刀を所持した人の話
日本刀を買った人は刀にどんなことを感じているのでしょうか。
今回は刀を所持した人が私生活の中でどのように刀に向き合って、刀をどう感じているのか、そんな事を紹介してみようと思います。
今も昔も変わらない、人が刀に対して感じている事が分かると思いますよ^^
刀の所有者は単純に「刀が綺麗」とだけ感じているわけではありません。
以下書籍から内容を紹介します。
（※「」内が引用文章になりますが、一部省略して書いています）
①終生の仕事として選んだデザインの仕事と、なにか奥底で通じ合うものがある
「学生時代からデザインに興味を持ち、今もその仕事にたずさわっている私に刀は仕事の糧であり、心のやすらぎとしてなくてはならない存在となっている。
美術日本刀の根源にあるものを、わが仕事、わが芸術観のうちに認めつつあるところである。
思うに一瞬の気も許されることなく、銑錬され、打ち、鍛えられて出来た日本刀のあの美しさ…。終生の仕事として選んだデザインの仕事と、なにか奥底で通じ合うものがあるように思えてならない。」
②刀を見る時間ほしさに働く
「私は医者という職業柄、一日中患者に接していて休む暇もない毎日を過ごしている。仕事の合間や仕事の終わった夜など、一人静かに手入れをしながら眺める時、本当にほっとして、疲れもふっとんでしまう。
考えて見れば、刀を見る時間欲しさに働いているようなものだとさえ思っている」
③鞘を払うたびに、心のやすらぎと清涼感を満喫
「くつろぎの時を見出してはそっと鞘を払う。なぜこれほどに私の心を引き付けて離さないものが潜んでいるのだろうか。
鋭さを気品の高い姿でオブラートのように包んでしまっている。
私はこの、気品ある中に鋭さを秘めた美しさが好きなのだ。
鞘を払うたびに、心のやすらぎと清涼感を満喫している。」
④静と動の弾の役目をする愛刀
「口腔外科が特技の私にとって、手術のあとにこの一刀をすらりと抜いて見るといっぺんに疲れもとれさわやかな心になって、また次の手術にかかれる。私にとってまさに静と動の弾の役目をする愛刀である。」
⑤刀は縁
「刀は縁ものだというが、なるほどその通りだと思う。
欲しくてたまらないものがなかなか手に入らないでいるかと思うと、一つのものが手元にくる、すると同種のものをしばしば見かけて、入手の機会がやってきたりする。
しかし、その縁をつね日頃から培っておかなければ機会は顔を向けてくれないだろう。」
⑥可愛いい恋人を店内に飾る
「私は喫茶店の商売をしながら、毎日、愛刀を鑑賞している。というのは、いつも人事関係や営業関係でいやなことにぶつかっていて、戦争をしているような毎日を送っている。
そんな時、仕事を終わって我が家に帰り、わずかの時間を割いては刀を鑑賞していたが、それも、なかなか難しく、いざとなると恋人？に会える時間もない。
そこで、事業の一つとして経営している喫茶店の店内に刀を飾ってみようと思いついた。
つい先ごろそれを実行してからというもの、私は商売をしながら我が愛刀を毎日鑑賞している、といった次第である。それで今では幸福な毎日を送っている。」
⑦難問を解決する不思議な魅力
「時々、難問題に直面すると、この刀を眺めて自分の気持ちを落ち着けるのだが、いつの間にか冷静さを取り戻す事が出来るのは、自分ながら不思議にさえ思える。愛刀とはそうしたものなのだろう」
⑧明日への活力
「製作されてから何百年という歳月を経過して私の手元に来たという事が、なにか、とても意義深く幸せな事に思えてならない。
1日の仕事が終わって、ほっと一息ついたとき、この刀を見ていると、体中から疲れが知らず知らず抜け出て、また明日への活力が湧いてくるのを感じる。
愛刀は趣味への道だというが、私にはそれ以上に刀はなくてはならない存在である。」
・終わりに
いかがでしたでしょうか。
こういうのを見ていると、今も昔も心から刀を好きで、
刀を仕事にプラスの作用を働かせるものとして見ている人が多いように感じました。
刀は実際に疲れた状態で眺めると、「無」の状態になれます。
そして眺め終わった後にどこか頭がスッとするような、頭の中が整理されて疲れが抜けるような、そんな感覚になれます。
今コロナでストレスを溜めている方も多いと思いますが、刀はきっと効力を発揮してくれますよ。
私の刀展示ケース作りも刀のこんな特徴を利用して、日々の疲れやストレスをもっと手軽に取れないか？という発想からスタートしました。
（本当に疲れていると鞘を払う行為が出来ないので…）
今回の本は以下から買えます。
他にも色々な話が200近く載っているので気になる方は読んで見て下さい^^
今回も読んで下さりありがとうございました！
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それでは皆様良き御刀ライフを～！
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