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生まれてくる赤ちゃんへ・2

こっこちゃんへ

この前はパパとの関係についてお手紙にしましたが、今回は他の家族とのことを書こうと思います。

実はママのママ(おばあちゃん)は大変な人で、小さい頃ママは怖い思いや悲しい思いをたくさんしてきました。

ママのおばあちゃん(ひいばあちゃん)とママのパパ(おじいちゃん)は優しい人で、ママは好きだったけど、おばあちゃんを止めることはできなくて、ママは「守ってほしかった」ってずっと思ってました。

そんなだから、ママはこれまで「この両親のもとで生まれてよかったな」と思ったことがなかったんだ。嘘はつきたくないから、結婚式の手紙でもそんな台詞は言えませんでした。

パパと結婚してからは、ママにとって、もう1人のパパとママができました。もう1人のパパとママは、おばあちゃんみたいに大変な人じゃなかったから、ママは「何でも話せて本当の親子みたいに信頼できる関係」をすごく期待していました。でも妊娠してから色々気づいたんだ。

1つが、ママはもう1人のパパとママに期待しすぎていたんだなってこと。それから、家族の文化ってすごく違いがあって、ママの家族にはパパの家族にない良いところがあったってこと。

例えば、「思いを言葉にして伝えること」とか「子どもから親へ相談できること」とか「喧嘩しても仲直りできること」とかが、そうでした。ママはパパの家族が完璧に見えていたけど、そこで育っても、しんどいことはたくさんあったと思う。生まれて初めて「この家族で生まれてよかったな」と思えたのは、ママにとって嬉しいことでした。

それに、いろんな人に相談する中で、これまで「守ってくれなかった」と思ってた、ひいばあちゃんとおじいちゃんがいなければ、ママはもっともっと大変なことになっていたと気づいて、すごく感謝の気持ちも湧いてきました。

おばあちゃんがママへしてきたことは、許されることではないし、されなければよいに越したことはなかったと今でも思う。でも、いろいろ勉強や経験を重ねる中で、おばあちゃんがあんな行動をしてしまったことの背景は理解できるようになりました。

おばあちゃんへの怖い気持ちが全てなくなったわけではありません。でも妊娠してから、おばあちゃんには色々電話で相談に乗ってもらうようになりました。

こっこちゃんが生まれる前と後の1ヶ月間、おばあちゃんは手伝いにきてくれています。今まで3日以上一緒にいることができなかったから、うまくやっていけるか不安だったけど、1週間経った今の時点では、思ったより仲良くやれているよ。おばあちゃんが来てくれて、パパが仕事に行っている間、時間がすぎるのが早くなったし、ママは前より活動的に動けるようになりました。寂しくないし、陣痛が来たときに人がそばにいてくれるので安心です。

最初はパパの実家でお世話になる案とか、ママの実家に里帰りする案とかもでていて、特に前者は有力だったけど、いろいろすれ違いがあって、白紙になりました。そのときはとても悲しかったけど、今となってはそれでよかったと思ってるよ。パパと2人きりでゆっくり過ごす時間がたくさんできたし、パパもいる安心できる環境で、おばあちゃんと最初で最後の長い生活をするきっかけになったから。

もしおばあちゃんとの生活を1ヶ月乗り切れたら、きっとママにとって大きな自信になると思うな。

また長くなっちゃったから、続きはまた今度。これからパパが作った夕食を食べてくるね。

ママより


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