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オリジナルの小説、およびシナリオをHP[ http://novelsofkatara.web.fc2.com/ ]で公開後、電子書籍で出版しています。 最新シナリオ【遥か彼方へ】を全文公開中。ぜひ

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小説【遥か彼方へ】

   1 狼の遠吠えが聞こえ、サーナは窓を見た。 「近い」 おもては夜の闇で暗い。ガラスに近づくと月明かりの雪景色がわずかに見える。しかし動きはない。 「だいじょうぶ」と後ろで父のラスカスが言った。「ここにいれば安全だ」 ラスカスは暖炉の前に座り革細工を続けている。鹿革の財布に模様を入れている。 ふたりの住む山小屋は石造りで確かに安全だった。ドアは木製だが錠はある。狼の体当たりぐらいでは壊れない。 しかしサーナは胸騒ぎがした。狼の遠吠えは慣れていたがあまりに近い

    • ビデオコンテ【逃避行 】のお知らせ

      小説【逃避行】を元にしたビデオコンテを5/30よりYouTubeで配信します。https://www.youtube.com/@katara_novel_scenario 小説はAmazonで販売中(電子書籍) Webサイトでは試し読みができるほか、シナリオ版を全文公開中です。https://novelsofkatara.web.fc2.com/

      • 自己肯定感

        自分は以前「作品の中で女言葉は使わない」と書いたんですが、それは「実生活でほとんど使ってなくない?」というリアリティーの点からでした。 それは今も変わらずで、逆に「ら抜き言葉」は普通に書きます。実際に使われてるからです。くだけすぎてるとか正式でないとかよりもリアリティーが優先で、言葉は生き物だし刻々変わるし「これが正しい日本語」なんて考えもとりあえず今そうなだけで永遠じゃない。そのままじゃない。そんなコワバリで何か書いたりはつまんないと。活き活き書けないしくだらないと。

        • 自縄自縛

          エッセイを書く時はなるべく自分の話に限定しようと思ってます。 他人についてなんやかや書くのは気が引けるし、けなすのは勿論だけど褒めてもなんだか偉そうだったり、思いもよらない点で配慮が足りず相手を傷つけたり、それが自分に返ってきたり。 まぁそんな影響はほぼないんですが、もしもの予防で自分まわりに限定しようと努めてます。 自分のことなら多少は言い切れますしね(多少です)他人にいくらおかしいと思われても自分が実際そうなんだからしょうがない。 でも自分のことなんぞ基本的には書

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        小説【遥か彼方へ】

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        記事

          コメンタリー好き

          DVDやブルーレイなどのビデオソフトにはキャストやスタッフによる音声解説、コメンタリーが付いていて、あれがすごく好きです。本編の映像に合わせて製作当時の裏話をするあれです。ソフトによっては「スタッフ数人」「キャストだけ」「監督のみ」など複数のバージョンが収録されていて、1本の映画でもそれぞれ思い出や思い入れがある。面白い。 ネットの動画配信では見られるんでしょうか。よく知らないんですがソフトならではなら付加価値としてグッドアイデアですね。続けてほしいしもっと膨らませてほしい

          コメンタリー好き

          見ないという選択

          新ドラマのシーズンになると初回はひと通りチェックします。どんなお宝が転がってるかわかりませんしね。 でも無理はしません。興味を持てば次回も見るけど、持てなければ初回で終了。なんせ同時期にたくさん始まりますから。どんどんふるい落とさないと時間がいくらあっても足りない(スタートずらせばいいのにね) ものによっては初回さえ全部見ない場合があります。ひどい時は5分で終了とか(ホントひどい) 理由はいろいろです。リアリティーないとか既視感あるとか主人公のキャラがどうもとか。要は自

          見ないという選択

          実写はつらそう

          宇宙空間での映画撮影がいよいよ始まるというニュースを数年前に見ました。その後どうなったか続報を聞かないんですが、そういう映画、撮影方法が一般的になると見方は少し変わる気がします。 例えばこれまでのSF映画、宇宙空間での無重力シーンなどは全部特撮ですね。ワイヤーで吊ってるかCGか、両方の合わせ技か。 なのでいくら自然に見えても「どうやって撮ったんだろう」と否応なく思う。「すげー技術だな」 これがアニメなら違うでしょう。そもそも絵です。自由に描ける。「うまく描くなぁ」とは思

          実写はつらそう

          事実と理解

          前に「99.9」というドラマがあって映画化もされたんですが(なぜか公開初日に見ちゃった)好きなドラマでした。主演は松潤です(ちょいちょい出てくるね。まぁ好きなんでしょう。昔「ナラタージュ」についても書いたし) 裁判もののドラマなんですが主人公の一番の関心事は「事実」です。依頼人の利益より優先で、依頼人には不利な事実でもそれを解明するのが最上位。 「それ本来警察の役目じゃね?」と思うんですが、捜査機関、司法機関でその事実の解明ができない、されなかった、という経緯があっての刑

          事実と理解

          流行について

          少し前までテレビではやたら健康番組がありましたね。最近めっきり減った印象です。 一時は同時間帯でもかぶったりして、それじゃ視聴率は取り合いでしょう。共倒れは当然(思えば流行ると右ならえって怖いスね) 内容も似たものが続けば厭きられます。それもう見たよ、と。 そしてなんだかムリクリなのも見ました。例えば納豆。 アツアツのご飯にのせて食べるのはNGって言う。血栓を溶かす成分ナットウキナーゼが機能しなくなるから。 でも一方では納豆菌、すごく強いって言う。熱にも強いし冷凍し

          流行について

          言葉を使う

          風間俊介。ふかわりょう。 まず書きますがこのふたりは好きな芸能人です。テレビで見かけるとつい見ちゃう。言葉が達者で賢さを感じます。他の人じゃ言わないようなことを言いそうで期待する。 で、このふたりに共通すると思う点は、いじられがちなところ。 なぜかな、と考えた時に思い当たるのは、話に飛躍があるなと。 例えば「実はこれ、こうなんです」と結論から入ります。急です。聞く方は身構える。「なぜならこうこう」と説明が続きます。熟慮があっての結論、解説なので淀みありません。理路整然

          言葉を使う

          ひきこもること

          映画を見たあとレビューサイトを見るのがわりと好きです。ドラマを見たあとSNSで感想を探すのも。 自分が面白かったものや逆につまらなかったものを、他人がどう思ったか知りたくなるんですね。 結果はだいたい意外なものが多く、でもその違いが面白い。あぁ、人ってこんなに違うんだなぁ、と。 「ちょっと浅すぎない?」という感想があれば、「そう見るかぁ」と感心したり、「それはさすがに深読みじゃね?」というのもある。完全に自分基準です。 でも自分の感想に自信があるわけじゃありません。な

          ひきこもること

          好きなコメディー

          コメディーは好きなジャンルです。笑えるもの。軽いタッチ。ドラマでも漫画でもコントでも好きです。 ただ自分の中では基準、優劣があって、面白いと思うのはキャラクターたちが普通のもの。 「普通」というのはよくないですね。曖昧です。説明になってない。 平凡? 無個性? ありきたり? うーん、なんか違う。 だいたい「普通」ってちょっと引っかかる言葉ですね。 「普通そうだよ」って言われると、 「そうなの?」「聞いてないよ?」「みんないつ教わったの?」と思う。 「みんなそう

          好きなコメディー

          名前

          いきなり失礼な話ですが人の名前を覚えるのが苦手です。最近の芸能人、特にアイドルグループの子たちは名前どころか顔さえ判別できない。まぁ次々出てきますしね。言っちゃえば興味ないんでしょうね。マジ失礼。 名前を知らないと話題についてけなかったり支障あるんですが、芸能人ならまだいい。仕事関係でもなかなか覚えられなかったりします。なんとか呼ばずにフワフワやり過ごしたり。よくないですね。反省しろ。 でも名前を覚えられないのは昔からで、例えばテレビドラマなどは毎週見ていても役名が頭に入

          筋書きのないドラマ

          「筋書きのないドラマ」という表現はよくスポーツに使われますね。主にゲーム性のあるスポーツに。 ピッタリの表現だと思います。ルールだけが決められ、その範囲でどう動くか、どう転がるか、どこに着地するかは成り行き次第、プレイヤー次第。決まってない。いろんな結末があり得る。読み切れない。 とてもワクワクします。試合を生観戦したりライブ中継では、その結末の瞬間を世界で最初にたくさんの人と共に知るわけで、この興奮は独特のものでしょう。 フィクションにはそれがないかも。 映画の公開

          筋書きのないドラマ

          言葉を疑う

          「男性」という言い方と「男の人」という言い方と「男」という言い方はみんな同じものをさしますが微妙に違いますね。 言葉って本来の意味以外に印象、ニュアンスがあって、「あの男の人がさ」と言うのと、「あの男がさ」と言うのではまるで違う。「あの男がさ」は呼び捨てのような粗さ、いい感情を持ってないような感じがして、あとに続くのは悪口かな、愚痴かな、と察しがつく。聞く方はその姿勢になる。ニュアンスは方向指示器の役割します。 でも実際に聞いてみると、その「男」はそれほど悪そうじゃなかっ

          言葉を疑う

          ドキュメンタリーと報道

          10年以上前に見たテレビのドキュメンタリー番組の1カットをいまだ憶えています。それ以外の部分はほとんど忘れてしまったんですがそこだけは。 外国人家族のドキュメンタリーでした。日本に出稼ぎに来ていた父が祖国の家族を呼び寄せ一緒に暮らしはじめます。しかし家族は日本の生活に馴染めず帰国を決める。その見送りで成田空港に行く場面、電車の中で家族は黙り込み、ある者は椅子に座りある者はドア横で窓外を見つめ、その時に「車窓風景」が映ります。冬枯れの田園が流れる1カット。 「これ演出じゃん

          ドキュメンタリーと報道