大刀剣市の前身「刀剣フェスティバル」
大刀剣市と言えば、愛刀家の1年の楽しみと言っても過言ではないかもしれない刀の大即売会イベントです。
今回はそんな大刀剣市の前身とも言える「刀剣フェスティバル89」について紹介します。
当時は一体どんな規模でどんな品が出展されていたのでしょうか?
①1番最初は「全刀商オークション」として開催
もともと大刀剣市は、全国刀剣商業協同組合(全刀商)が設立された翌年の昭和63年(1988)から開催されています。
しかし第1回目は「全刀商オークション」という名称で、現在のように値札が付いたものを購入するわけではなく、オークション形式で開催されたようです。
(画像出典:WINNERS)
(画像出典:WINNERS)
(画像出典:WINNERS)
②出た意見を吟味「刀剣フェスティバル」を開催
全刀商オークション第1回を開催後、良い所悪い所様々意見が出たようで、それらの意見を活かし翌年の平成元年に今の大刀剣市の前身のとなる「刀剣フェスティバル89」が開催されます。
そして平成3年(1991年)に「大刀剣市」と名前を改める事になりました。
そこから現在に至るまで大刀剣市という名称で続いています。
つまりオークション形式ではない現在のスタイルの大刀剣市の第1回目は「刀剣フェスティバル89」という事になります。
その時のカタログがこちらになります。
今の東京美術倶楽部とは異なる場所で開催されていたようです。
③今でもよく見る刀剣店が多数出展
出展社を見てみると今でも見るお店の名前が沢山。
美術刀剣川島は現在だと「泰文堂」さん、銀座盛光洞は「盛光堂」さんと思われます。
現在は70店舗以上が全国から集まり開催されている事を考えると、当時はとても小さな規模で開催されていた事が分かります。
④どんな物が出展されていたのか
「刀剣フェスティバル89」カタログより一部抜粋で紹介します。
(特別貴重刀剣 源正雄)
(上:程乗 下:政美)
(斎藤豊前守清人)
(35回重要刀装具 大森英秀)
(刀掛 葵紋唐草蒔絵)
(現代刀? 小諸住正朝)
(第35回重要刀剣 無銘 伝景政)
(第25回重要刀剣 無銘 伝高木貞宗)
(和泉守藤原国貞)
(特別貴重刀剣 仁王清貞)
(第24回重要刀剣 元重)
(重要刀剣・虎徹大鑑所載 長曽祢興里入道乕徹)
(出世鎧 金小札紺糸威二枚胴具足)
(特別保存刀剣 井上真改)
現在のように特別保存や重要刀剣、特別重要刀剣ばかりが掲載されているわけではなく、無冠や貴重刀剣といったものも掲載されています。
時代を感じますね。
因みに私が生まれたのが1987年なので、刀剣フェスティバル89は私が2歳の時に開催されていた事になります。
かなり昔に感じますが、この時の掲載品が今もどこかに存在していると思うと不思議な感覚になります。
刀の歴史から言えばたかだか30年ちょっとなのですが。
⑤終わりに
最新の2021年大刀剣市はコロナにより中止となってしまいましたが、カタログがウェブ上(こちら)で公開されています。
興味ある方は是非ご覧ください。
89年の頃に比べると掲載されている名品がかなり増えている事が分かりますし、見ているだけでも楽しいです。
是非今年こそは大刀剣市開催されて欲しいですね。
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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