刀は跨いではいけない
刀を跨ぐことは無礼とされています。
・刀を跨いではいけない理由
刀を跨いではいけない理由として、刀剣ワールドさんのHPを見ると以下の様に記載されています。
熱田神宮さんのHPを見ると、刀の製作そのものが神聖的な行為である事が分かり、そこで使用される道具類を跨ぐことも固く禁じられる、とあります。
つまり理由は主に2つで、1つが刀そのものが神聖的なものであるという考えがなされている点、もう1つが相手(所有者)への敬意を払う事が大事と考えられている点、という事でしょうか。
剣道でも、日本刀の代わりである竹刀に対して敬意を持つ事が大事とされ、全日本剣道連盟のHPを見ても以下のように書かれています。
こちらを見ると、5代将軍綱吉の時に大小帯刀が武士のみに限定され、大小帯刀=武士というイメージが定着。この特別感が格式となり、厳格な作法も定められた事で刀がますます神聖視されるに至った、とあります。
仮に世が世であれば、例えば私達が農民だとして、武士の刀を跨いだらどうなるか想像に容易い気もします。
私達が同じ武士階級だったとしても他者の刀を跨いだらどうなるかは想像に容易いです。
さて、この感覚は個人的には当たり前というか、言われなくても刀は跨いではいけないという認識があったわけでとりわけ驚く事でも何でもないのですが…。
・そういえばこんな事が
もうだいぶ時間が立ったので書きますが、かなり前に製作している刀展示ケースの取材を受けた時の事。
取材に来られた方は刀をまだ手に取った事の無い方でしたので、刀の鑑賞の仕方や見所、マナーなどを一通り説明してから展示ケースの説明をしました。刀がどのような物か分からない状態で展示ケースの説明ばかりしても伝わらないと思った為です。
という事でその時は床に布を敷いて刀を置き、刀を見る前と後で一礼する事、鑑賞時は喋らない事、などを理由含め説明した上で鑑賞していました。
鑑賞が一通り終わって片付けをしている最中にその方が立ち上がり刀を跨ごうとしたので、申し訳ありませんが刀は跨がないでもらえますかと伝えると、「刀って色々面倒ですね。笑」と一言。
何といいますか…。
日本人の教養はここまで堕ちたのでしょうかね。
初心者だからしょうがないと言う人もいるかもしれませんが、仮に刀を跨ぐ事が良くない事だと知らなくても、刀を蹴飛すリスクがある行為はしない方が良い位の配慮はできないものでしょうか。
人の性格は行動に出るなぁと感じた出来事でした。
因みにその方とはもう付き合いはありません。
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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