さんの持つ「こんなはずじゃなかった」「どうしよう」の背景に何があるでしょうか。原因として考えられるのは、もしかしたら以下の2つかもしれません。

①突然、子どもによって何かが起こる
②常に邪魔された感じがする

→これらに共通する気持ちとしては、「子どもがいなければいい」

家という本来ならリラックスできる空間に、ストレスの原因となることが増えたように感じてしまうことは親子であっても仕方のないもの。やはり狭い空間による閉塞感や上記した見通しの持てない時間の感覚はストレスとなりやですいでしょう。

どう乗り切るか、いくつか考えて見ましょう。

〇オススメ1 秘密のノートタイムで気持ちの整理をしよう

子どもが寝ている隙に、少しだけ自分と向き合う時間を作りましょう。あるデータでは、たった15分程度集中してノートに自分の気持ちを書くと、記憶の整理がなされるのだとか。(「エクスプレッシブ・ライティング」アメリカの社会心理学者ジェームズ・ペネベーカーによる)何がストレスなのか、思いの丈を書きなぐりましょう。気持ちを客観視できます。

そのノートは誰も見ませんし、誰にも責められません。自由に汚い字でも良いし、文が支離滅裂でもよいのです。自分の気持ちにシンプルに向き合います。自由に書いた後に、時間的に余裕があれば、次のようなまとめ方も良いでしょう。

1.ノートの左側に状況を書きます。
例:部屋の真ん中で子どもが動画を見ている。

2.真ん中にそれを見たときの自分の気持ちをかく。
例:邪魔で掃除が進まないし、いつまでやるのかとイライラする。

3.右側には、どういう状態なら満足するのか、を書く。
例:掃除機をかける間は、別室に行くルールを守ってもらう。
子どもに掃除機をかけるお手伝いをしてもらうと動画を見れる時間を5分増やせるポイント制を作る。などなど。

イライラを減らすためには、「自分がどういう状態であればイライラしないのか」=「自分の本音を明確にすること」が大切です。多くの場合、それが曖昧なので、そのモヤモヤした気持ちのまま、つい子どもに強く叱ってしまったり、大声で「邪魔!」と本音が出てしまったり・・・。子どものことが心底嫌いでなくても傷つけてしまうかもしれない言葉を衝動的に発してしまうことは誰だってあるでしょう。

原因は何か、どういう状態ならイライラしない(せめて我慢できる)のか、明確する作業を億劫がらずに行いましょう。ノートに書くよりも、まずはスマホで・・と簡易的に始めるのも良いでしょう。ママ友や子育てブログのコメントに吐き出すこともOK。たくさんのアイデアが転がっています。

〇オススメ2 空間を変えてみよう

たっぷりと時間があること、新年度をまたぐタイミングですので、お部屋の断捨離はいかがでしょうか。その断捨離は、必ず子どもにも参加させます。

オモチャの仕分けは子どもの発達段階に合わせて提案しましょう。低学年は、オモチャをウェットティッシュで拭くだけ。好きなオモチャを選ぶだけ、でも良いでしょう。中学年は、捨てるもの(もしくは再利用・売れそうなもの)を選択することをさせることはどうでしょうか。高学年は、壊れかけたオモチャを直す、飽きたゲームの譲り先を考えて、友人など相手と連絡を取る、というように。

勉強道具も学校から慌てて持ち帰ったものも、ついゴチャゴチャしていませんか。片づける方法を親が提案して、それぞれ子どもが任務完了できるように指示することが重要です。

〇オススメ3 いつでも席替えタイム!

家族の持つ暗黙のルールや習慣を変えて、少しでもリフレッシュした気持ちを作り出します。例えば、ダイニングテーブルの席、テレビを見る時の席、小まめに席替えをするのも良いでしょう。いつもは使わない食器を使ったり、レストランのようにしてみたり。子どもたちにも手伝ってもらって特別な雰囲気を作ります。

もしくは、それぞれの秘密基地作り、も大切です。子どもも大人もプライベートな空間は大切。いつもは使わない部屋やスペース、クローゼットの下、トイレ、お風呂も活用。年齢的に危なくなければ、玄関や階段、寒くなければ廊下も秘密基地になります。

ここで、ちょっとしたコツを。誰がどこに何時くらいまでいるのか、その導線をリビングで管理。冷蔵庫に時間を書いて貼っておくなど家族が見れるようにすると、プライベート空間を捻出することができます。

お風呂タイムでは、いつもは入らない朝風呂・昼風呂も良いでしょう。頂き物の入浴剤もここが使いどき。ついでに書いてある成分調べや“別府の湯”なんて書いてあるなら大分県についての調べ学習につなげても良いし、スパでかかっているような曲やハワイアンの曲、あえて水着を着てお風呂に入るのもあり!リラックス効果の高いアロマを使うことも良いですが、面倒ならば、レモン・オレンジの皮を代用しても。(皮膚トラブルにはお気をつけください)

〇オススメ 4 今だけ!格安カウンセラー役に徹する

子どもが四六時中、家にいるといつどこでも「ママ、ママ、ママ、ママ」「ちょっと来て」「これ見て」「あれどこ!」と呼ばれることも多いでしょう。全てに応じる必要はあまりないと思います。ただ時間を決めて何時から何時までは、しっかり一緒に遊ぶ、一緒に勉強する、一緒に(あきらめて笑)話を聴く!というのはいかがでしょうか。それは10分から15分で十分。

兄弟が多い場合には、予約制にしても良いでしょう。映画のチケットのように、順番を決めたり、クジ、あみだくじで楽しく、お話タイムの予約を取ります。

どうして自分の子どもがこのゲームを好きなのか、好きなキャラクターの背景を考えて見ることは、子どものこれまで見えなかった感受性の成長や魅力に気づくチャンスでもあります。なぜこれが面白いのか、理解できない気持ちは、一緒にいる時間だけは横に置いておきましょう。腹の内では、理解できなくても良いのです。それでも、その時間だけは寄り添ってみましょう。これまで見えなかった子どもの本音、とりわけ友だちとの遊び方や関係性が引き出せるかもしれません。

大人だって、ゆっくり休みたいですもの。自分の本音を大切にしながら、乗り切りましょう!

【書いた人:臨床心理士・ヨガインストラクター 太田千瑞】

【先生からのお返事③ できていることに目を向けてみて】

はじめまして。北海道で教員をしています月館海斗(つきだてかいと)と申します。突然の休校措置はびっくりしましたよね。私自身も受け入れることに時間がかかりました。

あれから2週間経ち、子どもといることがストレスになることもあると思います。今、お母さんが一緒にいて「しんどい」と思うのは2人の息子さんとの「初めての経験」だからだと思います。2週間家から出ることができずに1日中家にいることは2人とも小学生になってから初めてではないでしょうか。正直、経験したことない状況を迎えているので「しんどい」ことは仕方のないことです。

むしろ、「しんどい」と悩み、私たちに相談しているあなたは母親失格ではありません。相談して、この状況を乗り越えようとするより良い母親になろうとしている母親の鏡だと思います。

しんどい時はダメな自分に目が行ってしまいがちですが、この状況だからこそ、私たちに相談をしていること、子どもとコミュニケーションとっていること、家事、洗濯をしているなど、普段は当たり前だと思ってやっていることも今は「当たり前を継続してできていること」を肯定(承認)してあげることが大事です。息子さん2人にとって頼れる存在であるお母さんなのですから。

〇ストレスを軽減する解決策

さて、とは言っても具体的にもう少し具体的に子どもといることがストレスではなくなる方法をお伝えさせていただきます。子どもといて、ストレスになる原因をいくつか考えたので当てはまる原因とその解決策を試してみてください。

原因①:兄弟喧嘩

解決策:ルールを決めて外出する

子どもたちもずーっと家にいるとストレスがたまってきます。それぞれのストレスがぶつかり合いいつも以上に喧嘩が多くなることもあります。子どもたちのストレス発散のために人の多くない場所で外出(公園や近所の散歩など)は認められてきました。なので、子どもを連れて外へ出かけて子どもたちに思う存分体を動かしてもらうのはどうでしょうか。

そのときに必ず親子でのルールを設定しておくと余計なストレスを未然に防げます。例えば、1時間だけ外で遊ぶこと、お母さんの目から離れないこと、毎日10時〜などです。先に出かけた時に起こるであろうトラブルを起こらないようにルール設定すると、お母さんのストレスが軽減されます。

原因②:自分の時間がない

息子さんが学校にいれば、学校にいる間に家事等を自分のペースでできたり、1人の時間を取り、好きなことをやるこ
ともできたと思いますが、今はそのような時間を取ることができないことがストレスに感じていると思います。

解決策:子どもが自分自身で勉強をできる環境をつくる

これだけ聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、1人の時間を作るために子どもたちが勉強する習慣を作ることが求められます。そのために「勉強しなさい」というより、お母さんが子どもたちに勉強する理由を伝え、納得してもらうことが必要になります。

例えば、「私はこの時期に復習しておくと4月からいい成績になると思うからあなたに勉強してほしい」と伝えます。ここで「今勉強しないと、のちのち成績悪くなる」のようにネガティブな未来を想像させるような言葉がけではなく、未来が明るくなるような言葉がけを意識しましょう。そして、一定の場所、時間を決めて勉強しましょう。


長くなってしまいましたが、少しでも実践できるよう書かせていただきました。お母さんのように同じくこの一斉休校でストレスを感じている人がいます。決して一人ではありません。私もついています。思い通りにいかないことばかりかもしれませんが、毎日自分ができたことに目を向けて、自分を承認しながら日々過ごしましょう。また困ったことがあればいつでも聞いてください。

【書いた人:中高社会科教員・メンターコーチ協会公認プロコーチ 月館海斗】


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代表   : 代表理事 今村久美
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